なななさんが“WAKAYAMA 800”のおいしいとこだけ!サイクル×トレインの和歌山旅
目次

こんなキレイな光景もサイクル&トレインならお手軽です!
サイクリストに向けた取り組み「WAKAYAMA800」を充実させる和歌山県を、大人気YouTuberのなななさんがライド!誰もが利用しやすいサイクルトレインを活用すれば、景色もグルメも「おいしいとこだけ!」楽しめちゃうんです。
動画はこちらからチェック!
今回の旅人/なななチャンネル
なななさん
チャレンジングな旅企画から身近なご近所サイクリングまで、等身大の自転車遊びのスタイルから、幅広い層に人気の大阪発のYouTuber&インフルエンサー。ライドの目的地や立ち寄り先には、おいしいものは欠かせません!
SNS&Youtube/@nanana777
恋するWAKAYAMA

串本駅から走り出せば、約2kmでこの絶景! 紀伊大島へ架かる「くしもと大橋」は、長さ386mの雄大なループ橋と、放物線を描く290mのアーチ橋という2区間で構成される。約270度にわたって海上を一周し、高低差もあることから、まるで自転車で海の上を走っているような展望で、特に下りが気分爽快! そのまま北緯33度25分59秒に位置する「本州最南端の碑」が待つ潮岬へとペダルをこぎ進めよう
「真っ白な白良(しらら)浜からサイクリストウェルカムなホテルまでぎゅっと詰まっているので、自転車で巡るのにぴったりですね!」
和歌山県屈指の観光名所である白良浜で笑顔で話すのは、【なななチャンネル】のなななさんだ。彼女にとって、実は和歌山は特別な場所のよう。
「子供の頃からよく来ていたのですが、サイクリングを推している県だと知って自転車で走ってみたら、『ほんまやん!』って驚いたことを覚えています! サイクリングルートを示すブルーラインも道路にたくさん引かれているし、各地で自転車に向けたサービスも充実しているので、もっと親近感が湧いてますます訪れるようになりました。そうして走るほどに、和歌山の魅力に改めて気付けたと思っているんです」
そんななななさんが、2日間にわたって串本エリアと白浜エリアの自転車の旅へ出た。その目的は何でしょう?
「やっぱりせっかく走るからには、グルメを味わいたいですね! おいしい食べ物がたくさんあるのも、私が和歌山を大好きなポイント。果肉がぎっしりで甘いはちみつ梅干しとか、もちもちのマグロとか。そうそう、銘菓かげろうは忘れずにお土産で買いたいですし……。好きな食べ物は挙げ出すとキリがありません。今回はそれぞれのエリアで行ってみたいお店がたくさんあるので、そこを目指してみようと思います!」
そんな気合い(?)も十分に、串本駅から走り出す。南国感あふれる快晴の中で順調に潮岬を過ぎて、古座川へと向かっていく。そうして自転車で走っていて特に気付くことがあるようだ。
「和歌山が他のエリアと全然違うなと思うのは、ブルーラインが引かれていて、その上でスムーズに路面が整備されている点ですね。このブルーライン、さすが全長800kmあるだけあって、どこを走っても引かれている! ここまでの規模は和歌山くらいじゃないでしょうか。それも、海岸部の良い場所だけではなく、山の方にもしっかり引かれているので、『このラインをたどったら迷わず大丈夫』という安心感がありますね」
道の駅 一枚岩 モノリス
和歌山県東牟婁郡古座川町相瀬290-2
TEL/0735-78-0244
営業時間/夏季3~11月・9:30~17:00(平日)、 8:30 ~ 17:00(土日祝)、冬季12 ~2月・10:00~17:00(平日)、 9:30 ~ 17:00(土日祝)
定休日/不定
太古の火山活動によって形成された巨岩である「古座川の一枚岩」を、川の対岸から一望できる位置にある道の駅。サイクリングやリバーアクティビティの拠点にもなっている。2020年6月にリニューアルした店内には、特産品ストアと共にカフェレストランもあり、ライドのお目当てにもピッタリ。シカやイノシシといったジビエ肉のうまみを手軽に頂ける、ハンバーガーやタコライスといったメニューが豊富だ
サイクルトレインで広がる旅
今回のプランでは、一日の走行距離は最大80km程度。その間はきのくに線【サイクルトレイン】でも移動するプランだ。バイクを分解して輪行袋に入れることなく、自転車を押して改札を通り、そのまま列車に乗り込むことのできるのがサイクルトレイン。利用できる本数の多さや便利さから、2025年現在ではもはや和歌山でのサイクリングの特徴の一つと言えるだろう。
「白浜から新宮間の南エリアは、景観も良いしごはんスポットも多いので、私的にも一番おすすめな一帯です。ただ、その区間を全部走るとなるとけっこう距離があり、どうしても時間や体力が必要になってしまいます。そこで、電車をうまく活用すれば、まさに良いとこ取りなプランニングができますね」

