2023全日本選手権MTB DHI 九島勇気、7年ぶりの優勝!女子は渡邊美里が初優勝
目次
7月22日(土)~23日(日)、岐阜県郡上市のウイングヒルズ白鳥リゾートにて2023全日本選手権マウンテンバイク・ダウンヒルが行なわれた。
昨年のパルコール嬬恋に続き、全日本選手権初開催となるこの会場は、2019年のダウンヒルシリーズを最後にマウンテンバイクイベントが行なわれていなかったため、1カ月間のコース整備を経て前週に完成。約1.85kmの中に、高速セクションとシングルトラックのドロップオフが組み合わせたハイスピードかつテクニカルなレイアウト。
優勝候補の一角、清水がタイムドセッションで負傷
土曜日は4時間半の公式トレーニングを経て、タイムドセッションが行なわれた。出走義務はないため、これを回避することも可能なのだが、エリートやマスターのトップライダーはほぼ全員が出走。
最初の女子エリートは、渡邊美里が2分40秒371でトップ。
男子エリートは羽口鉄馬が2分7秒776、これに九島勇気が0.967秒遅れで続く。一昨年のチャンピオンであり、今年の全日本選手権エンデューロの覇者、清水一輝は、最初のシングルトラック入り口で転倒。肩を負傷してそのままリタイヤとなった。
ユースの土屋聖眞、脅威のタイムで初制覇
全クラスの予選のち、未登録レーサーによるDOWNHILL SERIES in 全日本選手権が行なわれ、14時30分女子ユースから決勝が開始された。
この週末、タイムドセッションから予選と安定したランでトップを守ってきた原つばさは、決勝でも2分35秒166と予選タイムを4秒以上短縮してクラス連覇を達成。以下、藤森美空、中山怜が表彰台を獲得。
ダウンヒルシリーズそして全日本選手権エンデューロと、熱い戦いが繰り広げられている男子ユースは、幾田悠雅が2分08秒047と、エリートでも4位相当のタイムをマーク。土屋聖眞も2分11秒915で続き、決勝ランが注目された。
転倒による中断がありながらも両者の集中は途切れず、土屋が2分05秒411をたたき出して幾田を待つ。幾田は自身の記録を更新したものの2分07秒264で2位となった。
ここ一発の速さがなかなか結果につながらなかった土屋だが「レース前はすごく緊張したけど、走り出したら思ったとおりに走れました」
XC、エンデューロとあらゆるカテゴリーに挑戦している原は、またしてもエリートを凌駕するタイムでクラス3連覇を達成。
マスターズは6年ぶりに復帰した及川功申が初優勝
エリートに続きエントリーが多かった男子マスターズは10人が決勝進出。昨年のチャンピオン三宅和之は不在だが、話題の中心はジャイアントの新しいDHバイクとともに、久々のレース復帰となった及川功申。
予選を2分16秒434で首位通過すると、決勝でも2分13秒023をマークして優勝。2位には大島礼治が入り40代クラスがワンツー。3位に30代クラスの長縄亮磨が入賞。
2017年の全日本以来のレース参戦となった及川、「新しいグローリーに自分をあわせるべく、約3カ月本格的にトレーニングを行いました。土曜に転んで体を痛めましたが、マスターズ表彰台常連の大島選手や大野選手と、緊張感のあるレースをできたことが凄く楽しかったです」
エリートカテゴリーは九島勇気と渡邊美里がパーフェクトウイン
女子エリートは、昨年松本璃奈と優勝を争った末政実緒が不在。松本も競技から一歩引いた形で迎えた今大会。タイムドセッションで渡邊が見せた速さは衝撃的だった。予選は1位通過ながら2分43秒583と、松本に1秒062差まで詰め寄られたことで勝敗の行方は混沌としてきた。
迎えた決勝、予選3位の中川綾子が2分41秒135をマーク。松本はわずか0.162秒届かず、中川がホットシートをキープして渡邊を待つ。あきらかに速いペースで最後のジャンプをクリアしてゴールに飛び込んだ渡邊のタイムは2分36秒351。エリートに登録して5年目の渡邊が新チャンピオンとなった。
男子エリートは、タイムドセッション最速の羽口がシングルトラック出口での失速もあり2分08秒044で3位。2位の井本が2分06秒766、九島勇気が2分04秒977と昨年と同じような展開となったが、羽口が2分03秒730と、九島の予選タイムを更新。
最終走者の九島は「ワンミスが命取りにつながるので、最後まで攻めの姿勢を崩さずに走った」と全力で走り抜き2分02秒760をマーク。0.97秒差で2016年以来のチャンピオンジャージに袖を通した。
「若いライダーが強くなってきましたけど、今年は海外でも手応えを感じられてきたので、トラブルさえなければ勝てると思いました」という九島。グラスゴーでの自転車世界選手権にもただ一人のDH代表として参戦するが「このリズムを維持して、良い結果を出せるよう全力を尽くします」
難所と言われたセクションもスムーズにこなし、表彰台の頂点に立った渡邊は「ずっと憧れていた光景が見られて最高の気分です」
公式練習こそライディングに迷いも見られた松本だったが、決勝ではセッティングも含めコースにフィットさせて、前年チャンピオンの貫禄を見せた。
2023全日本選手権MTB(DHI)リザルト
男子エリート
1. 九島勇気(Team High Country)2:02.760
2. 羽口鉄馬(洛和会ヘルスケアシステム)+0.970
3. 井本はじめ(Santacruz)+2.756
女子エリート
1. 渡邊美里(Wander Vogel/gennoji)2:36.351
2. 中川綾子 +4.784
3. 松本璃奈(TEAM RIDE MASHUN)+4.946
男子ユース
1. 土屋聖眞(カトーサイクル)2:05.411
2. 幾田悠雅(輪娯館)+1.853
3. 中仙道侑毅(DreamSeekerJr.RacingTeam)+13.343
女子ユース
1. 原つばさ(白馬マウンテンバイククラブ)2:35.166
2. 藤森美空(Dream Seeker Jr. Racing Team)+21.381
3. 中山 怜(アルペンブリックリゾートMTBユースチーム)+48.756
男子マスターズ
1. 及川功申(GIANT港北)2:13.023
2. 大島礼治(RAGE69)+2.261
3. 長縄亮磨(カトーサイクル)+7.297
**=Over40
女子マスターズ
1. 中川慶子 5:05.475
2. 山本里美(TEAMフェニキス)+1:25.860
全日本選手権自転車競技大会-マウンテンバイク(ダウンヒル)
開催期間:2023年7月22日(土)〜 23日(日)
開催地:岐阜県郡上市 ウイングヒルズ白鳥リゾート
参考サイト:
日本自転車競技連盟
https://jcf.or.jp/mtb/index/
DOWNHILL SERIES
https://dhseries.jp/