さらに進化したパイオニア・ペダリングモニターシステムを詳細解説!
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https://www.cyclesports.jpベクトル表示によってペダリングの可視化を実現した世界初のシステム、パイオニアのペダリングモニターシステムに、新型サイクルコンピューターSGX-CA600とペダリングモニターセンサーSGY-930Hシリーズがニューモデルとして追加された。また、これらの製品の各種設定やファームウェアの更新などが行えるCyclo-Sphereコントロールアプリも登場。さらに多機能に、より使いやすく進化したペダリングモニターシステムの魅力に迫る。
新しいサイクルコンピューターとペダリングモニターセンサーが登場
パイオニア・ペダリングモニターシステムは、ライダーのペダリングと出力を高精度に計測するペダリングモニターセンサー、ペダリングモニターセンサーと連携することでペダリングを可視化するサイクルコンピューター、サイクルコンピューターに記録された走行ログを解析する専用サービス・Cyclo-Sphereが三位一体となった高度なシステム。同システムのラインナップにこのほど、3代目となる新型サイクルコンピューターと、シマノのクランクセット デュラエースR9100シリーズとアルテグラR8000シリーズに対応する新型のペダリングモニターセンサーが追加された。
新型サイクルコンピューターSGX-CA600は、2.2インチカラーQVGA液晶を採用し、高い視認性を実現。15種類のグラフ表示や250パターンのデータフィールドを選び、好みのデータを表示させることができる。表示画面のカスタマイズは、Cyclo-Sphere コントロールアプリとBluetooth通信でペアリングして簡単に行える。さらにこれまでになかったマップ表示機能やナビゲーション機能も搭載。ペダリングモニターセンサーと連携させて効率やパワーの左右バランスを判定する機能も搭載された。
新しいペダリングモニターセンサーSGY-930Hシリーズは、左側クランクのセンサーを小型化・薄型化することで取り付け可能車種を拡大。BB90採用のトレックの上位モデルにも取り付けられるようになった。また、Bluetoothにも対応し、Cyclo-Sphereコントロールアプリを使うことでマグネット校正やゼロ点校正、ファームウェアの更新がスマートフォンを通じて簡単に行えるようになった。加えて、これまではSGX-CA500のみで表示が可能であったペダリング時のベクトル画面をリアルタイムで確認できるライブペダリング機能も利用できる(データを記録するにはSGX-CA600が必要)。
Cyclo-Sphere コントロールアプリではサイクルコンピューターSGX-CA600の画面設定をはじめとする各種設定、外部機器やソフトとの連携が簡単にできるようになり、サイクルコンピューターSGX-CA600の機能性、価値を大幅にアップさせている。
今回は新しいサイクルコンピューターを中心に、ニューモデルの登場でペダリングモニターシステムがどう進化したのか、ペダリングモニターを活用したペダリングセミナーの講師を務める自転車プロコーチ・須田晋太郎さんとともにチェックしていこう。
ナビ機能搭載など多機能化が進み、レース志向以外の人にも魅力が増した
今回ペダリングモニターシステムは、新型サイクルコンピューターSGX-CA600の登場でさらに多機能化が進むと共にその活用領域を拡大している。特に一番の目玉と言えるのがマップデータの内蔵とナビゲーション機能の搭載だろう。
日本全国のマップデータを内蔵し、GPSもGLONASSやみちびき、A-GPS(コントロールアプリ連携)に対応。STRAVAやRide With GPSなどのサービスで作成したコースデータをコントロールアプリ経由でサイクルコンピューターに自動でダウンロードし、マップに反映させることでナビゲーション機能が利用できる。これはGPSサイクルコンピューターで大きなシェアを誇るガーミンでも上位機種であるエッジ1030と820でのみ対応する機能。キューポイントの指示に加え、地図によるルート確認ができることで、初めて走るルート、ロングライド等でもミスルートを減らすことができそうだ。
グループライドで活用したい新機能「ライブパートナー」
サイクルコンピューターSGX-CA600に搭載された新機能でもうひとつ注目したいのがライブパートナー機能だ。これはSGX-CA600を使うライダー同士でサイクルコンピューターをペアリングし、パワー値や心拍数、インテンシティ(FTP(有酸素運動能力の限界を示すパワー値)に対する負荷強度)等をリアルタイムに共有できる機能。1つのサイクルコンピューターに3台のサイクルコンピューターをペアリングでき、仲間の状態をインテンシティで把握しながらグループライドが可能となる。走行中お互いの車間が開くとアラートで知らせてくれる機能もある。
須田さんは、この機能を活用できるシーンとして「グループでのロングライドやトレーニング、チームTTなどが考えられる」と話す。
「グループライドでは、リーダーが走行データを見ながら脚力差を考えてペースをコントロールしたり、先頭交代の時間を考えながら走ることで、まとまって走れるようになるでしょう。そういう意味では、今まで以上にレース系以外のサイクリストにも魅力が高まったと言えそうです。さらに、レースではチームでまとまって走る必要があるチームTTにも使えますし、実際に走りながらコーチングする際にもこの機能を活用できそうです」
トレーニング機器としての活用法も提案。スマートトレーナーとの併用でさらに世界が広がる
