猪野学 ネオ坂バカ奮”登”記 第31回

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猪野学 ネオ坂バカ奮”登”記 第31回

脱水からくる脚攣りにより、やさぐれる筆者。

RAA青森650に出場!前回のお話

脚攣りによりスタートして僅か100kmでRAA青森650をリタイアする危機に直面した私は、必死に自販機を探しながら走っていた。
サイコンを見ると時速16kmまで減速している。
この先に自販機はあるだろう…しかし水分を摂取してもこの脚攣りが治らなければ私の青森は間違いなく終わる。

 

コンビニはいずこ?

すると142km地点のPC2のスーパーが現れた!
ここなら自販機があるだろう…しかしそのスーパーは日曜大工用品しか無いホームセンターであった。
撮影スタッフに自販機の有無を聞くが、もちろん教えてくれない。

この先は山岳地帯に入って行くし、いよいよマズいと思っていると、RAA青森の常連らしい走者が現れた。
自販機の有無を聞くと「この先にコンビニが有ります!そこを過ぎると、しばらく何も無いです」と返ってきた。
超長距離名物「コンビニ歓喜」だ!
私はこの先もコンビニを見るたびに雄叫びを上げる事になる。

猪野学 ネオ坂バカ奮”登”記 第31回

私を地獄へ叩き落としたPC2のホームセンター。見事に自販機が無い。

 

慌ててコンビニに入り水と炭酸飲料と塩を購入して摂取する。
アスリート粉飴も補充し10分のロスで再スタート!山間部へと入る。

時計を見ると11時。
140kmを4時間で走った事になる。
ド平坦とはいえ速い。
オーバーペースが脚攣りを招いた可能性もある…

 

シジミラーメンのゆくえ

踏めない脚での山岳部はつらいが、炭酸飲料が効いたのか少し脚が回り始めた…
やはり脱水症状だったのだろうか…これなら行ける!と調子に乗り軽いギヤをクルクル回していると次なる試練がやってきた。
便意だ。

しかしこれは想定内なのだ。
なぜなら私は山田師匠を見習い、今回グリコーゲンローディングをして来ていない。
なので、この便意は24時間前に食べたシジミラーメン。
この先にダムがある。ダムと云えばトイレだ!私はそこまで計算していた。

ようやくダムに着くとそこにはリレーチームの参加者がトイレを塞ぎ走者交代をしている。
私を見るやいなや「猪野さん!回せ回せー!」と大声で応援してくれるではないか…
有難迷惑とはこの事だ…便意もそこそこだしこの先もトイレは有るだろうと思い私はダムを後にしてしまった。

便意には波が有る。やって来ては去っていき…その波は次第に大きくなる。
以前真冬の八甲田山雪中ヒルクライムでも便意と戦った…あの時は周りを雪庇に囲まれ絶対絶命だったが今回はいざとなれば森に駆け込める。
少し穏やかな気持ちになった時にトイレが現れた…さらばシジミラーメン!

 

マグロ事変

2分でトイレを済ませていざ大間へと向かう。
大間といえばマグロだ!
制限時間が緩ければ私はマグロ食したであろう…しかし650km、32時間はマグロを許さない。

しかしマグロに熱い想いを抱くひとりの女性が居た。
ロングライド女子部の大野楓姉様だ。
大間でマグロを食べる事が今回一番の目標だと言う。
マグロか…完走か…
世にいうマグロ事変の勃発だ!

猪野学 ネオ坂バカ奮”登”記 第31回

サポートカーに自転車を出し入れするロングライド女子部。無駄の無いチームワークが求められるが…マグロ問題やいかに。

 

超長距離の楽しみ方は様々だ。
制限時間いっぱい使い、グルメを楽しむのもアリだ。
しかし女子部は9分しか余裕が無いと聞いている。

そこで異論を唱えたのが熟練登山経験者のフーシーだ。
登山は下手をすると命に関わる。念密な計画が必要らしい。
「マグロなんて有り得ない!」と譲らないフーシー。

鉄壁のチームワークを誇るロングライド女子部に亀裂が入り始めた。
その頃、私は223km地点のPC3の大間に到着し、マグロなんかに目もくれずカロリーメイトを頬張るのであった。

続く…

RAA青森650に出場!次回のお話

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