ウィリエールから新型軽量ロードバイク「ヴェルティカーレSLR」登場
ウィリエール・トリエスティーナが、新型軽量ロードバイク「Verticale SLR(ヴェルティカーレSLR)」を発表した。「ゼロSLR」よりも重量を10%近く削減したほか、反応性などの性能も向上させている。
素材
ヴェルティカーレSLRには、東レのT800、T1100、M46JBという3種類のカーボンファイバーが使用されている。T800、T1100は高い引張強度を、M46JBは高弾性率を特徴としている。これらは、特殊なエポキシ樹脂に含浸、プリプレグと呼ばれる含浸済みロールにするために準備され、その後、400以上の様々な形状に切断される。
そして、新しい製造技術「アクティブモールディング」を使用することにより、あらかじめ成形された材料を金型に挿入、フレームを正確に硬化させることができるという。
フレーム
シートポストクランプシステムは締め付け装置が微調整され、上部からではなく、斜め下から締め付けるようにした。この新しいシステムにより、ゼロSLRと比較して、この部分の重量を軽くできた。
フロントディレーラー用台座はフレームにリベットで固定されておらず位置調整が可能になった。これにより、軽量化に成功したほか、50-34Tまたは53-39Tのコンパクトクランクセットと、UCIワールドチームが要求する最大55、56Tのオーバーサイズクランクセットが装着できる。
リヤドロップアウトも新しく採用したもので、特殊な形状により回転を防ぎ、信頼性を高めた。チェーンとステーとの間には大きなスペースを確保し、接触を防ぐ。
グループセットはワイヤレスおよびセミワイヤレスに対応する。
シートポストも再設計され、 0度と-15度の2種類のセットバックを選ぶことができ、どちらもリヤライトやゼッケンを取り付けるための2つの穴が付いている。
ジオメトリにおいて、ゼロSLRと比べて最も大きく変わったのはリーチだ。サイクリストが最も興味を持つこと=BBに対する手の位置に焦点を当て、フレームの形状とハンドルバーの形状を変更した。スタックは変わらない一方で、XSとSサイズではリーチがわずかに短くなり、XLとXXLサイズでは従来よりも長くなった。
ハンドルバーに関しては、ウィリエールがC0とC1と呼ぶ、アスリートにとって最もパフォーマンスの高いポジションに焦点を当てた。その結果、ドロップ角、リーチ角、ハンドル傾斜角が変更、フォークコラムに対するステムの角度は7.5度から10.5度になった。この開発は、 グルパマ・FDJとのパートナーシップのもとに行われ、フィッティングの面で、あらゆるニーズとあらゆるタイプのライダーに適した製品になったという。
新しいステム一体型ハンドル「Vバー」
ハンドルバーはカーボン製のモノコックで、重量約310gの全く新しいデザインだ。
幅が異なる特殊な形状で、正面から見ると下側が狭くなっている。この形状は、UCIが定める規則と基準に適合しつつ、空力を高めるポジションをシーズンごとに探し求めるプロのニーズへの具体的な解決策を提供するために考案されたという。
また、スプリント時にハンドリングを良くするためにハンドルの下側の幅を広く上側を狭くしており、その差は約30mmだ。
一体型サイクルコンピュータマウント
ハンドルバー全体の軽量化を追求した結果、ウィリエールは専用設計のサイクルコンピュータマウントスティックを開発。2つのネジで固定する方式で、従来モデルよりも重量を削減した。
ハンドルをフォークに取り付けるステム部分は2つのアルミニウム製インサートをネジで締め付ける方式で、締め付け部分の交換を容易にすると同時に、コンポジット部分への力の分散を改善している。
ステムの後部はラバー製インサートで仕上げられ、汚れや汗がハンドルバーに浸入するのを防ぐ。
ブレーキのアウターケーブルの配線
ブレーキのアウターケーブルの配線にも手を入れ、ハンドルバー内部での通りを良くするため、接触面が増やされた。
Vバーは、ウィリエールの他のモノコックハンドルバーと同様に、ウィリエールの他の上位モデルのロードバイクとも互換性がある。サイズは6種類あり、幅370/400mmには90mmと100mmのステム長、幅390/420mmには110mm、120mm、130mm、150mmのステム長が用意されている。
非対称フォーク
左右非対称の形状はそのまま残し、ブレーキキャリパーが収まる部分は大きく、右側はより軽く、より薄くなっている。
新しい特徴は、左フォークエンド付近が曲がっていること。これにより、応力に対する反応が良くなり、ブレーキング時にキャリパーから掛かる負荷に対する抵抗力が向上する。
フォークはカムテール形状で、ブレーキング時の全体的なフィーリングを向上させながら剛性を高める。
また、大きな負荷が集中するフォーククラウンのデザインに特に注意が払われた。標準よりも高い円錐形のクラウンを採用し、フォークコラムとフォーククラウンとの間の連続性を高めている。
Verticale SLR
シマノ・デュラエースディスクDi2/ミケ・クレオスRD36ホイール完成車価格:182万6000円
シマノ・アルテグラディスクDi2/ミケ・クレオスRD36ホイール完成車価格:164万4500円
フレームセット価格:104万5000円
レギュラーカラー:レッド、マットブラック/ラマート
チームカラー:グルパマ・FDJ(+22万円)