チームNTT発足 勝利を、そしてロードレースにイノベーションを
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東京大手町で、来シーズンに向けた大きなチームの発表が行われた。「チームNTT」の発足だ。
今期ディメンション・データ・フォー・クベカとして活動していたチームが、ベースとなっている。同チームのスポンサーであるディメンション・データを含む31企業が、今年の7月に1つの企業「NTTリミテッド」になった。これにより70の国と地域に4万人の従業員を抱える、グローバル企業へと大きく変革したのだ。これを受け、チーム名が変わり、より多くの勝利を獲得できる強いチームの構築が行われた。そのために、新たに9人の選手が加入。のべ13カ国26人の選手が所属する。残念ながら日本人選手の名前はまだないが、将来的に日本人選手獲得も検討しているという。
ディメンション・データ・フォー・クベカは、南アフリカ籍のチームとして、ワンデーレースでの勝利、またツール・ド・フランスにおいては多くのステージ優勝を成し遂げてきた。継続して南アフリカのチャリティー基金であるクベカ基金とコラボレーションした活動を行っている点も注目したい。この基金は南アフリカの人々に自転車を寄付することで彼らの行動範囲が広がり、仕事に行くことができたり学校に行くことができるように支援するのが目的だ。チームNTTになっても引き続き活動を続けていく。ジャージのバックポケット周りにはクベカ基金のシンボルである「手」のマークがあしらわれている。
クラシックでの勝利、そしてツール・ド・フランスでのステージ優勝を目指す
発表会に登壇したのは、写真の6選手たち。ミケル・ヴァルグレンでクラシックを狙い、東京五輪のロードタイムトライアルをヴィクトール・カンペナールツが狙う。エドヴァルド・ボアッソンハーゲンもクラシックでの勝利、ツールのステージ優勝を狙っている。
またチームランキングを、来シーズンで15位、そして3年以内に10位まで押し上げることも目標として語られた。「チームランキングはもちろん大切だが、それにとらわれることなく勝利を目指していきたい。勝利こそが何よりもアピールとなるから」と、ダグラス・ライダーGMは語った。
NTTリミテッドによってもたらされるイノベーションとは
メインスポンサーであるNTTリミテッドは、情報通信技術を扱う企業だ。彼らの持つ技術によって、レース中はもちろんトレーニングデータの解析および共有を効率的に行うことにより、レースで選手が最高のパフォーマンスを発揮できるようにコンディショニングを行うという。具体的にはメディカルスタッフやコーチ、監督、選手が共通のフォーマットで情報を管理することにより、経験や勘だけではないより確実な現状把握が可能になるという。
また、NTTリミテッドはA.S.Oとのパートナーシップも結んでいる。このパートナーシップは2015年からスタートし、2024年まで延長された。これにより、昨今のレース中継に表示される選手のスピードやパワーといったリアルタイム情報が提供されているのだ。レースファンにとっては、さらに観戦が楽しくなるための技術が提供されているのだ。
2020シーズン、チームメンバー
カルロス・バルべロ(スペイン 28歳)
サムエーレ・バッティステッラ(イタリア 20歳)
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー 32歳)
ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー 28歳)
ステファン・ドゥボッド(南アフリカ共和国 22歳)
ニコラス・ドラミーニ(南アフリカ共和国 24歳)
ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア 30歳)
エンリーコ・ガスパロット(イタリア 37歳)
アマヌエル・ゲブラーザービエ(エリトリア 25歳)
ライアン・ギボンズ(南アフリカ共和国 25歳)
ミヒャエル・ゴークル(オーストリア 26歳)
レイナールト・イャンスファンレンスブルフ(南アフリカ共和国 30歳)
ベンジャミン・キング(アメリカ合衆国 30歳)
ロマン・クロイツィゲル(チェコ 33歳)
ジーノ・メーダー(スイス 22歳)
ルイ・メインティス(南アフリカ共和国 27歳)
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア 30歳)
ベン・オコナー(オーストラリア 23歳)
マッテオ・ソブレロ(イタリア 22歳)
アンドレーアス・ストークブロ(デンマーク 22歳)
ディラン・サンダーランド(オーストラリア 23歳)
ジェイ・トムソン(南アフリカ共和国 33歳)
ラスムス・ティラ(ノルウェー 23歳)
ミケル・ヴァルグレン(デンマーク 27歳)
マクシミリアム・ヴァルシャイド(ドイツ 26歳)
ダニロ・ヴィス(スイス 34歳)