ツール・ド・熊野2023 第2ステージは地元・キナンレーシングがワンツーフィニッシュ

2023.06.05
レース

山本元喜がステージ優勝、個人総合時間は岡篤志が制する

ツール・ド・熊野2023 第2ステージは、和歌山県太地町が舞台。太地漁港周辺に設定された1周10.5kmのコースを使用しての104.3km（パレード0.7kmを含む）のレースだ。太地湾に面した海沿いを走るコースは、ジェットコースターと形容されるように上りと下りが繰り返されるハードな設定。山岳賞の設定こそ無いものの、厳しいタイムアウト基準と相まって毎年完走率が低いステージとして知られる。

朝から青空が広がり、気温が上昇する中スタートしたレースは、中間スプリント賞やステージ優勝を狙う各チームのアタック合戦で幕を開ける。

長く伸びた集団はハイスピードで進行し、周回が進むにつれ遅れた選手の集団が目立ち始める。レース中盤までに半数ほどまで絞られた集団は、JCL TEAM UKYOがコントロールに入って一旦落ち着く。

6周目、山本元喜が単独先行。7周目にはトマ・ルバが合流し、キナンレーシングチームの2人が先頭集団を形成。メイン集団との差は30秒から40秒まで開く。

最終周回に入るとタイム差が縮まり始めたが、山本とルバが逃げ切り。最後は山本を先頭にキナンレーシングチームがワン・ツーフィニッシュを決めた。

一方メイン集団では、残り3kmでイエロージャージを着る山本大喜がバイクトラブルに見舞われて遅れてフィニッシュ。救済処置によりメイン集団と同タイムとされたものの、総合2位の岡篤志（キナンレーシングチーム）が逆転で総合優勝となった。

ツール・ド・熊野2023 第2ステージ

ステージ優勝：山本元喜コメント
「スプリント周回が終わった直後、登りで抜け出して次の周にはトマ（・ルバ）が追いついてきて2人逃げになった。30秒から40秒差を維持してステージ優勝を狙うチームの射程圏にずっといたので逃げ切れるか分からなかったが、トマがずっと引いてくれて遅れないようについて行った。残り2kmを切ったところで後ろが見えなかったので、勝ちを確信した。応援してくれる人達の前でワン・ツーフィニッシュできて本当に良かった」

ツール・ド・熊野2023 第2ステージ

個人総合優勝：岡篤志　コメント
「昨日のステージでワンツーフィニッシュして、今日は強いチームメイトに守られてフィニッシュすることができた。本当はこの地にゆかりのある（山本）大喜に勝って欲しかったけれど、ラスト3kmのトラブルで総合順位が逆転してしまった。それでも個人総合ワンツーフィニッシュで終えることができて本当に良かった。
このチームの目指すところは世界にチャレンジしていくことなので、国内のレースでしっかりと強いところを見せられたと思う。これからも積極的なレースをできるようにしていきたい」

ツール・ド・熊野2023 第2ステージ

ポイント賞：山本元喜　コメント
「昨日は弟（山本大喜）にやられたので、今日は兄もがんばらねばならないと思い、やり返すつもりで走った。今日は父が見に来てくれたので、兄弟揃って活躍できたことは良かったと思う」

山岳賞：山本大喜　コメント
「コースが変更になったり大変な大会だった。選手としては札立峠を走るコースで勝負したかったが、千枚田だけでも素晴らしいレースになって、山岳賞を獲得できたので良かった。チームとしては個人総合をなんとしても守るつもりで最終日を走った。皆さんの応援のおかげで最高の成績で終えることができた」

U23賞：山田拓海　コメント
「留目（夕陽）選手のU23リーダージャージを守れたら良かったのだが、メカトラなどがあって僕がもらう形になった。チーム内での移動だったのでそれは良かったと思う。このコースはずっと踏みっぱなしになるのでペースがすごく速くなるが、それが自分には合っていると思う。今後も未来に繋がるような積極的な走りをしていきたい」

ツール・ド・熊野2023　第2ステージ/太地半島周回コース　結果（104.3km）
1位　山本元喜（日本、キナンレーシングチーム）2時間31分27秒
2位　トマ・ルバ（フランス、キナンレーシングチーム）+0秒
3位　ゲオルギオス・バグラス（ギリシャ、マトリックスパワータグ）+26秒
4位　フェリックス・スティリ（スイス、EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム）
5位　ライアン・カバナ（オーストラリア、キナンレーシングチーム）
6位　ジャンバルジャムツ・セインベヤール（モンゴル、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム）
7位　バトムンク・マラル・エルデン（モンゴル、レバンテフジ静岡）
8位　岡本　隼（日本、愛三工業レーシングチーム）
9位　石上優大（日本、愛三工業レーシングチーム）
10位　フランシスコ・マンセボ・ペレス（スペイン、マトリックスパワータグ）

個人総合順位（第2ステージ終了時）
1位　岡　篤志（日本、JCL TEAM UKYO）4時間0分51秒
2位　山本大喜（日本、JCL TEAM UKYO）+0秒
3位　ジャンバルジャムツ・セインベヤール（モンゴル、トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム）+33秒
4位　中井唯晶（日本、シマノレーシング）
5位　ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア（スペイン、マトリックスパワータグ）　+35秒
6位　ベンジャミ・プラデス（スペイン、JCL TEAM UKYO）
7位　バトムンク・マラル・エルデン（モンゴル、レバンテフジ静岡）　+36秒
8位　ダニエル・グルド（デンマーク、レバンテフジ静岡）
9位　石上優大（日本、愛三工業レーシングチーム）
10位　フランシスコ・マンセボ・ペレス（スペイン、マトリックスパワータグ）

ポイント賞（第2ステージ終了時）
1位　山本元喜（日本、キナンレーシングチーム）25p

山岳賞（第2ステージ終了時）
1位　山本大喜（日本、JCL TEAM UKYO）19p

U23賞（第2ステージ終了時）
1位　山田拓海（日本、EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム）

チーム順位（第2ステージ終了時）
1位　JCL TEAM UKYO 12時間3分9秒
2位　EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム　+1分36秒
3位　マトリックスパワータグ　+2分16秒