ツール・ド・フランス2023 第7ステージはフィリプセンが今大会３勝目

2023.07.08
レース

photo A.S.O. /Pauline BALLET/ ©SprintCycling

第110回ツール・ド・フランス（ＵＣＩワールドツアー）は、７月７日にモン・ド・マルサンからボルドーまでの169.9kmで、平坦区間の第７ステージを競い、マイヨ・ベールを着たベルギーのヤスペル・フィリプセン（アルペシン・ドゥクーニンク）が集団ゴールスプリントを制し、今大会３勝目を上げた。

■マイヨ・ベールのフィリプセンが今大会３勝目を上げた (©SprintCycling)

区間２位は英国のマーク・カヴェンディッシュ（アスタナカザクスタンチーム）、3位はエリトリアのビニヤム・ギルマイ（アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ）だった。マイヨ・ジョーヌはデンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー（ユンボ・ヴィスマ）が守った。

■マイヨ・ジョーヌはヴィンゲゴーが守った (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

ギュグリエルミがスタートからアタック

■スタートしてすぐにアタックした選手たちの中で、ギュグリエルミだけが逃げ続けた (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

● 第7ステージのコースプロフィール (MAP : ASO)

第７ステージは172選手が出走。スタートの合図と同時に地元フランスのシモン・ギュグリエルミ（チームアルケア・サムシック）がアタックし、ネルソン・オリヴェイラ（モビスターチーム）、マテュー・ビュルゴドー（トタルエナジーズ）、ヨーナス・アブラハムセン（ウノエックスプロサイクリングチーム）が付いていったがすぐに諦め、ギュグリエルミは単独で逃げ続ける事になった。彼は16km地点で5分差を付けたが、アルペシン・ドゥクーニンクが集団をコントロールし、タイム差はそれ以上にはならなかった。

88km地点の中間スプリントで、集団は2位通過を競って加速し、ギュグリエルミのタイム差は一気に45秒に縮まった。2位で通過したのはギルマイだった。ゴールまで残り77.6kmで集団からナンス・ペテルス（ＡＧ２Ｒ・シトロエンチーム）とピエール・ラトゥール（トタルエナジーズ）がアタックし、4km先で先頭のギュグリエルミに追いついた。

(photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

ギュグリエルミは残り40kmで先頭グループから遅れたが、この日の逃げで敢闘賞を獲得した。ペテルスは残り6kmで諦め、ラトゥールも残り3.5kmで集団に吸収され、81回目のゴールになったボルドーは、例年通り集団ゴールスプリントになった。

■後から逃げに合流したペテルスとラトゥールも最後は捕まった (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

アルペシン・ドゥクーニンクは残り2kmから４人で列車を組み、マイヨ・ベールのフィリプセンを引いた。最後は残り600mからマテュー・ファンデルプール（アルペシン・ドゥクーニンク）がリードアウトしたが、フィリプセンよりも先に飛び出したのはカヴェンディッシュだった。

前人未到の35勝が達成されるかと期待されたが、カヴェンディッシュの後方に付けたフィリプセンがフィニッシュラインの手前で彼をあっさり抜き去り、今大会３勝目を手中に収めてしまった。フィリプセンに抜かれたのを横目に見たカヴェンディッシュは、競うのを止めてしまったが、それでも区間２位に入っていた。

■今大会３勝目を上げたフィリプセンのコメント
「我々はチームの功績を誇りに思う。チームなしでは区間３勝を得る事は不可能だっただろう。我々は共に働き、ゴールでは互いを見つけてリードアウトを組織した。誇らしいし、嬉しいよ。残り1kmでリカールトとファンデルプールが一緒でラッキーだった。自分の最後のスプリントまで、あまり苦労しなくて済んだ。今のところはツール・ド・フランスの夢のスタートだ。

我々はトライし続け、パリも目指す。カヴェンディッシュは強かった。皆と同じく、ボクも彼が勝つところを見たかった。確実に彼はトライし続けるだろう。彼は調子が良いからね。今からはパリまでマイヨ・ベールを守る事が自分にとってもう一つの目標だ」

■区間３勝でポイント賞総合でのリードを大きく広げたフィリプセン (photo : A.S.O. /Pauline BALLET)

■第７ステージ結果
［７月７日／モン・ド・マルサン～ボルドー／169.9 km ］
1. J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL) 03h 46′ 28”
2. M. CAVENDISH (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / GBR)
3. B. GIRMAY (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / ERI)
4. L. MOZZATO (TEAM ARKEA – SAMSIC / ITA)
5. D. GROENEWEGEN (TEAM JAYCO ALULA / NED)
6. J. MEEUS (BORA – HANSGROHE / BEL)
7. P. BAUHAUS (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
8. B. COQUARD (COFIDIS / FRA)
9. A. KRISTOFF (UNO-X PRO CYCLING TEAM / NOR)
10. M. PEDERSEN (LIDL – TREK / DEN)

■第７ステージ後の総合成績（マイヨ・ジョーヌ）
1. J. VINGEGAARD (JUMBO-VISMA / DEN) 29h 57′ 12”
2. T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO) + 00′ 25”
3. J. HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 01′ 34”
4. S. YATES (TEAM JAYCO ALULA / GBR) + 03′ 14”
5. C. RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 03′ 30”
6. A. YATES (UAE TEAM EMIRATES / GBR) + 03′ 40”
7. D. GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 04′ 03”
8. R. BARDET (TEAM DSM – FIRMENICH / FRA) + 04′ 43”
9. T. PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 04′ 43”
10. S. KUSS (JUMBO-VISMA / USA) + 05′ 28”

［各賞］
■ポイント賞：J. PHILIPSEN (ALPECIN-DECEUNINCK / BEL)
■山岳賞 : N. POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA)
■新人賞：T. POGAČAR (UAE TEAM EMIRATES /SLO)
■チーム成績：JUMBO-VISMA (NED)
■敢闘賞 : S. GUGLIELMI (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA)