ツール・ド・フランス2023 第3ステージはフィリプセンが区間優勝

2023.07.04
レース

photo A.S.O. /Pauline BALLET/Charly Lopez / ©SprintCycling

スペイン北部バスク州で開幕した第110回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、7月3日にスペインのアモレビエタ・エチャノをスタートし、国境を越えてフランスのバイヨンヌでゴールする193.5kmの第３ステージを競い、ベルギーのヤスペル・フィリプセン（アルペシン・ドゥクーニンク）が、集団ゴールスプリントを制して区間優勝した。

■ベルギーのフィリプセンが今年最初の集団ゴールスプリントを制した (©SprintCycling)

区間2位はドイツのフィル・バウハウス（バーレーン・ヴィクトリアス）、3位はオーストラリアのケイレブ・ユアン（ロット・デスティニー）だった。マイヨ・ジョーヌは英国のアダム・イェーツ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）が守った。

■マイヨ・ジョーヌはアダム・イェーツが守った (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

スペインからフランスへ

● 第3ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

スペイン北部バスク州でのグランデパールを終え、第３ステージは国境を越えてフランスへと向かうコースだった。174選手が出走し、スタートの合図とともにアタックしたのは山岳賞のマイヨ・アポワを着たニールソン・パウレス（ＥＦエデュケーション・イージーポスト）だった。彼はフランスのローラン・ピション（チームアルケア・サムシック）とともに、集団から逃げ出す事に成功した。

■スタートの合図とともに集団からアタックしたピションとパウレス (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

第３ステージは前半にカテゴリー３と４の丘が４カ所あり、パウレスはそれを全て先頭で通過し、ポイントを稼いだ。65.8km地点の中間スプリントでは、マイヨ・ベールを着たフランスのヴィクトール・ラフェ（コフィディス）が集団からアタックし、３位通過でポイントを稼いだ。

102km地点の最後の丘を越えた後、パウレスは集団を待ち、先頭はピション１人になった。ゴールまで残り59.4kmで国境を越えてフランスに入った時、逃げるピションと集団のタイム差は2分近くあった。しかし、集団はティム・デクレルク（スーダル・クイックステップ）が引き続け、ピションは残り37.5kmで吸収された。

最後は予想通りの集団ゴールスプリントになり、残り1kmのフラムルージュからアルペシン・ドゥクーニンクのヨーナス・リカールトとマテュー・ファンデルプールが先頭を引き、フィリプセンをゴール手前200mまで運んだ。スプリントはフィリプセンが競り勝ったが、斜行でウァウト・ヴァンアールト（ユンボ・ヴィスマ）の進路を妨害したかどうかの審議が20分以上続いた後、フィリプセンの勝利が確定した。これで25歳のフィリプセンのツール区間優勝は、通算３勝になった。

■区間優勝したフィリプセンと記念撮影に収まった牽引役のファンデルプール (©SprintCycling)

■今大会最初の集団ゴールスプリントを制したフィリプセンのコメント
「緊張したゴールだったが、これがツール・ド・フランスだ。誰にも贈り物はないし、全員が全力を尽くす。リッカールトとファンデルプールの素晴らしいリードアウトがあり、チームのパフォーマンスには本当に満足している。それをフィニッシュラインまで守れて本当に嬉しいよ。ファンデルプールをリードアウト役で持つなんて素晴らしいよ。

フィニッシュラインの近くにカーブがあって、トリッキーなゴールだった。ボクは最短コースでゴールに向かった。最初のスプリントは誰もがフレッシュでやる気満々だから最も神経質なものになる。我々は今後のステージで次の区間優勝を目指してトライする。早ければ明日だ。最初のスプリントで勝ててものすごくハッピーさ」

■フィリプセンのツール区間優勝は通算３勝になった (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

■第３ステージ結果
［７月３日／アモレビエタ・エチャノ（スペイン）～バイヨンヌ／193.5 km］
1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 04h 43′ 15”
2. P. BAUHAUS (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
3. C. EWAN (LOTTO DSTNY / AUS)
4. F. JAKOBSEN (SOUDAL QUICK-STEP / NED)
5. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL)
6. M. CAVENDISH (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / GBR)
7. J. MEEUS (BORA – HANSGROHE / BEL)
8. D. GROENEWEGEN (TEAM JAYCO ALULA / NED)
9. M. PEDERSEN (LIDL – TREK / DEN)
10. B. COQUARD (COFIDIS / FRA)

■第３ステージ後の総合成績（マイヨ・ジョーヌ）
1. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) 13h 52′ 33”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 06’’
3. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 00′ 06’’
4. V. LAFAY (COFIDIS / FRA) + 00′ 12’’
5. W. VAN AERT (JUMBO-VISMA / BEL) + 00′ 16’’
6. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) + 00′ 17’’
7. M. WOODS (ISRAEL – PREMIER TECH /CAN) + 00′ 22”
8. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 00′ 22”
9. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 00′ 22”
10. S. JENSEN (LIDL – TREK / DEN) + 00′ 22”

［各賞］
■ポイント賞：V. LAFAY (COFIDIS / FRA)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞：T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績：JUMBO-VISMA (NED)
■敢闘賞 : L. PICHON (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA)