安井行生のロードバイク徹底評論 第6回 YONEX CARBONEX vol.7
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大手スポーツ用品メーカー、ヨネックスがロードフレームを作り始めた。このロードバイク界に異業種参入型ブランドがまた一つ誕生したのである。第一弾は650gの超軽量カーボンフレーム、カーボネックス。設計担当者へのインタビューを交えつつ、この純国産フレームの真実に迫る。
いきなり個性的なものを出してきた
ホイールに左右されにくいことも強みかもしれない。このような絶妙なバランスの上に成り立つフレームは、ホイールとの相性の良し悪しによって天国にも地獄にもなるものだが、カーボネックスはC24でもRシスでもボーラでもニュートロンでも、あの極上のウィップが死ななかった。フレームの個性が強いのだ。
脚当たりのよさ、心地よいしなやかさ、レベルの高い加速性・登坂性。忠実なフォーク。カンカンヒラヒラではなく、どっしり安定するタイプでもなく、しなやかさとトラクションを絶妙にバランスさせたタイプのフレームである。カテゴリーとしてはスーパーシックスエボに近いだろうか。
第一作目にもかかわらず、ここまで独特の世界観を湛えているとは思わなかった。もちろん、我々が試乗記事で使う「剛性感」や「気持ちよさ」などというものは、結局のところただの個人的な感想、完全なる主観であり、絶対評価では決してない。インプレッション記事などというものを鵜呑みにしてはいけない。だからこそ、「最新鋭のシャープな走り」から「人間くさい優しい走り」まで、ロードフレームの味付けがバラけるのだが。
さらに、フレームサイズや乗り手の体重・脚力・脚質・好みなどのファクターによっても印象が大きく変わると思われる。カーボネックスのような絶妙なるバランスの上に成り立つフレームは、印象がより一層バラけやすいのだ。
ゴムメタルもこの個性の一因
その剛性感について、設計担当者に聞いてみよう。ラケットもゴルフクラブもしなりが重要な機材である。そのあたりの技術は、このカーボネックスに活かされているのだろうか。「カーボンを使っている以上、しなりは意識して設計しないといけませんので、作って、乗って、しなり感を確認して、ある程度仕上がったところでもっと経験のあるライダーに乗ってもらい、どんどんと突き詰めていきました。我々では分かりえない領域の剛性感に関する意見をいただくこともあり、途中で剛性を上げてレースでも十分に戦える性能にしました」
ゴムメタルがあの独特の乗り味に効いているのでは?
「それもあると思います。ゴムメタルはスノーボードやゴルフクラブにも使っている素材なんですが、ゴムメタルの有無でスノーボードの乗り味はかなり変わります。高速で滑走しているとバタついてしまうものですが、ゴムメタルを用いるとそのバタつきが抑えられます。ゴルフクラブにゴムメタルを入れると、軌道がブレずに狙った通りに反発するようになるんです」
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