ニセコグラベル オータムライド2024 レポート:グラベル三昧の2日間!

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ニセコグラベルオータム2024

Presented by Niseko Gravel

9月21日、22日の両日、北海道・ニセコエリアを舞台に「ニセコグラベル オータムライド2024」が開催された。今回のイベントは、21日のプレライドとなるSライドから始まり、22日にはエクストラロング、ロング、ミドルの3つのメインコースが用意され、全国から集まった約640人のグラベル愛好家たちが、秋の北海道を舞台に雄大なグラベルルートを存分に楽しんだ。

 

ニセコグラベルオータム2024

 

参加者5人で始まったイベントが、国内最大級のグラベルイベントに成長

日本でのグラベルイベントの草分け的存在で、今や国内最大クラスの規模を誇るまでになったニセコグラベル。3年ほど前に始まったときには参加者わずか5人のごく小さなイベントだったが、2024年の秋は過去最多のおよそ640人が全国から参加した。地元北海道の参加者は4割ほどで、道外からの参加者が6割を占めるといい、その比率も年々高くなっているそうだ。

 

ニセコグラベルオータム2024

受付会場であるニセコ町・中央倉庫群にはグラベルバイクをそろえるメーカーのブースや、キッチンカーの出店があった

 

本州では9月に入ってからも猛暑日が続く中、ニセコグラベルの舞台となった北海道ニセコエリアは最高気温15度前後、朝晩は気温一桁台にまで下がるほど。明らかに涼しいどころか半袖では肌寒い。本州では晩秋から初冬にかけての陽気だ。

 

ニセコグラベルオータム2024

 

事前の週間天気予報では大会当日の22日は雨予報で降水確率も80%ほどだったが、前日には予報から傘マークがなくなり、降水確率も30%程度まで下がった。当日の朝は薄曇りで、春秋物のウェアでちょうどいいぐらいの気候となった。

 

ニセコグラベルオータム2024

 

ニセコグラベルには3つのクラスがあり、最も長いエクストラロングは、距離125.1kmで獲得票高2311m、グラベル率約55%、ロングコースは距離100kmで獲得票高1834m、グラベル率約50%、最も短いミドルは距離約69.5kmで獲得票高1195m、グラベル率約45%というコースプロファイルだ。いずれもタイム計測は行われず、それぞれのペースで完走を目指す。

 

ニセコグラベルオータム2024

コースの途中には川を渡る区間もあり、アドベンチャー感満点

 

全コースでグラベルソファを楽しめるように。グルメもますます充実

朝6時半、エクストラロングの参加者がスタート。7時半にはロング、9時にはミドルコースの参加者もスタートした。

エクストラロングコースは序盤4kmほど舗装路を走っていきなり10kmほどで300mの標高差がある長い上りが現れ、その後も大小さまざまな上りが現れる。

60km手前から6kmほどは、グラベルで300m近い獲得標高のある、このルート一番のグラベルの上りもあるが、本州のような急な上りは少なく、乗車率はほぼ100%だ。

 

ニセコグラベルオータム2024

グラベル区間は軽自動車一台程度が通れる道幅

ニセコグラベルオータム2024

下り区間では、眺望も楽しんだ

 

ルート最長の上りをクリアすると5kmほど続くグラベルの下りもあり、こちらも急な下りやタイトターンは皆無と言ってよく、気持ちよく飛ばせる。本州ではなかなか味わえないような長い上り、下りのグラベルもあり、小川を渡るポイントも何か所かあった。

ニセコのシンボル・羊蹄山をコースの至るところから眺めながら走り、広大な大地にズドンとまっすぐ道が延びる北海道らしい景色の中を走れる時間は、本州の人間にとっては非日常の時間だ。

 

ニセコグラベルオータム2024

ダウンヒル全日本チャンピオンの井本はじめほか、シクロクロス選手竹ノ内悠、ニセコクラシックなどロードレースで活躍する松田千裕、ダウンヒル選手の永田隼也などゲスト選手も多彩

