カンパニョーロ・コーラスも12速に!
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ロードコンポーネントは、いよいよリヤ12速時代へと移行を開始している。スーパーレコード、レコードでリヤに12速を用意しているカンパニョーロが、第3グレードであるコーラスの12速化を発表した。
18万円で手に入る12速
カンパニョーロに端を発したロードコンポーネント12速化の動きは、スラムがeタップシリーズもレッドとフォースで追従し、ローターに至っては13速をリリースしているというのが現状だ。
当然ながら各社はトップグレードから12速化を進めているわけだが、カンパニョーロの12速化の並は中堅グレードのコーラスにも及んだ。クランクのデザインは上位グレードと大きく違っているが、エルゴパワーや前後ディレーラー、ブレーキの設計は上位グレードを踏襲したものとなっている。トップグレードの性能をそのままに、素材を変更することでコストを抑えた仕様だ。また、上位グレードにはないワイドレシオのギヤが用意されていることから、ロードレースに限らずさらに広い使用シーンを想定しているといえる。
ブレーキは油圧ディスクと、リムブレーキの2タイプ。変速は機械式のみとなる。
素材の違いゆえに、当然ながら重量はコーラスの方が重くなる。ディスクブレーキのグループセット重量が2631g、リムブレーキは2333gだ。参考までにスーパーレコードEPSの12速グループセットの重量はディスクブレーキモデルが2505g、リムブレーキモデルが2255gとなっている。
上位グレードと同じデザインのエルゴパワー
カンパニョーロのコンポーネントのアイデンティティーであるエルゴパワー。コーラスグレードであっても、その形状はスーパーレコードなどの上位グレードと同じだ。ただ、レバーの素材はアルミに変更され、リムブレーキ仕様の場合、スーパーレコードEPSと比較すると重量は約120gほど重い。
ブレーキレバーはやや外側に開くように角度が付けられて、操作性を向上。またブレーキレバーの支点をハンドルバーのセンターに近づけることで、レバーを握った力が効率的に伝わるような設計になっている。ブラケット内側はクッション性が高くなるような形状に変更されている。これらの改良は、上位グレードですでに採用された内容だ。
変速操作は一気シフトが可能で、最大ダウン側5段、アップ側3段の変速が可能となっている。
■エルゴパワー
リムブレーキ用価格:3万5500円(税抜)
ディスクブレーキ用+ブレーキキャリパー価格:5万4000円(税抜)(左右単体価格)
48-32Tの”エクストリームコンパクト”チェーンリングでライドシーンを幅広く
コーラスのクランクは、上位グレードと構造が異なる。4アームでカーボン製ある点は同じだが、チェーンリング固定ボルトが外側から見える設計。なので見た目はかなり違う。アウターとインナーを別々に固定するのは上位グレードと同じだ。チェーンリングの歯数構成は52-36T、50-34Tのロードレースを想定した歯数に加えて、48-32Tの”エクストリームコンパクト”と名づけられた小さいチェーンリングが用意される。グラベルライドやシクロクロスなど、上位グレードよりも幅広いバイクの使用シーンにマッチするギヤ比といえる。
■クランクセット
クランク長:165 mm、170 mm、172.5 mm、175 mm
チェーンリング歯数構成:52-36T、50-34T、48-32T
価格:5万2000円(税抜)、重量:718g(172.5mm、48-32T)
前後ディレーラーは12速ワイドレシオに対応
フロントディレーラーは12速化に最適化されている。金属のプレートでコストダウンを図り、本体の形状はリヤタイヤとのクリアランスを大きく確保すべく考慮されている。最大で32mmの太さのタイヤを付けても接触しないという。先に紹介したエクストリームコンパクトギヤを使用するバイクでは、太めのタイヤをはくことが想定されるので、フロントディレーラーもそれに対応した設計というわけだ。
リヤディレーラーは、プーリーケージがアルミ素材に変更されているのが上位グレードとの大きな違い。形状などの差はないという。プーリーケージはホイール側のプレートが薄くなっており、スポークと安全なクリアランスを確保できるように考慮されている。カンパニョーロの最新リヤディレーラーの特長として「3Dエンブレイステクノロジー」というのがある。リヤディレーラーとスプロケットの歯先と距離が常に一定になるような軌跡を描くように設計されているので、どのギヤに変速しても変速スピードに差がない。
またトップギヤに移行するにつれて、プーリーケージも前方に動いていく。これによりチェーンがかかる歯の数が多いのでパワー伝達効率が向上する。そのチェーンもコーラスグレードの12速チェーンが登場。スーパーレコードに比べて約20g(114リンクで比較)ほどの重量増だ。
■フロントディレーラー(直付け)
価格:1万3000円(税抜)、重量:94g
■リヤディレーラー
価格:2万3000円(税抜)、重量:240g
■チェーン
価格:5900円(税抜)、重量:241g
スプロケットは11~34Tのワイドレシオをラインナップ
スプロケットの歯数構成はスーパーレコード、レコードで用意されている11~29T、11~32Tに加えて、コーラスでは11~34Tが加わった。フロントのエクストリームコンパクトと組み合わせると最も軽いギヤでフロント32T×34Tを実現できる。なおリヤディレーラーはすべてのスプロケットを1モデルでカバーしている。
対応するフリーボディーは、現行11速のものと互換性があるのも上位グレードと同じだ。トップ側7速は1T違いの歯数構成となっている。
■カセットスプロケット
価格:2万6500円(税抜)、重量:306g(11~29T)
リムブレーキはコーラスグレードあり。ディスクブレーキは上位と共通
ブレーキは時流に合わせてリムブレーキとディスクブレーキが用意される。
リムブレーキキャリパーはノーマルとダイレクトマウントの2種類。ブラックの精悍な見た目をもち、タイヤ幅は28CまでOK。リム幅もC17、C19の太幅リムに対応。ダイレクトマウントタイプには、固定ボルトをつなぐようにスタビライザーが備わり、確実な制動力を発揮できる。
ディスクブレーキはスーパーレコードなど上位グレードのディスクブレーキと共通。ブレーキローターもそうだ。非常に音鳴りが少なく、ブレーキレバー操作にリニアに反応する制動力がコーラスグレードにももたらされる。
■リムブレーキ
ノーマル価格:1万3000円(税抜)、重量:330g(前後セット)
■ディスクブレーキローター(ブレーキキャリパーはエルゴパワーとセット)
価格:6400円(税抜)、重量:99g(140mm径)
コーラス価格
■リムブレーキ
価格:17万2400円(税抜)、重量:2333g
■ディスクブレーキ
価格:24万4700円(税抜)、重量:2631g