ペダリングモニターシステムは、国産初のパワーメーターでもある。しかし、パワーメーターを持っていても、その使い方が分からなければ宝の持ち腐れだ。須田さんはペダリングモニターシステムの魅力のひとつとして、トレーニング機器としてのハード面だけでなく、活用方法も含めたソフト面も含めてひとつのシステムになっている点を挙げる。
たとえばオリジナルメニュー機能。運動・休息時間と強度(パワー)、リピート回数などを任意に設定したトレーニングメニューを作成し、トレーニング実施をサポートする機能だ。SGX-CA600では、FTP計測やFTP20分走などのメニューがあらかじめ用意されているほか、サイクルコンピューター本体でメニューを作成したり、データ解析用アプリであるCyclo-Sphereアナリシスアプリ(iOS専用)で作成したメニューを取り込んだり(トレーニングアシスト機能)、トレーニングピークス(外部サービス)で作成したメニューをCyclo-Sphereコントロールアプリ経由で取り込むことができるようになった。
「パワーというとレースやトレーニング志向の強い人以外には関係ないように思われがちですが、FTPを越えないようなペースで走ることはロングライドのペースメークの指標になります。パワートレーニングの第一歩であるFTP計測もなかなか敷居が高いものですが、トレーニングアシスト機能やオリジナルメニュー機能を活用すれば、誰でもFTPを簡単に計測することができます。ペダリングモニターシステムはパワートレーニングの間口をあらゆるサイクリストに広げたと言えるでしょう」と須田さん。
新型サイクルコンピューターSGX-CA600は、Stravaライブセグメントにも新たに対応している。セグメントが近づくと開始のカウントダウンやコースプロファイル表示が行われるほか、残り距離やパーソナルレコードの表示も行われる。
さらにANT+通信によるスマートトレーナーとの連動も実現。オリジナルトレーニングメニューでの負荷の連動に加え、過去のレースやトレーニングデータ、ルートサービスで作成したルートデータの斜度と連動、再現して効果的な疑似トレーニングもできるようになった(シュミレーション機能)。例えば、乗鞍エコーラインの走行ログを使えば、家にいながらにしてあの乗鞍のシミュレーションを心ゆくまで行えるのだ。ペダリングを可視化できるパワーメーターという強みに加え、インドアトレーニング環境での活用法を拡大し、ますますペダリングモニターシステムの魅力が高まったと言える。
ペダリングモニターはアスリートだけでなく、初心者にこそおすすめ
ペダリングモニターシステムの一角をなすペダリングモニターセンサーには、パワートレーニングには欠かせないパワーメーターとしての機能だけでなく、ペダリングを可視化するペダリングモニターという世界初の機能が搭載されている。これがペダリングモニターシステムを唯一無二の高度なシステムたらしめている。その高度さゆえにアスリートのためのトレーニング機器というイメージが先行しているが、須田さんは「初心者にこそペダリングモニターをおすすめしたい」という。
「一定レベル以上の選手になると、ある程度キレイなペダリングが身についています。だからこそ速いペースで長時間走り続けることができるわけです。一方、初心者はスキルが十分でない人も多いので、速く走ったり長時間走ったりするには、パワーを付けるフィジカル面のトレーニングと同時に、ラクに長く走るためのスキルトレーニングも行う必要があります。ですから、初心者は明らかにダメなペダリングを身につけないようにするためにペダリングモニターを活用するのはおすすめです」
ペダリングスキルアップ向上に役立つのは、ペダリング時の踏力の大きさと向きを表示するペダリングモニター機能と、新しくサイクルコンピューターに搭載されたペダリング効率や左右パワーバランスの判定機能だ。しかし、ペダリングモニターの使い方には注意すべきだと須田さんは指摘する。
「ペダリングモニターで表されるペダリング効率とは、クランクにいかに有効な力を加えられているかという機械的な効率のこと。。高いペダリンク効率をを追求するようなペダリングの動作は、実はライダーにとっては上死点や下死点付近、引き脚局面でもトルクを発生させるような人間的効率が決してよくない動きなのです。いたずらにペダリング効率の数値のみを高めようとするのではなく、ベクトル表示やペダリンググラフを確認しながら下死点で踏み抜くようなフォースベクトルや引き脚局面で下向きのフォースベクトルが出ないようにするために自分のペダリングを見直すぐらいに活用するのがおすすめです」
高機能化が進んでますますシステムとしての完成度を増し、一方でサイクルコンピューターSGX-CA600がユーザーフレンドリーになってより初心者にも使いやすくなったパイオニアのペダリングモニターシステム。その進化はとどまるところを知らない。
【神奈川県】ペダリングスキルアップセミナーin平塚3/17
ウォークライドは好評のペダリングスキルアップセミナーを3月17日(日)に平塚で開催する。
3月17日 ペダリングスキルアップセミナーin平塚
■講師:須田晋太郎(自転車プロコーチ)ウォークライド
■開催日:3月17日(日)10:00~16:00(予定)※雨天の場合は午後も室内での座学となります。
■場所:神奈川県平塚市大神1626-1 ネッツトヨタ湘南トレーニングセンター
(Vテラス平塚内)
■参加費:7020円(税込)
■定員:15人
※保険代含む
<持ち物>
自転車
ウェア
シューズ
レインウェア(天候により)
前後ライト
着替え等
■主催:ウォークライド
■申込み、詳細はこちら(ウォークライド)
ウォークライド
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パイオニアキャンペーン情報
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