ファクターのロードバイク「オストロVAM」がモデルチェンジ 重量、剛性、空力のバランスをより追求

オストロVAM

ファクター・オストロVAM(パールホワイト)

ファクターのロードバイク「オストロVAM」がモデルチェンジした。前モデルから重量、剛性、空力性能のいずれも犠牲にせず、そのバランスを追求。ツアー・ダウンアンダー2024ではこの新型を駆ったイスラエル・プルミエテックのスティーヴン・ウィリアムズが総合優勝を果たしている。

スティーヴン・ウィリアムズ

新型オストロVAMの開発は、フォークやヘッドチューブといった、空力性能にとって重要なバイクの前側から着手された。ファクター社内で設計、テスト、製造された各設計案は、風洞実験や実走テストを行う前に、開発サイクルを通じて何百回ものシミュレーションが行われ、前モデルと比較して、フォーク、ヘッドチューブのほか、トップチューブ、シートポストが主に最適化されている。

オストロVAMのヘッドチューブ

ヘッドチューブは砂時計型に。全面の面積が小さくなったことで重量も削減された

オストロVAMを後ろから

シートポストの幅は前モデルより36%縮小。ライダーの脚によって乱流が発生しやすいゾーンの前面面積を小さくした。また、シートチューブの幅も20%縮小している

オストロVAMのチェーンステーまわり

シートチューブの下部、BBに接する部分の幅は前モデルと変わらないが、これにより剛性を維持している。28mm幅のタイヤをぴったりと入れ込むような形状

空気抵抗は、前モデルよりも時速48kmで7W相当を低減し、実際のライディング状況を最もよく表すヨー角5度から10度でより顕著になったという。

オストロVAMのCFD解析

フレーム重量は、塗装済みの54サイズで820gだ。フォーク、シートポスト、ハンドルバーステムを含めたフレームセットと後述のブラックインク・48/58ホイールとの組み合わせは、前モデルのフレームセットとブラックインク・45ホイールとの組み合わせよりも267.8g軽い。

オストロVAMの斜め後ろ

シートポストのクランプは、シートチューブの前方から後方のプレートに変更。必要な材料の量を減らし、軽量化を図った

48/58は、新型オストロVAMとともに新しく開発されたホイールだ。丸みを帯びたリムは、内幅23mmで28mm幅のタイヤに最適化されており、大きなヨー角でも空力性能を発揮し、突風や横風でもライダーに安定感をもたらす。ハイフランジハブは横剛性を高めることでライドフィールを最大化するように設計。スポークもカーボンで、重量は前後ペアで1270gだ。

また、ブラックインクは、ダウンチューブとの間の段差を埋めるための専用のボトルケージも開発した。ボトルの有無にかかわらず空気抵抗を低減するが、ライダーが最後のスプリントの前にボトルを捨てたときに空力的に最も機能する。

オストロVAM

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