2023MTB全日本選手権XCCは最後尾から追い上げた北林力が初タイトル獲得

2023年7月8日(土)〜 7月9日(日)、長野県・富士見パノラマリゾートにて第36回全日本自転車競技選手権大会-マウンテンバイクのうちダウンヒルを除く3種目が行なわれた。

昨年までエリミネーターと同時に開催されていたクロスカントリー・ショートトラック(XCC)だが、UCIの運営方針に則ってクロスカントリー・オリンピック(XCO)前日の開催となった。

メインゲレンデを中心にレイアウトされた約1kmのコースは、XCOのスタートループも兼ねる。昨年は不成立となった女子クラスもエリート5人、ユース2人(決勝は1人のみ出走)がエントリー。

最初の男子ジュニア/ユース/オープンは、スタートからユースの垣原弘明と松山海司が先行。5周目に前に出た松山が優勝。ジュニアは3位でゴールした内野 友太がタイトルを獲得した。

2023MTB全日本選手権XCC

ゲレンデの上り区間で垣原をかわず松山。この後の下りで一気に突き放し勝負を決めた。

 

 

続く男子マスターズは、白石真吾が前年王者の岡本紘幸を振り切って優勝。

2023MTB全日本選手権XCC

この春のCJ菖蒲谷で見せた圧倒的な速さを、XCCでも発揮した白石「今日は(ウォーム)アップです」と独特の表現は40代になっても健在

 

 

女子エリートは、小林あか里と川口うららの同世代ライバル2人に石田唯が加わって激しい首位争いを展開。

ハイペースで逃げる小林に対し、真っ向勝負を挑んだ石田が遅れたところ、すかさず後方から川口が差を詰めると、4周目後半の上りで小林を抜いてそのまま逃げ切り、2021年に続くタイトルを獲得した。

2023MTB全日本選手権XCC

男子ユースと同じポイント。コース後半のつづら折れで川口が小林をかわす

2023MTB全日本選手権XCC

一時は小林を2秒近くも離して首位をキープした石田だが、4周目に失速して3位まで落ちてしまった。

2023MTB全日本選手権XCC

ワールドカップ、全日本ロードと休む間もなく転戦を続ける小林。2021年と似たパターンで首位を奪われてしまった。

2023MTB全日本選手権XCC

半年間競技から離れ、社会人となって復帰した川口「展開とか他の選手のペースは気にならなかったです。とにかく自分の走りに集中することだけ考えました」

 

 

14時20分にスタートしたエリート男子は、優勝候補の一角と目された北林力がペダルキャッチに失敗して最後尾でのスタート。この種目連勝中の沢田時のリードで始まった。これを松本一成、宮津旭、平林安里がマークして4人によるバトルが展開。

レース後半、平林と沢田の争いとなるが、後方から副島達海、竹内遼を引き連れ追い上げてきた北林が先頭集団に追いつくと、宮津との首位争いに持ち込み、最終ラップの上りで仕掛けた北林が、”シルバーコレクター”を返上して初戴冠となった。

2023MTB全日本選手権XCC

スタート直後の上りは松本が先行。北林は最後尾からの再スタート。

2023MTB全日本選手権XCC

ディフェンディングチャンピオンの沢田は、終盤までペースを維持できず5位。

2023MTB全日本選手権XCC

北林「(ペダルキャッチを)ミスって『ああ、終った』と思いましたが、トップグループが競ってペースが上がらなかったおかげで追いつくことができました」

2023MTB全日本選手権XCC

エリート男子表彰式

 

エリート男子
1 北林 力(TEAM Athlete Farm SPECIALIZED)
2 宮津 旭(PAXPROJECT)
3 竹内 遼

 

 

2023MTB全日本選手権XCC

エリート女子表彰式

 

エリート女子
1 川口うらら(TEAM TATSUNO)
2 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)
3 石田 唯(TRKWorks)

 

ジュニア男子
1 内野友太(Q-SHU UNION CJ UNIT)
2 楠本颯太(松山学院高等学校自転車競技部)

 

ユース男子
1 松山海司(Sonic-Racing)
2 垣原弘明(RACING TORQUE)
3 中仙道侑毅(Dream Seeker Jr. Racing Team)

 

ユース女子
1 神武奏帆(チーム輪工房)

 

マスターズ男子
1 白石真悟(シマノドリンキングXC A)
2 岡本紘幸(NESTO FACTORY RACING)
3 伊藤尚紀(GROVE)

 

参考サイト:日本自転車競技連盟(MTB)