これでもう立ちごけしない! クリートの外し方
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https://www.cyclesports.jpロードバイクではビンディングペダルを使い、クリートで足を固定する。だから、足をつくときに失敗すると、いわゆる”立ちごけ”をしてしまう。ロードバイクに乗っている人なら、誰でも一度は経験したことのある恥ずかしいミスだ。けがや命取りにもなり得るので、絶対に避けたいことでもある。そこで、今回は立ちごけしないクリートの外し方をプロに伝授してもらった。いまだに年に1、2回は立ちごけしてしまうという人は、もう一度基礎からおさらいしてみよう。
下死点なら足を外しやすい
では、早速基礎から学んでいこう。レクチャーしてもらうのはプロアスリート&プロコーチの小笠原崇裕さんだ(プロフィールは記事の最後に)。
まず、一番大切なポイントは、クランクが一番真下に来たとき(下死点)で足をひねることだ。このとき、足を楽にひねることができ、クリートを外すのも簡単になる。簡単に外せるから、足をつくときにもたついてしまうこともない。
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ただし、急ブレーキをかけたりして、ベストな位置で足をひねることができないこともある。そういうときに備えて、どんなクランク位置だろうがとっさに足を外すことができるよう、訓練しておくことが大切だ。まずは外しやすい下死点で完璧にクリートを外せるように訓練し、それができるようになってから、車通りの少ないところなどでどんな位置でもとっさに外せるよう訓練しておくようにしよう。
“足をつくのは絶対に左足”ではだめ!
次のポイントは、たまに右足でもクリートを外して足をつくようにしておくことだ。「え!? 日本だと車が自分の右側を通るから、右足をついたら危ないのでは?」と思う人・そう教わったという人が多いだろう。
しかし、実際問題足をつこうとしたら強い風が吹いたり、何かにぶつかったり、障害物を踏んでしまったりし、バランスを崩して右側に倒れようとしてしまうこともあるだろう。そんなとき、とっさに右足のクリートを外して足をつくことができなければ、立ちごけしてしまうのは当然だ。
だから、”足は絶対に左足をつく”と盲信せず、右足でも足をつけるように訓練しておこう。交通量の少ない場所や、後ろから車が来ていないときは、たまに右足を外してみることをお勧めする。
脚がつったり、ボディバランスが崩れることも!?
もう一つ、たまに右足を外した方がいい理由がある。ずっと左脚ばかりを外していると、だんだん左脚ばかりが疲れてきてしまうのだ。いつも左脚がつってしまうという人は、その原因が左脚のクリートを外し続けていることにあることも少なくないという。また、左右のボディバランスを崩してしまうことにもつながる可能性がある。
バランスを崩さない腰の降ろし方
クリートの外し方以外にも、サドルから安全に腰を下ろす方法も大切だ。こつは、写真のようにクランクが上死点の位置から荷重しつつブレーキングもし、踏み込む力とブレーキングの力がうまく拮抗したまま腰を前に降ろしていくことだ。
逆にバランスを崩しやすいのは、クランクが下死点にある状態から腰を前に出そうとするやり方で、ペダルを踏んでいる側にバイクが傾いてしまいやすい。
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急ブレーキのときのこつ
やや上級者向けだが、急ブレーキのときにもバランスを崩さないで足をつく方法がある。急ブレーキのときには、写真のように体を大きく後ろに引いて前に吹っ飛ばないようにするが、それから一旦体をバイクの中心位置まで戻してからクリートを外し、足をつくことが大切だ。こうすることで、バランスが取りやすくなるのだ。
一方で、下の写真のように、体を後ろに引いたままクリートを外して足をつこうとすると、バランスを崩しやすくなる。
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意外な盲点 ビンディングの固定力
最後にチェックしてほしいのは、ビンディングの固定力が強すぎないかどうかだ。ここが強すぎて足を外しにくくなっている人も見受けられるので、ライディングテクニックに自信がない人は、最弱にしておいた方がいいだろう。ビンディングの固定力の調整方法はペダルのメーカーによって異なるが、アーレンキーなどを使って簡単に調整できる。写真はシマノのペダルで、中央にあるネジをアーレンキーで緩めればOKだ。
次回の特集では「ロードバイク坂道発進のこつ」を紹介。お楽しみに!
次回の特集では、引き続き小笠原さんにアドバイザーとなってもらい、「ロードバイク坂道発進のこつ」を教えてもらう。
ADVISER
マルチアスリート&プロコーチ
小笠原崇裕さん
U23 全日本MTB選手権(CX)優勝、エクステラ日本チャンピオンに輝くなど、輝かしい実績を持つマルチアスリート。現在はJCFナショナルコーチを務めるなど、プロコーチとしても活躍している。