ミドルグレード・ディスクロード厳選5台一気試乗【導入編】
目次
ディスクブレーキ化が決定的となったロードバイク。中でも初めての一台や乗り換え先として選びやすい、完成車パッケージのミドルグレード・ディスクブレーキロードバイクが今ますます存在感を増している。今回は、まずはその全体像を俯瞰し、そのうえで厳選した全5台のバイクを集め、名物店長・スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの鈴木卓史氏、自転車ジャーナリストの安井行生氏による試乗を通し、その完成度を見極める!(編集部)
安井行生
さまざまな自転車メディアでインプレ記事や技術解説を得意とする自転車ライター。昨年、自身初のディスクブレーキロードを購入した。
鈴木卓史
埼玉で店舗を展開するプロショップ、スズパワーの代表であり、ディスクロード登場初期から注力し続けている。そのフレンドリーな人柄からファン多し。
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なぜ、今ディスクブレーキロードはミドルグレードが旬なのか?
まずは、スポーツバイクファクトリーの統括店長であり、今特集の評者でもある鈴木さんに、「ミドルグレードのディスクロードの現実」について教えてもらう。
ミドルグレードも買い時に
次に買うならディスクロード。そう心に決めている人は多いと思う。しかし、各社のトップモデルは軒並み100万円オーバー。なかなか手を出せる金額ではない。
しかも、手持ちのパーツを流用して安く仕上げることもできるリムブレーキロードとは違い、ディスクロードはコンポやホイールの使い回しがしにくい。おのずと完成車で購入するケースが多くなるはずだ。
世のサイクリストが本当に知りたいのは、現実的に手が届くミドルグレードディスクロードのリアルだろう。そこで今回は万円前後を中心に各社のミドルグレード完成車を集め、試乗を行うことにした。
「リムブレーキ用のいいホイールを買うかディスクロードを買うかで悩まれている方も多いと思いますが、今リムブレーキ用ホイールを買うとそれに乗り続けなくてはいけなくなり、買い替えるタイミングを逃してしまいます。しかし、もうディスク化は止められません。ディスクロードを買っておいた方が将来的な発展性という面では断然有利です」
インプレも担当してくれた鈴木店長はそう言う。
ハイエンドディスクロードのフレームの技術要素がミドルグレードにも降りてきつつあり、シマノは105やティアグラにまで油圧ディスクブレーキ版を追加した。今、ミドルグレードのディスクロードも“お買い得期”に入ったといえる。
Suzuki’s Point!
- 105やティアグラにも油圧ディスクが設定された
- ミドルクラスのフレームにトップグレードの技術が降りてきた
- もうロードバイクのディスクブレーキ化は止まらない
購入時に着目すべき点
30万円前後のミドルグレードは、コンポにシマノを採用するモデルがほとんど。20万円台前半はティアグラ完成車が多く、20万円台後半になると105完成車も増えてくる。
「できれば105以上をお勧めします。105(11速)とティアグラ(10速)の価格差はさほど大きくありませんし、後々11速化しようとしても、ディスクブレーキでのコンポのアップグレードはハードルが高いですから。10速でも十分楽しめますが、最初から11速にしておいた方が、後悔しづらいはずです」
フレーム素材はカーボンが多いが、キャノンデールのように、高品質なアルミフレームで20万円強の105完成車を用意しているメーカーもある。リムブレーキのバイクとは違い、ブレーキキャリパーにサードパーティーを使ってコストダウンするケースはほとんどない。コストカットの対象となっているのは、クランク、スプロケット、チェーン、ローターなどだが、性能的には問題ないので、当面はそのままでもOKだろう。ホイールはシマノのWH-RS171が定番で、メーカーオリジナルのアルミホイールを装着しているモデルも多い。
「このクラスには重いホイールが付いているので、もしアップグレードをするならホイールでしょう。フレームのポテンシャルは高いので、5〜6万以上のホイールにすると、走りがグッと軽くなります」。
試乗編その1
次の試乗編から、2020年6月現在で手に入る、厳選したミドルグレード・デイスクロード5台を一気乗りインプレッションする。【試乗編その1】では、ビアンキ・スプリントディスク、カレラ・ER-01ディスク、ラピエール・ゼリウスSL500ディスクの3台に乗る。(編集部)
試乗編その2
【試乗編その2】では、メリダ・スクルトゥーラディスク4000、ピナレロ・ラザ ディスクの2台に乗る。