パラ世界選メダル獲得の『金金銀銅』杉浦と『銀銀銅』川本が帰国記者会見/川本ショートインタビュー
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2023UCIパラサイクリング世界選でメダル7個を獲得した日本代表選手が帰国。東京都目黒区にてメダルと共に会見を行った。
日本パラチームは杉浦が4個、川本が3個
東京都目黒区にて、2023UCI世界選手権パラサイクリング種目でメダルを獲得した杉浦佳子と川本翔大が帰国記者会見を行った。
杉浦は金メダル2つを含む全部で4つのメダル、川本は銀2つと銅をひとつ獲得している。写真は金メダルを獲ったC3 3K個人パシュート、杉浦のスタート。
それぞれのメダル獲得種目、順位とその走り
*杉浦佳子
トラック/女子C3個人パシュート=1位金、女子C2 500mタイムトライアル=1位金
ロード/女子個人タイムトライアル=3位銅、女子ロードレース=2位銀
「女子C3 500タイムトライアルは、このスプリントを練習することで、ロードのアタックでの強みに繋がりますし、パシュートのスタートも楽になるので、強化してきました。それで去年は勝てなかった、2位オランダの選手に勝てました。
個人パシュートは、自己ベストを8秒ほど短縮できました。これまで指導していただいたことを、かなり完璧にこなせたと思っています。ペース配分が完璧でした。ほとんど誤差なく刻めたという感じです」。
*川本翔大
トラック/男子C2 1000mタイムトライアル=2位銀、男子C2オムニアム総合ポイント=2位銀、男子C2 3km個人パシュート=3位銅
「自分は銀メダルがふたつだったのですが、去年は銀メダルが3つでした。今年もその成績を狙っていて。昨年銀メダルを取ってから今年に向け、メダルをとらなくてはいけないというプレッシャーの中でやってきて、今回は3km、1kmともにベストタイムを出せたのは嬉しいのですが、3位になってしまいました。
個人パシュートで自分は片足の関係で、少し遅いんですけど、自分の得意な種目です。自分はケイデンスで回すのは得意なので、ひとつギヤを落として一つ軽いギヤにして回すことだけを考えて走ったのが銀メダルにつながったのではと思いました。自分は個人パシュートで上を狙っているので、またこれから、1位の選手のタイムを超えられるようにトレーニングをしていきたいです」
来年のパリ2024パラリンピックに向けて
「パリ2024を目指したいと思った理由が、トラックでもメダルを取りたいという目標でした。東京2020でもいいタイムを出したいと思っていたのですが、決勝にも残れなかったので。今年トラックを練習して、このレースに出たことで、自分のピーキングができてたかの確認もできました」(杉浦)。
なおパリ2024パラリンピックの自転車種目、日本選手が出場を目されているのは次の4種目、今回メダルを獲得した種目ばかりだ。
ロードではタイムトライアルとロードレースの2種目。トラックでは「1000m/500m タイムトライアルと3km個人パシュートの2種目だ。
その出場国枠はこれから確定していく。
今回の世界選手権は、選手の選考にも大きく関わるものだったと沼部早紀子コーチ。女子の枠は1人分をすでに獲得できているそうである。まだ出場する選手についてはまだ決まっていないとするも、
「杉浦と川本、2人の選手はメダルを取れる確率の高い選手です。来年パラリンピックにふたりが出場する可能性は高いかなと思います」と述べている。
川本翔大・ショートインタビュー
川本はこの大会で大きく存在感を見せていた。3km個人パシュートの予選では自己ベストタイムを更新する3分33秒588、3位決定戦へ。
銅を獲った走りは力強く、対戦相手を追抜いての勝利。また男子オムニアム種目のC2スクラッチでは、上位選手にくらいつきながらも自在に動いての立ち回り。川本の動きに会場が沸いた。下写真がスクラッチの模様、川本は中央付近の白いジャージで背中に日の丸を背負っている。
ーー今回は、本命のような形でのスクラッチでの走りが印象的でした
自分ではスクラッチを取れると考えてはいなかったので、最低限の目標として、オムニアムの総合順位をとるために、マークする選手だけマークできればと考えて、できれば2位だったオーストラリア選手にできるだけ離されないように展開、マークしていました。
でも、最後だけ体力持たなかったので、もうちょっとレースの途中で、楽をするではないですけど、脚を残せる展開に持っていくようにしたいです。パラだけではなく、オリ(オリンピック)のスクラッチもいい勉強にさせてもらいたいなと思っています。
日本での大会は、やっぱりどうしてもお客さんも少ないのがあるんですが、やっぱり海外での世界選手権になると、お客さんも多くて走ってるほうも気も上がります。3kmで追抜き勝した時も、相手はイギリスの選手だったんですが、勝った時お客さんは拍手してくれました。
そのお客さんから拍手してもらったっていうのが、今回の世界選で、めちゃめちゃ嬉しくて。写真を見た母親も「めちゃめちゃ応援してもらってるね」みたいなコメントしてくれて、この大会でそういうのが一番嬉しかったですね。
ーー今回一番気持ちが入っていたのは3km?
狙っている種目が3km個人パシュートなので、しっかり狙って走りました。 タイムとしては自己ベストを出せましたが、今回のオーストラリアの選手がまた彼のベストを更新していますので、そこは自分もさらに上を行かないといけないなと感じました。でも今回のレースで、また次はたぶん彼に勝てるなっていう自信がつきました。またトレーニングして、ギヤの調整を確認しながらやっていきたいと思います。
ーー世界一が見えてきた感じですか?
世界一は見えないですけど、世界ニは見えてきてます。 一はちょっとまだ遠いかもしれないですね(笑)。
ーーまだまだ強くなっていますか?
そうですね。やっぱりベストを出しているので、強くなってるっていうのは感じます。まだいけると思います。
今回、3kmも今までと同じギヤで行ったんですけど、軽いにも限界があるなと思って。まだギヤをカケようと思えば、3kmならカケられたんで、次はまた一枚重いのをかけて、それでしっかり何本もできるぐらいの練習は積んでいきたいなと思っています。
2023UCI自転車世界選手権大会
開催期間:2023年8月3日〜13日
開催地:イギリス・グラスゴー
https://www.cyclingworldchamps.com/