マウンテンバイク ジャンプの基本<前編>【MTBはじめよう! Vol.18】
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マウンテンバイク(MTB)のトレイルライド&エンデューロなどの下り系ライドの基本が分かるシリーズの18回目。今回はついに……ジャンプ! 初級者の多くが憧れるこの技の基本を、2回にわたって特集しよう。今回は前編だ。
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ジャンプは誰でも練習すればできるようになる!
今回もシリーズ通しての講師、板垣奏男さんに教えてもらう。ジャンプというと、自転車が地面から離れ宙を浮くので我々初級者にとってはかなり恐怖感がある。しかし……何とかできるようになりたい! そんな技に感じる。
一見、運動能力に恵まれた人しかできない技のように思われるが?
「ジャンプは、段階を踏んで練習していけば、誰でもできるようになる技です。決して天才だけができる技ではありません。
とはいえ、やはり自転車が宙に浮くのでそれなりにリスクもあります。先ほど言ったように1つずつ段階を踏んで、慎重に練習していきましょう」と板垣さん。
ジャンプはプッシュ・プルの延長である
「まずジャンプの練習に入る前に、そのロジックを知ることから始めると上達が早いと思います。
実は、ジャンプとはプッシュ・プル動作と同じで、ちょうどパンプトラックのコブの頂点を飛ばしていくような動きなのです。
プッシュ・プルについては、Vol.16の記事で復習してください」。
「MTBホッパーという、ジャンプを練習できる器具を用いて説明します。
上の一連の写真の動作が、Vol.16で特集したプッシュ・プルです。
さて、単純に勢いをつけて台に侵入し、同じ動作をとると……」
「ふわっと結果的に浮いて、台のオレンジ色の部分を飛ばしていき、青色の部分に着地します。
これを視覚的に分かりやすいように、デモンストレーションとして台のオレンジ色の部分を取り除くと……」
「と、このように実際にジャンプになっていることが分かります。
このとき、特に飛ぶ直前に踏み切るような動作をしているわけではありません。あくまでプッシュ・プルの動作の勢いを増して、結果的にフワッと浮いているのです。
これを突き詰めていくと、大きなジャンプへとつながっていきます」。
ジャンプの基礎練習法〜小さなコブを使ってフワッと浮かせられるようにする
「それでは、基礎の練習方法について紹介します。上の写真程度のコブまたはジャンプ台をバイクパーク等で見つけましょう。上の写真ものは、小さなジャンプができるようコブの上側が平らになっています(テーブルトップと呼ばれる)。
練習に良いものを見つけたら、スマホやタブレット等を三脚で立て、動きを録画できるようにします。これで準備完了です」。
STEP① プッシュ・プルの動作をゆっくりとした速度で確認
「はじめに、コブを勢いをつけなくていいので、プッシュ・プルの動作で確実に越える感覚を確かめます」。
STEP② 徐々に速度を増していく
「感覚を確かめたら、だんだんとコブに侵入する速度を増していきます。助走距離を多くとったり、ペダリングを多く入れるなどしましょう」。
「すると、そのうち“ん? 今ちょっと浮いたかな”と感じるときが来るはずです。そこで動画を確認し、パンプトラックでプッシュ・プル動作をしているのと同じ動きができており、そのうえで勢いが増した結果として自転車が自然に宙に浮いていればOKです。まずはこれができるようになるまで繰り返し練習してください」。
練習するときの注意点
「あくまで、プッシュ・プル動作によって自転車が宙に浮くことが大切です。安全のために“ドキドキ感”も不要で、本当に“お、ちょっと浮いたかな”くらいの感覚で十分です。
また、飛ぶ前に変に踏み切るような動作もする必要はありません。
プッシュ・プル動作がしっかりとできていると、安全に着地(ランディングとも言う)することができます。特にジャンプをするときには、安全に着地できることが何よりも重要です。
さて、動画で確認してこの段階まで確実にできていると確かめられたら、いよいよ少し大きめのジャンプ台に挑戦です。詳しくは次回の【後編】で」。
後編をお楽しみに!