グラベル用レッドXPLRがモデルチェンジ UDH仕様、13速スプロケット
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スラムはレッドのロード用に続いて、グラベルバイク向け「XPLR」グレードの新作を立て続けに市場に投入してきた。よりタフな路面コンディション、地形変化の大きなコースに対応するために、XPLRにはスラムがMTBで培った規格が取り入れられた。
フルマウント方式のリヤディレーラー+13速
今回の目玉は、リヤディレーラー関連である。スプロケットは13速になり、フロント1X専用設計に。リヤディレーラーは、MTB用として先に採用されているフルマウント方式。オフロード走行でも確実な変速性能と堅牢さを手に入れている。フルマウント方式は、2023年に同社のMTB用パーツ「イーグルトランスミッション」で登場。これまでのようなリヤディレーラーハンガーがなく、フレームのリヤエンドを左右から挟み込んで、リヤホイールのスルーアクスルと同軸で固定する。これによって、リヤディレーラーとスプロケットの位置関係が固定されるので変速調整が容易になる。そして、高負荷時の変速性能で、アドバンテージを発揮する。また、堅牢さも高まるので、飛行機でバイクを預けるときも安心だとスラムは言う。
MTB向けのイーグルがワイドなギヤレンジに対応するのに対して、レッドXPLRはグラベル用のクロスレシオで変速性能を引き出せるという設計の違いがある。バッテリーはAXSシリーズ共通の規格だが、取付位置が本体の内側、ダメージを受けにくい位置になっている。
フルマウント方式は、オフロード向けのコンポーネント規格としてメリットは大きいが、デメリットもある。そもそもフレームがUDH(ユニバーサルディレーラーハンガー)を採用していないと使えない。対応フレームのシェア拡大が今後の課題だ。ちなみに推奨チェーンステー長は415mm以上だそう。
レッドXPLR AXSリヤディレーラー価格/11万8000円
XG-1391 XPLR E1カセットスプロケット価格/10万3700円
10-11-12-13-15-17-19-21-24-28-32-38-46T(13速)
ジップの新型ホイールは極太エアロ!
グラベルロードを最速で駆け抜けるために、変速系だけでなく、新作のホイールも発表された。極太幅のエアロリムを持ったホイール「ジップ・303XPLR」がそれだ。リム外幅はなんと40mm。組み合わせるタイヤは、このホイールのためにグッドイヤーが開発したタイヤ「XPLR」。
北米の代表的なグラベルレースである「アンバウンド」で、トップライダーが使用するタイヤの太さを調べたところ40mmが人気ということがわかった。その太さで空力と振動吸収性をバランスさせることを考えた結果のリム形状だという。SWとSという2グレードが用意され、SWの側面にはジップお得意のディンプル加工が施されている。
ジップ・303XPLR SWチューブレス価格/18万5700円(前)、20万3700円(後、対応フリーボディ:シマノ、スラム11S、XDR)
ジップ・303XPLR Sチューブレス価格/11万6100円(前)、13万3100円(後、対応フリーボディ:シマノ、スラム11S、XDR)
ジップ×グッドイヤー・XPLRインターTLR価格/1万2880円(45C)
ジップ×グッドイヤー・XPLRスリックTLR価格/1万2880円(40C)
コントロールレバーはロード用レッドと共通
コントロールレバーとブレーキキャリパーは、先に発表されたレッドと共通。ロード用はリヤ12速だが、無線変速の指示を出すスイッチなので、互換性がある。この新型レバーは非常に引きが軽い。キャリパーがローターと接触する位置が、ローターの外周部へ移動したので、てこの原理が働いて、同じローター径でも少ない力で制動力を発揮できる。互換性に柔軟なグループセット設計は、将来的に魅力が高まりそうだ。
コントロールレバー+ブレーキキャリパー価格/11万3800円(片側)
カーボンクランク+パワーメーター
クランクセットはフロントシングルのみのラインナップ。中空カーボンアームだ。アーム長は160mm〜175mmまで5種類用意される。チェーンリングも5種類。スパイダーアームにセンサーを搭載するタイプのパワーメーターもそろう。充電式バッテリーではなく、CR2032ボタン電池で約200時間稼動する。このパワーメーターに対応するチェーンリングはスレッドマウントスパイダーという規格で、チェーンリングをスパイダーアーム部にネジのように回し入れて固定する。クランクシャフトは、DUBワイド規格という太幅タイヤが使用できるチェーンラインを実現するタイプ。
クランクセット価格/10万3900円、パワーメーター付き18万5200円
クランク長:160mm、165mm、167.5mm、170mm、172.5mm、175mm
チェーンリング歯数:38T、40T、42T、44T、46T
コンポーネントの総重量は、リヤ12速だった前作が2578g、新作のリヤ13速仕様が2476gと102gの軽量化を果たしている。