ジロ・デ・イタリア2023 第12ステージはデンツが逃げ切り初優勝

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イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月18日にブラからリヴォリまでの179kmで第12ステージを競い、ドイツのニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグローエ)が逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制し、グランツール区間初優勝を果たした。
 

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■逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制したデンツがグランツール区間初優勝を果たした (photo : LaPresse)

 
区間2位はラトビアのトムス・スクインシュ(トレック・セガフレード)、3位はオーストラリアのセバスティアン・バーウィック(イスラエル・プルミエテック)だった。集団は8分19秒遅れでゴールし、マリア・ローザは英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)が守った。
 

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■マリア・ローザはトーマスが守った (photo : LaPresse)

 
第12ステージは139選手が出走。アレッサンドロ・コーヴィ(UAEチーム・エミレーツ)は前日の落車で仙骨を骨折した疑いがあり、スタートしなかった。起伏のあるスタートで集団からはすぐにスプリンターが遅れ始め、27人の大きな逃げ集団が形成された。そこに逃げ切った3人も加わっていた。逃げ集団で総合成績が最も上位だったのはパトリック・コンラート(ボーラ・ハンスグローエ)だったが、マリア・ローザのトーマスより8分43秒遅れていた。

逃げ集団にはマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)とマイケル・マシューズ(チームジェイコ・アルウラー)も加わり、79.8km地点にあった中間スプリントをピーダスンが1位、マシューズが2位で通過した。これでピーダスンはポイント賞総合で首位のジョナタン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)と24ポイント差になった。

集団の後方では、第5ステージで区間優勝したケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)とミヒャエル・シェール(AG2R・シトロエン チーム)がレースを棄権した。レース中盤はまた雨が降り出した。
 

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■大きな逃げ集団からデンツ、スクインシュ、バーウィックが抜け出した (photo : LaPresse)

 
92km地点で逃げ集団からデンツ、スクインシュ、バーウィック、アレッサンドロ・トネッリ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)、サムエーレ・バッティステッラ(アスタナ カザクスタン チーム)がアタックしたが、バッティステッラはすぐに諦めた。最後に越えたカテゴリー2のコッレ・ブライダのふもとで、逃げる4人と集団のタイム差は9分近くになっていた。

コッレ・ブライダの上り坂でトネッリが遅れ、先頭はデンツ、スクインシュ、バーウィックの3人になった。最後は3人でのゴールスプリントになり、デンツが区間初優勝を勝ち取った。

■グランツール区間初優勝を果たしたデンツのコメント
「これはボクにとって本当に大きな出来事だ。とても誇らしいよ。逃げに入るはずではなかった。それはコンラートとユンゲルス次第だった。しかし、ユンゲルスは自分がベストな状態ではなく、明日はケムナをサポートするためにエネルギーをセーブしたいと言った。逃げにはモンスターしか居なかった。協力体制は非常に悪く、気がついたら最後の上りで先頭にいた。ゴールはわかっていた。だから望むようなやり方でスプリントをする事ができた」
 

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■グランツール区間初優勝を果たしたデンツ (photo : LaPresse)


■第12ステージ結果

[5月18日/ブラ~リヴォリ/179km]
1. DENZ Nico (BORA – HANSGROHE / GER) 4:18:11
2. SKUJINS Toms (TREK – SEGAFREDO / LAT)
3. BERWICK Sebastian (ISRAEL – PREMIER TECH / AUS) +0:03
4. TONELLI Alessandro (GREEN PROJECT-BARDIANICSF-FAIZANE’ / ITA) +0:58
5. FRIGO Marco (ISRAEL – PREMIER TECH / ITA) +2:07
6. VAN WILDER Ilan (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +2:20
7. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION – EASYPOST / ITA) +2:20
8. SCARONI Christian (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +2:20
9. HEBMANN Michel (JUMBO-VISMA / GER) +2:20
10. BAUDIN Alex (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +2:20
126. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +20:44

■第12ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) 49:02:05
2. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +0:02
3. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:22
4. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +0:35
5. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +1:28
6. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +1:52
7. DUNBAR Edward (TEAM JAYCO ALULA / IRL) +2:32
8. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +2:32
9. DE PLUS Lauren (INEOS GRENADIERS / BEL) +2:36
10. PARET PEINTRE Aurélien (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +2:48
135. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +2:25:42

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BAIS Davide (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
 

第13ステージは降雪でコース変更

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■第13ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 
5月19日はボルゴフランコ・ディヴレアをスタートし、スイスに越境して標高1456mのクラン・モンタナ頂上にゴールするアルプス山岳区間の第13ステージが行われるが、異例の降雪でコースが一部変更になった。

当初はレース中盤に標高2469mで今大会のチマ・コッピ(最高峰)となるグラン・サン・ベルナール峠を通過するはずだったが、降雪により雪崩の危険もある為、頂上通過はキャンセルになった。グラン・サン・ベルナール峠は1878mまで上り、そこからトンネルで通過するルートに変更している。グラン・サン・ベルナール峠はチマ・コッピからカテゴリー1に降格し、今大会のチマ・コッピは第19ステージのゴールになっている標高2304mのトレ・チーメ・ディ・ラヴァレドに変更した。
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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