安井行生のロードバイク徹底評論 第6回 YONEX CARBONEX vol.9
目次
大手スポーツ用品メーカー、ヨネックスがロードフレームを作り始めた。このロードバイク界に異業種参入型ブランドがまた一つ誕生したのである。第一弾は650gの超軽量カーボンフレーム、カーボネックス。設計担当者へのインタビューを交えつつ、この純国産フレームの真実に迫る。
「なぜ褒められるのか分かりません」
フレームの内壁について、軽量化のために固形芯材を使うなどの工夫をしているのかと技術者に聞いたところ、彼はちょっと恐ろしいことを言った。
「これといった工夫は何にもしておりません」
やや混乱しながらも、内圧のかけ方を聞いた。
「チューブをフレームの中に入れて膨らませて圧力をかけています」
今でも加圧用チューブが内部に残っているフレームや、内面にシワが多くあるフレームも多いため、ヨネックスは特殊な固形の芯材を使っている、もしくは成型後にバリを取るなどの処理をしているのかと思ったのだ。しかし、とくに何もしておりません、である。要するに通常のブラダーで普通に加圧しているわけだ。
「展示会でフレームを自転車業界の方々に見ていただいたときに、フレーム内部をほめていただくことが多かったんですが、最初は『なんでこんなに褒められているのか分からない』という状態でした。我々にとってはこれが当たり前だったものですから。とくに綺麗に仕上げようとしたわけではないんです」
(内部の様子はvol.4を参照)
ヨネックスが作ると自然とこうなる
固形芯材を使わずにここまで綺麗にできるものだろうか。
「今までカーボンを使ってテニスラケットやバドミントンやゴルフクラブを作ってきた技術を持った人間が作ると、自然とこうなるんです。そこに関しては、国内で作っているからこそできることだと思います。その種のノウハウはあの長岡の工場に凝縮されています。そういう意味では、メイド・イン・ジャパンの意味はあるといえるかもしれません」
ヨネックスにとってはこれが当たり前なのだ。しかも、既存の施設を使っているため、大した設備投資はしていないという。フレーム用に生産ラインは起こしたが、製造設備も製造者も今までヨネックスのラケットなどを作ってきた面々なのだ。
「全てウチの社員がヨネックスの看板を背負って作っています」
また、カーボンシートを金型に貼る際に、シート同士が重なる部分をできるだけ少なくしているのだという。無駄な部分を可能な限り少なくして軽く仕上げることが目的だ。
「これも国内工場で日本の職人が丁寧に作っているからこそできることだと思います。カーボンシートを金型に貼っていくのは人ですからね」
「今までカーボンを使ってテニスラケットやバドミントンやゴルフクラブを作ってきた技術を持った人間が作ると、自然とこうなるんです。そこに関しては、国内で作っているからこそできることだと思います。その種のノウハウはあの長岡の工場に凝縮されています。そういう意味では、メイド・イン・ジャパンの意味はあるといえるかもしれません」
ヨネックスにとってはこれが当たり前なのだ。しかも、既存の施設を使っているため、大した設備投資はしていないという。フレーム用に生産ラインは起こしたが、製造設備も製造者も今までヨネックスのラケットなどを作ってきた面々なのだ。
「全てウチの社員がヨネックスの看板を背負って作っています」
また、カーボンシートを金型に貼る際に、シート同士が重なる部分をできるだけ少なくしているのだという。無駄な部分を可能な限り少なくして軽く仕上げることが目的だ。
「これも国内工場で日本の職人が丁寧に作っているからこそできることだと思います。カーボンシートを金型に貼っていくのは人ですからね」