新城幸也(バーレーン・マクラーレン)第103回ジロ・ディ・イタリア休息日(10/19)ZOOMインタビュー
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「だって初めてですよ、もし表彰台に上るとしたら!」 〜グランツールを13回走っていますけど、表彰台に上ったチームメイトをアシストしたことはないんです〜
開催中のジロ・デ・イタリアに参戦中の新城幸也(バーレーン・マクラーレン)。いよいよ最終週を前にした休息日に、合同インタビューが行われた。
新型コロナウイルスの影響
第1回目の休息日にPCR検査の結果、2チームが帰って、その3日後にもう一回テストして、その結果はチームには伝えられたけれど、全体の結果は発表されていません。昨日、レースが終わってからホテルでまた全員が検査をしました。今日中に結果がでます。 1週目の休息日から今日までの間に、陽性はでていません。なので、なんとも言えない状況です。ミッチェルトン(・スコット)は自分たちで検査を毎日やっていたらしく、どうしても2人目が出ちゃったので帰ったそうです。 他のチームは雨のゴールの日にみんなやりましたけど、結果はうちのチームは全員ネガティブでした。だから今のところ、途中で終わる可能性はないですね。第20ステージのコース変更の話があるだけです。
表彰台に向けたアシスト
2014年のジロで、ピエール・ローラン(ヨーロッパカー)が総合4位に入っています。それは第19ステージで彼が個人タイムトライアルを頑張って、最終的に4位でした。あのときは何のストレスもなく走りました。 今回は、(チームメイトの)ペイヨ・ビルバオが総合3位にいる時間が長いじゃないですか、第3ステージのエトナ山の上りの順位がそのまま昨日まで来ていたので。 風が吹けばずっと前にいなきゃいけないし、順番的にも総合首位のクイックステップ、うち、サンウェブ、という並びでした。 放っておいたらそこには入れないんですよ。レースが始まったからといって、パッとそこに行って入れてくれるわけじゃない。逃げが決まって、みんながトイレにいっている間に僕がせっせと位置取りしに行かなきゃいけない。小さいことですけど最初の位置取りが肝心で、最初に位置取っとかないと、次に取りに行くのは大変なんです。
そういう部分の大変さはありますが、ビルバオが総合3位でこれだけいいパフォーマンスをしているので、集団の居心地は悪くないですよ。もちろん、やりがいはあります! だって初めてですよ、もし表彰台に上るとしたら! ジロ、ツール、ヴエルタとグランツールを13回走っていますけど、表彰台に上ったチームメイトをアシストしたことはまだ、ない。ここは頑張りたいですね。
世界選で逃げた本当の理由
世界選手権での逃げは山に強くなったから? う〜ん、それだけの練習はしましたし、でも世界選で逃げた一番の理由は、集団に残っているよりは逃げにチャレンジしたほうが、僕が一番よい成績を出せるであろう。そういう作戦が、逃げに挑戦することでした。 どう考えても、逃げに挑戦して成績を出すということが、一番脚を使うことなんです。集団に残って成績を出すというのももちろん脚を使いますが、逃げて結果を出すのとは違う脚の使い方になります。世界選は、一番苦労する、しかし可能性が残されている作戦を選びました。
東京五輪を意識した体づくり
ヨーロッパで10年以上走っていて、自分の身体はこれ以上(体重を)絞るとパワーが出ない、重すぎると上らない。ちょうどいいくらいの体重があるんです。たとえばビルバオは、ツールよりジロを走っている今の方が1kg重いけれど、パワーは出ると言っています。 コンディションは、天候の影響もあります。暑いか寒いかで違います。もしかしたら僕は、暑いともうちょっと絞れていいのかもしれない。今はちょっと寒いから、痩せていない方がいいのかもしれないです。 そもそも累積標高4000mというレースが増えてきたのは最近じゃないですか。 今までは3000m、3500mいったらいいくらいだったのが、今はグランツールの1日で4000m上らせたりする。世界選は5000mだったし、そういう獲得標高がかさむようなレースは、経験しないとダメです。
今年の世界選で初めて獲得標高4000mを超えるレースを経験したんですよ。そうするとやっぱり脚の反応は違ってきます。今回のジロでさらに2回経験して、この3週目にもまだ上りが3ステージ残っていますけど、自分の脚に4000mの獲得標高というのを覚えさせておけば、オリンピックに対しての準備になる、それはあると思います。
五輪代表の内定待ち
僕はまず内定をもらってから、そこにどうアプローチするかと来年の予定を決めるので、まず今シーズンをあと1週間、ジロを走って、ジロを終わる頃に内定をいただけるかどうかはわからないですが、内定をいただいてから来年のスケジュールを決めます。現時点では何の準備もできないで、ただただ少年がツール・ド・フランスを走りたいと思っているレベルですね(笑)。
いや、もちろん準備はしています。ツール・ド・フランスを走るにはどういうことが必要かとシミュレーションするのと一緒で、オリンピックに出るにはこのくらいのことはやらなきゃいけないなという、自分の頭の中の理想像はあります。 ですが来年、オリンピックが普通に開催できるかさえわからない状況ですし、レースが、シーズンがいつ始まるかも何も決まっていない、(シーズン初戦の)ダウンアンダーがどうなるかわからない。まずそこですね。 すべては決まったときにいろいろ明確になってくるはずです。 今はまだ何とも言えないです。