ハンドルまわりを最先端に “セミ”フレアハンドルカタログ 有料記事
目次
- 1. セミフレアハンドルカタログ8モデル
- 2. ワンバイエス・ジェイカーボン グランモンローSL
- 3. ディズナ・ジェイフィット モンロー FZ
- 4. デダエレメンティ・グラベル100
- 5. スペシャライズド・コンプアロイショートリーチフレアロードバー
- 6. エンヴィ・SESエアロハンドルバー
- 7. イーストン・EC90 ALX ハンドルバー
- 8. ジャイアント・コンタクトSLRハンドルバー
- 9. ジャイアント・コンタクトSLハンドルバー
- 10. 実際にブラケットを付けるとどれくらい違いが出る?
- 11. UCI審判が使っているあの計測器具が買える!ブースト・アングルチェッカー10
- 12. 総括:ハンドルにもう一度こだわってみよう
エアロロードの隆盛によって、ライダーのポジションへのこだわりが変化し、呼応してドロップハンドルの形状にも変革の時が訪れた。それがドロップ部がトップ部よりちょっと広い「セミフレアハンドル」というジャンルの登場である。
なぜ、「セミフレアハンドル」に注目したのか。現在、ハンドルバーに起きているニーズの変化とは、トップ部をフラットにしたり、ケーブル類を内装できるようにしたり。それに加えて、ドロップ部がトップ部よりも広い「フレア」にした設計が採用されている。
トップよりドロップが広いハンドルは、昔々ツーリング車に採用されていたが、今のニーズはロードバイクの走行中に発生する空気抵抗への対策だ。一番大きな空気抵抗を生み出しているのは、何を隠そうライダー自身である。ライダーがエアロなポジションを取ることができれば、それに越したことはないのである(本誌2024年7月号p.118のカブラボも併せて読んでほしい)。
それを受けてプロライダーは、狭いハンドルバーを使ったりするようになった。極端に狭いハンドルは操縦安定性に影響を及ぼすので、万人に薦められるものではない。 そこで今回紹介するセミフレアハンドルの出番となる。トップ部の幅よりドロップ部の幅の方が、20〜60mm程度広い設計のハンドルの総称として本誌が規定した呼び名だ。ここ数年で話題に上るグラベルバイクも、トップ部よりドロップ部の幅が広いフレアハンドルを装備している例が多いが、グラベルバイクに装着されるフレアハンドルは、前述のセミフレアハンドルよりもトップとドロップ部の幅の差が大きい。今回は、そこまで大きく“フレア”していない、ロードバイクに向くハンドルを市場から探した。
また、フレア角のみならず、リーチの短さも注目ポイントだ。ロードバイクに油圧ディスクブレーキが採用されたことで、手元変速レバーのサイズが総じて大型化した。リムブレーキ時代のブラケットと比較すると10mm程度ブラケットの全長が伸びている。つまり、ドロップハンドルのリーチをその分短くするか、ステムを短くしないと、同じポジションが再現できない可能性が高い。
ハンドルのリーチが短いものに変更すれば、ステムの長さを犠牲にしないで済む。 本企画では、セミフレアハンドルをフレア角による握りやすさとリーチの2点から、その製品の特徴を解説する。協力いただくのは、東京に店を構えるフォーチュンバイクの錦織店長だ。
ADVISER
フォーチュンバイク 錦織大祐店長
メカに強い店として知られた存在であり、ハンドルまわりの寸法にはこだわりを持つ。台北ショーやユーロバイクなどの海外ショーにも通い、自身がベストと思えるハンドルサイズの設計を追求する探求心の持ち主だ。
セミフレアハンドルカタログ8モデル
ハンドル各部の寸法について
スペックにはトップ部とドロップ部それぞれの幅、リーチとドロップ、フレア角度を明記した。バイクにインストールする際に参考にしてほしい。なおドロップとリーチは、ステムクランプ部の中心を基準としている。位置は図を参照のこと。
MODEL 01
ワンバイエス・ジェイカーボン グランモンローSL
価格:3万5200円 問・東京サンエス SPEC 実測重量:202g(サイズM) 素材:カーボン フレア角度:5度(※編集部で計算) トップ部/ドロップ部幅(mm):360/380(SS)、380/400(S)、400/420(M)、420/440(L) ドロップ/リーチ(mm):115/63
MODEL 02
ディズナ・ジェイフィット モンロー FZ
価格:9900円 問・東京サンエス SPEC 実測重量:330g(サイズM) 素材:アルミ フレア角度:5度(※編集部で計算) トップ部/ドロップ部幅(mm):370/390(S)、390/410(M)、410/430(L)、430/450(LL) ドロップ/リーチ(mm):115/57 「東京サンエスオリジナルのこの2モデルは、実は完売が頻発する隠れた超人気モデルです。フィッティングやカスタムをお客様に提案することが多いショップさんでは出番が多い商品ですね。フレア角は見た目大きくありませんが、ライド終盤までストレスを軽減し、姿勢に不要な緊張を発生させないための独自のカーブと面取りが随所に配置されています。
ブルベやヒルクライムに真剣なライダーに好まれるだけでなく、シクロクロスライダーからの指名買いもあります。特にモンローFZのリーチの短さを生かしてステム長を長くできることで、コックピット周辺のワイヤの干渉が大幅に低減され、見た目もすっきりさせることができます。惜しむらくは、内装対応していないことですが、逆に言えば外装ラインのバイクを使用するライダーがこのバーを活用すると、低ストレスのコックピットまわりを実現できます」(錦織)