古座川を下流部へ向かった先、明神という地域にある潜水橋。河川の増水や氾濫の対策として沈むことで倒壊を防ぐ構造であり、川の両側の集落を行き来するための生活道として利用されている。「四国の沈下橋はサイクリストにも有名ですが、まさか和歌山にもこんな景色があるなんて、とっても意外です!」
「そして和歌山の海沿いほぼ全てにわたり路線があるきのくに線は、最近は私が和歌山を走るときにはもう絶対に乗ってます! 『ここからここは景色がきれいだから自転車で、でもちょっと距離が長い区間は鉄道を利用して』と、その日の気分に応じて使い分けができる。やっぱりそのまま自転車を載せられることが心理的にも楽なので、積極的に利用しています。また、小径車やeバイクでポタリングしたいという人も、サイクルトレインで長い距離の移動ができるので、『ちょこっとだけ自転車で旅をしたい』という時にもおすすめできますね。もちろんロードバイクで片道だけ走って、もう半分は鉄道で、というのもアリ!」
串本エリアをぐるりと一周し、最後に尾鷲牛乳の絶品ソフトクリームをほおばって、そこから約2kmの紀伊有田駅へとフィニッシュし1日目のライドを終えたなななさん。鮮やかなアートに彩られた駅舎をゆっくりと眺め、ホームに入ってきた上りの列車にそのまま乗車して、いざ向かうは今晩の宿泊地の白浜だ。
「ちょっと傾いてきた日差しが海に反射して、車窓からの景色がとってもきれいですね。最近はこの普通列車の他にも特急列車【くろしおサイクル】を利用することもあるのですが、その際には時刻表をチェックしたり、乗れる便などを確認の上でライドの行程を組み立てる必要があります。そしてもっとサイクリストが利用すれば、活用の幅は広がり環境が改善されていくと思っています。どんどん使って、どんどん便利になってほしいですね。サイクリストが一緒になって和歌山のライド環境を盛り上げていけば、まさにサイクルトレインの可能性は無限大だなって思います!」
JRきのくに線 紀伊有田駅
和歌山県東牟婁郡串本町有田469
ワンマン列車しか止まらない無人駅へ、訪れた人だけが出合うことができるこの驚き! 2016年と2021年に催された体験型芸術祭「紀の国トレイナート」にて、和歌山市出身の「画家まつお」さんが制作、後に氏の個人的な追加制作も踏まえて完成させたのが、この紀伊有田駅の姿。「山、川、海、全てがそろう串本の自然」を表しており、「山から海への自然の循環、そしてその中でチョロチョロうごめく生き物たち」を氏が描き、駅舎だけにとどまらずホームの壁面などまで鮮やかな色彩がうつろう。そしてサイクリスト目線でも、駅のエントランスからスロープを経由してそのままホームへ、そして列車へ乗り込むことができるので、より手軽に乗車できる
Bakery Hotel Shirahama (ベーカリーホテル 白浜)
和歌山県西牟婁郡白浜町1729-12
TEL/0739-33-2221
営業時間/7:30~17:00(ベーカリー)
全室に「サイクルハンガー」があり、愛車をそのまま自室に持ち込んで保管することができるこのホテルは、オンラインでの予約から顔認証でのカウンターレスのチェックインまで、最新の設備も充実。「事前に駐輪のことを確認しなくても良いだけで、自転車での旅の気にかかることが一つ減らせます。スマホでスムーズにチェックインでき、女性一人旅にもストレスフリー!」(なななさん)。かけ流し方式の温泉大浴場もあり、サイクリングの締めまでばっちり!
おいしいとこだけ、召し上がれ

円月形の穴に沈む夕日の光景で有名な名勝「円月島」は白良浜から約1kmにある。海岸沿いの道路上を自転車で走れば、その形の変化をぐるりと眺めることができる。和歌山の沿岸部はほとんど全てナショナルサイクルルートである「太平洋岸自転車道」に制定されており、サイクリストなら一度は走ってみたいルートだ。2日目の白浜ルートも、周参見駅でフィニッシュしてサイクルトレインで帰路につこう
「和歌山って、他のエリアがまだ寒いような春先や秋のタイミングが、一番走りやすいかもしれないです。今回走った日は、季節としては冬の真っただなかでしたが、気温もすごく暖かくて、海側をついつい走りたくなります。でも今回白浜から山の方へ向かってみると、透き通った渓流や静かな林道の木漏れ日がすごくきれいでした。何だか和歌山って海もあって川もあって山もあって、自転車で走るのには本当に気持ちの良い場所です」
そうして走るセクションも楽しみ尽くすからこそ、お腹もどんどん空いていくもので……。
「今回訪れたお店は、どこも全部おいしくて、ボリュームも大満足! 昨日串本で食べたカレーは、『渡った島で食べるカレー』というシチュエーションがまたいいスパイスになり、街で食べる一皿とは一味違った思い出として強烈に残りますね。店主さんとチル〜くお話したりと、場所の空気感も素敵で、また必ず訪れたくなるお店でした」
そして白浜のランチに立ち寄ったペスカトーレは、海を一望できるテラスに海鮮たっぷりのおいしいパスタという組み合わせ。
「『今、和歌山で食べてる!』という気分があふれて最高の気分! 円月島からも近く、まさにサイクリングで立ち寄るにはベストな立地です。今回のサイクルトレインと組み合わせた和歌山ライドは、まさに私がしたいことが全部詰め込まれた最高の旅。ほんとにおすすめなので、ぜひ皆さんも和歌山に来て旅してみて!」