BH・レガロ ディスク 注目のBH、ディスクロード乗り比べ!「アサノ試乗します!」その7
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スペインのバイクブランドBHは、2017年モデルでエントリーモデルからレーシングバイクまで、幅広い車種にディスクブレーキ搭載モデルをラインナップしてきた。注目のBHディスクブレーキロードの中で、今回はカーボンフレームのエンデュランスロード・レガロディスクをインプレする。
(※編集部注)今回掲載のモデルは「クォーツ ディスク」という名称で現在(2016年12月22日)販売中。2017年1月1日より、名称のみ「レガロ ディスク」へ変更となる。
軽さ、空力性能、快適性のバランスに優れたエンデュランスロード
レガロは、エンデュランス志向のジオメトリーを持つカーボンフレームのロードバイク。そのディスクブレーキ仕様がレガロディスクだ。
前回紹介したスフィーンディスクとほぼ同じジオメトリーで、ヘッドチューブが長く、シートアングルが起きており、上体を起こしたアップライトなポジションが取りやすい。また、ヘッドアングルもレーシングモデルのG7ディスクと比べて寝ており、フォークオフセットもやや長めにとられているため、直進安定性にも優れる。
シマノ・105仕様の完成車のほか、フレームセットも販売。価格は完成車で35万円(税別)と、エントリーモデルのスフィーンディスクの倍以上するが、軽量なカーボンフレームを採用し、メインコンポーネントも11スピードのシマノ・105となり、油圧式ディスクブレーキを採用しているので、初期性能の高さや将来的なアップグレードのしやすさを考えると魅力的なパッケージと言えそうだ。
驚くほどクセがなくて乗りやすい。山岳グランフォンドに最適な1台
最近のカーボンフレーム採用のロードバイクは、非常に軽量で、加速時や登坂時に思わず顔がにやけてしまうようなバイクも少なくない。そして、かつてはハイエンドモデルでしか見られなかったそんなバイクが、30万円台の完成車にも登場している。
一方で、軽量化によって腰高感が強調され、乗りにくさを感じるバイクも少なくない。しかし、レガロディスクは、乗った瞬間にまるで勝手知ったる自分のバイクのような乗りやすさを感じた。
その理由の一つは、重心バランスの良さだろう。ディスクブレーキを採用することで、キャリパーブレーキ仕様より低重心な傾向にあるのかもしれないが、腰高感とは全く無縁。下りコーナーの安定感や素直な挙動たるや、まるで自分のライディングスキルが高まったような気にさえさせてくれるほどだ。
快適性も素晴らしい。シートステーやシートポストのしなりでで突き上げをいなすだけでなく、フレーム素材がカーボンとなるだけで、路面の細かな凹凸の角もしっかり和らげてくれる。乗り心地の上質さは、エントリーモデルのスフィーンディスクをはるかに上回る。
一方、ヘッドチューブが長めのジオメトリーゆえ、ステムをめいっぱいまで下げてもハンドルを低くセッティングするのは限界がある。スピードを上げていったときにめいっぱい上体の前傾を深くしたエアロフォームをとっても、スピードが頭打ちになる感じは否めなかった。エンデュランスロードだけに、レーシングスピードで走り続けることは想定されていないのだろう。
フレーム重量もXSサイズで1050gと軽く、上りもそつなくこなすので、ロングライド、特に上りもあるグランフォンドで真価を発揮するだろう。
■浅野真則
実業団エリートクラスで走る自転車ライター。ロードレース、エンデューロ、ヒルクライムなど幅広くレースを楽しみ、海外のグランフォンドにも参加経験がある。愛車はスコット・アディクトとキャノンデール・キャード10。ハンドル位置が低めのレーシングバイクが好き。
spec.
シマノ・105完成車価格/35万円(税抜)
●フレーム/カーボン
●フォーク/カーボン
●コンポーネント/シマノ・105
●ホイール/マヴィック・アクシウム ワン ディスク
●タイヤ/ヴィットリア・ザフィーロ 700×25C
●ハンドル/イーストン・EA70
●ステム/イーストン・EA70
●サドル/プロロゴ・Sライト エルゴ
●サイズ/XS、SM、MD、LA、XL、XXL
●試乗車重量/7.8kg(サイズSM)