ツール・ド・フランス2023 第2ステージはフランスのラフェが区間初優勝

  • photo A.S.O. /Pauline BALLET/Charly Lopez / ©SprintCycling

隣国スペインで開催中の第110回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月2日にビトリア・ガステイスからサン・セバスティアンまでの209kmで、今大会最長区間の第2ステージを競い、フランスのヴィクトール・ラフェ(コフィディス)が、残り1kmからのロングスプリントを決めて区間初優勝した。
 

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■フランスのラフェがコフィディスに15年ぶりのツール区間優勝をもたらした (©SprintCycling)

 
区間2位はベルギーのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)、3位は新人賞のマイヨ・ブランを着たスロベニアチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)だった。マイヨ・ジョーヌは英国のアダム・イェーツ(UAEチーム・エミレーツ)が守った。
 

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■マイヨ・ジョーヌはアダム・イェーツが守った (photo : A.S.O. /Charly Lopez)


カラパスが不出走

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■双子のイェーツ兄弟は第2ステージでサイモンがマイヨ・ベール、アダムがマイヨ・ジョーヌを着た (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

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● 第2ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
第2ステージは174選手が出走。前日に落車したエクアドルチャンピオンのリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)は、左膝蓋骨に小さな骨折が見つかり、スタートしなかった。8km地点でエドワルド・ボアソンハーゲン(トタルエナジーズ)と山岳賞のマイヨ・アポワを着たニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックし、レミ・カヴァニャ(スーダル・クイックステップ)が合流してこの日の逃げグループになった。
 

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■逃げを引くボアソンハーゲン (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
3人のタイム差は30km地点で4分になり、集団はUAEチーム・エミレーツがコントロールを開始した。カテゴリーの付いた丘はパウレスが先頭で通過してポイントを稼いだ。ゴールまで残り70kmでカヴァニャは遅れ、ボアソンハーゲンも残り37kmで脱落し、先頭はパウレスだけになった。

ゴールまで残り25kmで、山岳クラシックのクラシカ・サン・セバスティアン(UCIワールドツアー)のコースにもなっている全長8.1kmのハイツキベル山(カテゴリー2)の登坂がスタートした時、パウレスはまだ1分半以上のタイム差を持っていた。集団はここでチームジェイコ・アルウラーが引き始め、この日の優勝候補として名前が上げられていたマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が遅れてしまった。

ハイツキベルの山頂まで残り半分となった所で、集団の先頭はラファウ・マイカ(UAEチーム・エミレーツ)が引き始め、ゴールまで残り19.3kmで先頭のパウレスを吸収した。後方ではマイカのスピードについて行けなくなったジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)やティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が遅れ、集団は30人ほどになっていた。
 

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■独走で逃げ続けたパウレスは山岳賞ポイントを稼ぎ、マイヨ・アポワを守った (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
山頂まで残り1kmを切った所でマイカが仕事を終え、メイン集団はマイヨ・ジョーヌのアダム・イェーツが先頭に立った。山頂が近づくと、マイヨ・ベールを着たサイモン・イェーツ(チームジェイコ・アルウラー)がアタックしたが、ヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)とポガチャルにあっさり抜かれてしまった。

ハイツキベルの山頂と先頭で通過したポガチャルは、後ろに付いてきたヴィンゲゴーに合図を送ったが、ヴィンゲゴーは首を横に振った。2人の協力体制はなく、ゴールまで残り12kmで追走グループに吸収された。ゴールへと向かう下り坂で、地元バスク出身のペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックしたが、最後まで逃げ切る事はできなかった。
 

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■ハイツキベルで先頭を走るマイヨ・ジョーヌのアダム・イェーツ (©SprintCycling)


フラム・ルージュでラフェがアタック

先頭集団はユンボ・ヴィスマがコントロールを続け、残り3kmでトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)が仕掛けたが失敗した。そのまま集団ゴールスプリントに持ち込まれるかと思われたが、残り1kmのフラム・ルージュでラフェがアタックし、あっという間に差を広げてしまった。

ラフェはそのまま逃げ切り、サブライズな区間初優勝を勝ち取った。フランスのコフィディスがツールで区間優勝したのは、2008年以来、15年ぶりだった。ツールがサン・セバスティアンでゴールした1949年と1992年にも、フランスの選手が優勝していた。ラフェを捕まえられなかったヴァンアールトは、右手を振り下ろして悔しがっていた。

27歳のラフェは2021年のジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)でも区間優勝していて、これが2度目のグランツール区間優勝だった。彼はポイント賞で総合首位になり、マイヨ・ベールを獲得した。
 

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■区間優勝したラフェがマイヨ・ベールを獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
■サプライズな区間初優勝を果たしたラフェのコメント
「アタックした時は、それがうまくいくかどうかさえ評価しなかった。フィニッシュラインが近づいてきて、数値的に自分のパワーが下がっているのが見えたが、うまくいった。これは間違いなく計画されていた。昨日最後の上りの頂上で、ポガチャルやヴィンゲゴーに同行したのは計画にはなかった。今日は丘ではトップガンたちに付いていく事以外は何もしたくなかった。

コフィディスがやっと区間優勝してホッとしたよ。チームに入って以来、5年間この事について聞いていた。チームをこの負担から開放できて嬉しい。我々は続けていくだろう。もっと望んでいる。コカールもとても強いからね」
 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)


■第2ステージ結果

[7月2日/ビトリア・ガステイス(スペイン)~サン・セバスティアン(スペイン)/209 km ]
1. V. LAFAY (COFIDIS / FRA) 04h 46′ 39”
2. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL)
3. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
4. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR)
5. P. BILBAO LOPEZ (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP)
6. S. JENSEN (LIDL – TREK / DEN)
7. M. WOODS (ISRAEL – PREMIER TECH / CAN)
8. R. BARDET (TEAM DSM – FIRMENICH / FRA)
9. D. TEUNS (ISRAEL – PREMIER TECH / BEL)
10. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS)
18. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN)
20. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR)
21. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR)

■第2ステージ後の総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1.  A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) 09h 09′ 18”
2.  T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 06’’
3.  S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 00′ 06’’
4.  V. LAFAY (COFIDIS / FRA) + 00′ 12’’
5.  W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL) + 00′ 16’’
6.  J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 00′ 17’’
7.  M. WOODS (ISRAEL – PREMIER TECH /CAN) + 00′ 22”
8.  S. JENSEN (LIDL – TREK / DEN) + 00′ 22”
9.  J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 22”
10.  M. LANDA (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) + 00′ 22”

[各賞]
■ポイント賞:V. LAFAY (COFIDIS / FRA)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞 :T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績:JUMBO-VISMA (NED)
■敢闘賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
 

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■敢闘賞は逃げたパウレスが獲得した (photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 
第3ステージはスプリント区間

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● 第3ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

 
グランデパールとなったスペイン北部バスク州での最終日となる7月3日は、アモレビエタ・エチャノをスタートし、海岸沿いのルートでフランスへと越境してバイヨンヌでゴールする193.5kmの第3ステージが行われる。安全上の理由から、直前に終盤のコースが変更した為、距離は6km長くなった。今年最初の平坦区間で、集団ゴールスプリントが期待できるだろう。
 

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(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

 

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(photo : A.S.O. /Charly Lopez)

 

 

 

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