ジャイアント新型TCR 10世代目は軽さと空力に磨きをかけた
目次

ジャイアントのロードバイクの代表作「TCR」がモデルチェンジを発表した。ジャイアントの代表作であり出世作がこのTCRシリーズだ。「トータル・コンパクト・ロード」という設計の略称をモデル名に持つ。デビューした1997年当時は、ロードバイクフレームと言うと、トップチューブが水平なホリゾンタルフレームが当たり前だった。そこに、シートチューブを短くしたスローピングフレームを持ち込んだのだ。コンパクトなフレームは剛性と空力性能に優れるというメリットがあった。

一番手前のバイクが、1997年に登場した初代TCR
開発開始から28年、10世代目となったTCRは「システムオプティマイゼイション」という開発コンセプトの元、フレームのみならず、ホイールやコックピットシステムの全てを統合して速いバイクとなるように設計された。

新型TCRアドバンスドSL
空力性能の向上
ヘッドチューブの形状が変更されて、よりスリムに。それでいて、ハンドル周りに露出していた油圧ブレーキケーブルはついに内装された。ステムの下側に設けられた溝に沿ってフレームの内部へと入っていく。それに取り付けられるハンドル「コンタクトSLRエアロライト」は、上部がエアロ形状でかつ握りやすく、ブラケット取り付け部分からドロップ部分は外側に11度開いている。イマドキのエアロロードに欠かせないデザインだ。ブレーキケーブル長に余裕があるので、コラムスペーサーの高さを調整する余地が残されているのは、メリットだ。

油圧ホースの内蔵ルート。コラム上部から入っていく。ハンドルの切れ角に制限はない
そして軽量化
トップグレードのアドバンスドプロSLのフレームは引き続きISPを採用。その形状は、チューブ後ろ側をそぎ落とし、空力と軽さを両立している。また塗装も激薄にすることでフレーム単体で75gの軽量化を行い、690gに仕上げた。それでいて、剛性はほとんど変わらない(+0.53%)

前作と比較すると、ISPの後ろ側のボリュームがそぎ落とされている

シートステーとシートチューブの接合部付近。ここも左右のシートステーの間を埋めるようなフレーム形状だったが、そこが肉抜きされている

前作2021年モデルのISPおよび、シートステーとシートチューブの集合部分。最新モデルと 見比べると、その違いがよくわかるだろう
組み合わせれるホイールは、先に発表されているカデックス・マックス40。フルカーボンスポークに40mmハイトのフックレスリムを組み合わせたものだ。
フレーム形状の変更、コックピットまわりの新設計、ホイール変更により、空力性能はトータルで4.19w向上されている。

成型前、インナーモールドにカーボンを貼り終えた状態。ヘッド~ダウンチューブ~BBまで続く長いレイヤーのピースを入れることで、軽くても剛性を損なうことがない
これらをすべて搭載したのがトップグレードのアドバンスドSLシリーズとなる。なお、電動変速コンポーネント専用設計だ。
TCRラインナップ
TCR アドバンスド SL 0
シマノ・デュラエースDi2完成車価格/154万円
サイズ : 680 (XS)、710 (S)、740 (M) mm
重量 : 6.4kg(M)
カラー : ブラックラバ
TCR アドバンスド SL 1
シマノ・アルテグラDi2完成車価格/104万5000円
サイズ : 680 (XS)、710 (S)、740 (M)、770 (ML) mm
重量 : 6.7kg(XS)
カラー : ブルードラゴンフライ
TCR アドバンスド SL
フレームセット価格/49万5000円
サイズ:680 (XS)、710 (S)、740 (M)、770 (ML) mm
重量:―
カラー:オパール、ロウカーボン
TCR アドバンスド SL TEAM
フレームセット価格/52万8000円
サイズ:680 (XS)、710 (S)、740 (M)、770 (ML) mm
重量:―
カラー:レーシングブルー
「チーム・ジェイコ・アルウラー」チームカラーの特別仕様。

ジャイアント・TCRアドバンスドSLジオメトリ
その他のグレード
TCR アドバンスド PRO 0
シマノ・アルテグラDi2完成車価格/84万7000円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:7.0kg(XS)
カラー:マーキュリー
TCR アドバンスド PRO 1
シマノ・105Di2完成車価格/68万2000円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:7.4kg(XS)
カラー:カーボン
TCR アドバンスド PRO 2
シマノ・105完成車価格/57万2000円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:7.7kg(M)
カラー:メテオストーム
TCR アドバンスド PRO
フレームセット価格/30万8000円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:FRAME / 840g(XS)、FORK / 330g
カラー:レインストーム、ロウカーボン
TCR アドバンスド 1 KOM
シマノ・105Di2完成車価格/42万9000円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:8.3kg(S)
カラー:アスファルトグリーン、マーズダスト
TCR アドバンスド 2 KOM
シマノ・105完成車価格/33万円
サイズ:425 (XS)、445 (S)、470 (M)、500 (ML) mm
重量:8.3kg(S)
カラー:カーボン、イリュージョンホワイト
速報動画もチェックしよう!
▪️サイスポ・ニュース:
ジャイアント 第10世代「TCR」が採用する新型ホイール、ハンドル、ステム同時発表