 

道中にはエイドステーションが設けられており、北海道産のお米やフルーツ、野菜などを使ったグルメが振る舞われる。注目は地元のブランド米・らんこし米の新米を使ったおにぎり、メロンという定番の2大グルメだが、今年は食用のほおずきやクラムチャウダーなど、グルメを愛するスタッフが「自分で走ってもモチベーションが上がる」という新しいグルメも追加された。

 

ニセコグラベルオータム2024

ニセコグラベル名物・コース沿いのグラベルソファが3カ所に増えたこともトピックだ。昨年、エクストラロングコース沿いに1台だけあり、エクストラロング参加者だけがグラベルソファに座れたが、今年はどのコースを走っても少なくとも1回はグラベルソファに出会えるようになっていた。多くの人がソファに座って記念撮影をしていた。

ニセコグラベルオータム2024

グラベルソファに座りながらグルメも楽しみ、グラベルライドやグラベルをつなぐリエゾンの舗装路の区間のサイクリングも楽しみ、心も脚もお腹も大満足してフィニッシュゲートを越えると、心地よい疲れとともにまた走りに来たいと早くも思ってしまうほどだ。アフターライドはメイン会場のニセコ駅前中央倉庫群前の芝生広場に設けられたブースエリアを巡ったり、キッチンカーでランチを食べながら過ごしたり、ステージでのトークショーやライブなどを楽しんだりしながら、ライド後のチルタイムを過ごせる。仲間やライド中に出会った同士と過ごすこの時間もまた、ニセコグラベルらしいすばらしい時間だ。

 

ニセコの可能性を感じ、ともに大会を盛り上げてきた

ニセコグラベルオータム2024

パナレーサー・大和竜一社長

 

アメリカで始まったグラベルライドというスタイルに対応すべく10年ほど前にグラベルキングを販売しましたが、当時は日本ではオフロード=MTBというイメージが強く、なかなか理解していただけませんでした。

ニセコでグラベルのイベントを開催するとなったときに、日本でもグラベルライドの認知度を高めたいと思っていたこと、ニセコという場所のもつ魅力やブランド力に大きな可能性を感じたことから、主催者とともに大会を盛り上げたいとメインスポンサーになりました。

日本でグラベルライドを広めるには、自転車イベント=レースという形ではなく、まず地域を旅や観光を自転車で楽しむ“遊び”という土台があり、その地域のファンを増やすところから始めるのがよいと思っています。

ニセコグラベルは、ライド環境やグルメ、周辺の温泉など、地域の魅力とイベントの魅力で着実にファンを増やしていると感じます。今後はニセコのようなイベントを日本各地で開催できるように仕掛けていきたいですね。

 

「ニセコランドマークビュー」サイクリストにやさしいリゾートコンドミニアム

ニセコグラベルオータム2024ニセコランドマークビュー

ニセコクラシックのフィニッシュ地点付近にあるリゾートコンドミニアム。ニセコのランドマーク・羊蹄山を目の前に望む。スロープで行ける地下のロッカールームには、空気入れやサイクルラックを完備。広々としたリビングやベッドルーム、食器や家電を備えたキッチンに洗濯機を備えたランドリールームもあり、家族やグループでの滞在におすすめだ。

ニセコグラベルオータム2024ニセコランドマークビュー

広々とした室内。冷蔵庫やキッチン、カトラリーなどがそろっている

ニセコグラベルオータム2024ニセコランドマークビュー

冬にはウィンタースポーツ用品をしまうロッカーがある地下倉庫。夏はサイクリスト向けに解放されている

ニセコグラベルオータム2024ニセコランドマークビュー

空気入れもあり、メンテナンスも可能な広いスペースがある

 

ニセコランドマークビュー

 

NISEKO GRAVEL AUTUMN RIDE 2024

開催地
ニセコ町・中央倉庫群第一倉庫(メイン会場)

主催者
一般社団法人 HOKKAIDO EVENTS

開催日
2024年9月21日、22日