ペダリング力アップに効く! 福田コーチお薦め体幹トレーニング法
目次
ロードバイクで良いペダリングができるようになるためには、その動きに必要となる体幹を鍛えておくことも大切だ。「ロードバイクの良いペダリングとその獲得方法〜基礎知識編」「同〜練習法編」に引き続き、ハムスタースピン・福田昌弘コーチに自宅でこつこつできるお薦めの体幹トレーニング法を教えてもらおう。
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バイクに乗らないトレーニングの意義とは?
ロードバイクで速くなるには、ひたすらバイクに乗ることが大切なように思えるが、バイクに乗らないトレーニングを行う意義はどんなところにあるのだろうか。
「これまで実にさまざまな人へコーチングをしてきましたが、そこで分かったことは、皆さん思い思いに力を込めて脚を伸ばしペダリングをしており、10人いれば10人まったく違う力の入れ方をしている、ということです。これは、その人のふだんの生活習慣がそのままペダリングに表れてくるからだと考えています。
よって、大切なのは”必要な所にきちんと力を入れられるようにする”トレーニングをすることです。そのためには、バイクに乗らずに行う体幹トレーニングが有効です」。
これまでの2回の記事(「ロードバイクの良いペダリングとその獲得方法〜基礎知識編」「同〜練習法編」)でも福田コーチは指摘していたが、バイクに乗りながらだとバイクそのものを操作することに気を取られてしまい、なかなか必要な動きに集中できないことがあるということだった。だからこそ、バイクを降りて集中して必要な所に力を入れられる練習が必要になる、ということなのだろう。
「今回は、自宅で隙間時間に取り組みやすい、5つの方法をご紹介します!」と福田コーチ。
その1 お尻に力を入れるトレーニング
「お笑い芸人の人がお尻の力で割り箸を割るシーンを見たことがあるでしょう。あれと同じようなことを行ないます」。
<やり方>
①うつ伏せで寝て片脚の膝を曲げる
②上げている方の脚のお尻を触り、りんごほどの固さになるまでぎゅっと力を込める
③固くしているお尻の力を使い、膝を持ち上げる
【注意】ハムストリングスの力で脚を引き上げないように
④ゆっくりと下ろす
⑤できるようになったら、1日片側5回を目安に繰り返す
その2 腹筋トレーニング
「続いて腹筋を鍛えるトレーニングです。腹筋といっても、実はいろいろなところに腹筋があり、イメージとしては体の前側全体に力が入るようにする感じです。では、やってみましょう」。
<やり方>
①仰向けで膝を立てた状態になる
2.股関節を曲げていく
【注意】股関節を曲げていくとき、骨盤が地面から大きく浮き上がってしまわないように注意する。
③手のひら1枚分骨盤を浮かしたところで止め、両腕をゆっくりと天へ伸ばす。この時点でかなり腹筋に力が入っているはず。
④手をさらに天に伸ばし、肩が浮き伸ばす手につられて頭が浮いたところで止める。このときなるべく呼吸はゆっくりと行ない、体の前側全部を使いつつ、リラックスして体制をキープできるように注意する。
⑤そこからゆっくりと下ろし、①の体勢に戻る。
⑥最初の目安は30秒キープ。
その3 お尻と体の前側の複合トレーニング
「ここまでで、お尻と腹筋(体の前側)を使ったトレーニングをしました。今度は、この2つを連携させたトレーニングをします」。
<使用するもの>
ケトルベル
※通販やスポーツ用品店で手に入る。重さは3〜4kg程度でいい。かばんなどでも代用してOK。
<やり方>
下の写真の体勢になり、可能な限りお尻を固くし、腹筋(体の前側)にしっかりと力を入れる。肘は少しだけ前に出しておく。横から見てできるだけ一直線になるように心掛ける。お尻と腹筋(体の前側)のどちらか一方の力が抜けてしまわないように注意。この状態で30秒キープを目安に行う。
その4 のけぞり脚上げトレーニング
「続いて、少しペダリングの動きに近づけたトレーニング法です」。
<やり方>
①うつ伏せになり、膝を立てた状態にする。
②下の写真のように、腰を持ち上げ、頑張ってお尻の筋肉に力を入れる。
③片脚を持ち上げる。このとき、持ち上げていない方の脚のお尻にしっかりと力を入れ、その力を抜かないように気をつける。
【注意】骨盤がぐらぐらと動かないように。腹筋の力も使い、しっかりと体を安定させる。
④ゆっくりと脚を下ろす。
④重心をもう片方の脚に移し、②→③と同じように行う。
⑤それぞれの脚で10回くらいずつ行う。
その5 足首ほぐしトレーニング
「実は足首が硬い人が多いです。そういう人は、足首が硬くてよく動かないのに、そのままで一生懸命ペダリングをしていて、良くない動きになりがちです。そこで、足首を柔らかくほぐすトレーニングを行ないましょう」。
<やり方>
①壁に両手で寄りかかり、両足をぴったりとそろえ、横から見て体が一直線になるようにする。
②かかとをゆっくりと、頑張って上げられるところまで上げる。このとき、お尻と腹筋にしっかりと力を入れ続ける。この状態で数秒止める。
③お尻の力が抜けないように注意しながら、ゆっくりとかかとを下ろす。下ろしたら数秒止める。
④ ②→③を繰り返す。
⑤10回くらいを目安に上げ下げを繰り返す。
それぞれのトレーニングはとてもシンプルだ。誰でも自宅でこつこつと取り組みやすいと思う。ぜひ継続して実践し、実力アップにつなげていってほしい。
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