注目の20万円台ハードテール・トレイルMTBをインプレッション
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近年、20万円台でフルサス顔負けの下り性能を持った、「トレイルバイク」と呼ばれるカテゴリーのハードテールMTB(マウンテンバイク)が充実してきている。そんな中から、注目の4モデルを試乗インプレッションしよう。
GIANT FATHOM 29ER 1/ジャイアント・ファゾム29ER 1
王道を行く、ザ・ハードテール・トレイルバイク
下り性能を高めるというトレンドを押さえつつも王道的なトレイルバイクのフレーム設計で、前後29インチホイール&ワイドタイヤ、12速スラム、信頼性の高いシマノブレーキと、「現代的ハードテールバイクのベストパッケージ」とはよく言ったもので、それを体現したような一台。130mmの標準的ストローク量のフォークには、ジャイアントオリジナルのものが用いられている。この内容で価格が24万円台と、コスパもかなり高い。
GIANT FATHOM 29ER 1
●価格:24万円2000円
●フレーム:アルミ
●フロントサスペンション:ジャイアント・クレスト34SL RCL(130mmトラベル)
●メインコンポ:スラムNXイーグル/SXイーグル(12速)
●ブレーキ:シマノ・MT420/410
●ローター径:前後180mm
●ホイール径:29インチ
●タイヤ:フロント/マキシス・ミニオンDHF 29×2.50WT、リヤ/同・アグレッサー 29×2.50WT
●サイズ:380(S)、430(M)
●カラー:コールドナイト
●実測重量:13.8㎏(Sサイズ・ペダルなし)
GIANT FATHOM 29ER 1 インプレッション〜癖がなく乗りやすい。非常におすすめできる一台
板垣:非常によくまとまったバイクです。とんがったところがない、丸いバイクというか、癖がなくて非常に乗りやすい。硬さも感じられず、ウィークポイントが見つかりません。
大宅:TCRのハードテール・トレイルバイク版という感じです。
板垣:うわ、それは的確な表現です。
大宅:上りが圧倒的に軽い感じがしました。上質なフルサストレイルバイクの踏み味とまったく同じですよね。そこからそのまんまリヤショックを取り除いたような。
板垣:フレームの作りが絶妙で、いいしなりが生まれるのが上りに強い要因でしょう。そして、下りもいいんですよ。ジャイアントのフォークも良くて、「おまけでついてきました」なんてものじゃない。すごく滑らかです。誰でも受け入れる感じ。
大宅:上りはよく上り、下りも癖なく下れる。まさに絵に描いたようなトレイルバイクです。最も万人におすすめできますね。
cannondale Habit HT 2/キャノンデール・ハビットHT2
必要条件をお手頃な価格でクリアした一台
64°とかなり寝かせ気味のヘッドアングルに長めのホイールベース、長めのリーチと、近年“プログレッシブジオメトリ”と呼ばれる下り性能を高めた設計を絵に描いたようなトレイルバイク。トレイルライドでは変速性能はさほど重視されないので10速のマイクロシフトを装備し、その分スラムのブレーキにロックショックスのフォークを入れており、的確なコスト配分が光る。チェーンステーガード装備でマウントが多いのも特徴だ。
cannondale Habit HT 2
●価格:22万円
●フレーム:アルミ
●フロントサスペンション:ロックショックス・ジュディTK(130mmトラベル)
●メインコンポ:マイクロシフト・アドベントXプロ(10速)
●ブレーキ:スラム・レベル
●ローター径:前後180mm
●ホイール径:29インチ
●タイヤ:フロント/マキシス・ミニオンDHF 29×2.50WT、リヤ/同・ハイローラーⅡ 29×2.50WT
●サイズ:SM、MD、LG
●カラー:マンティス、ブラックチェリー
●実測重量:14.9㎏(MDサイズ・ペダルなし)