安全・確実・迅速に路上パンク修理する方法
目次
ロードバイクに乗っていると、どんなに注意していても不運にもパンクしてしまうときがある。いざパンクしたとき、慌ててしまいチューブをだめにしてしまったり、手間取って何十分も時間が掛かってしまう、という人もいるのではいだろうか。そんな人に向けて、最も一般的な携帯ポンプを使ってチューブ交換し、パンク修理する方法をプロに教えてもらった。
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STEP1 安全に作業できる場所を確保
今回レクチャーしてくれるのは「プロが教える!失敗しないタイヤ&チューブ交換のコツ」の記事に引き続き、東京サイクルデザイン専門学校講師・SBM講師として活躍する、自転車コーキ屋店長の濱中康輝さんだ。
早速方法について学んでいこう。
「まず最初に、壁やポールなどがあり、人や自転車の往来の少ない近くの場所を見つけ、バイクを立て掛けて停車します。ここを拠点にして、作業を行いましょう」と濱中さん。
「もしこうしたものが何もなければ、写真のようにバイクを倒立させると良いです。倒立させる場合は、サイクルコンピュータやライトなど、ハンドルまわりに装着されているものを傷つけないよう、全て外しておきましょう。また、これを外すことで、ハンドルまわりの突起物がなくなるので、バイクの安定にも貢献します」。
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STEP2 パンクの原因を特定し、チューブを交換する
「次に、パンクの原因を特定し、チューブ交換をします。例えば小さな異物がタイヤに刺さっている場合は、これを取り除かないとチューブを交換してもまたパンクしてしまいます。この原因特定が確実に早く修理するために重要となります」。
その方法は?
「まず、タイヤの外側をチェックします。ホイールを回しつつ、ガラス片・画びょうや小さな針状のもの・とがった小さな石などが刺さっていないかを、一周全て確認します。
タイヤサイド(タイヤの横側)もしっかりと確認しましょう。ここが傷ついている場合もあるからです。ここが傷つく代表例は、段差などを乗り越えるときに強い衝撃が加わることによる”リム打ちパンク”(スネークバイト)です」。
タイヤ外側のチェックが終わったら?
「パンクしたチューブを中から取り出し、今度はタイヤ内部に異物がないかを確認していきます」。
なお、パンクしたチューブを取り出し新品のチューブに交換する方法は「プロが教える!失敗しないタイヤ&チューブ交換のコツ」を復習しよう。そのままこのテクニックが使える。
「タイヤ内部の異物チェックをするお勧めの方法は、サイクリンググローブを外して折り畳み、それでタイヤ内部をなぞるようにして一周させるやり方です。もし何か異物があればグローブが引っかかり、その場所を教えてくれるのです。また、これなら指をけがしてしまう心配もありません」。
「もし引っかかる所があれば目視で確認し、異物があれば取り除きます。何も異物が見つからなければ”リム打ちパンク”の可能性が高いので、とりあえずチューブを交換すればOKです。
と、もう一つ行っておきたいのは、リムテープの確認です。もしかすると、リムテープがよじれたり、裂けたりしてパンクした可能性もあるので、ここも必ず確認しておきましょう」。
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STEP3 携帯ポンプで空気を入れる
パンク原因を特定し、新品チューブと交換してタイヤをはめた。次なる手順は?
「いよいよ携帯ポンプで空気を入れていきます。ポイントとなるのは、
①バルブを0時の位置にしてポンプをまっすぐバルブに差し込む
②片方の手で、ホイール・バルブ・携帯ポンプを抱え込むようにする
③リムとポンプの位置関係を一定に(崩れるとバルブが折れる可能性が)
の3つです」。
「入れるときの体勢は好みで良いですが、入れやすく姿勢が安定するお勧めの方法が2つあります。
1つは、周囲に壁やフェンスなどがある場合、それを活用する方法です。左下の写真のように、それらにホイールを立て掛けて入れるようにすると、姿勢が安定し、効率よく確実に入れることができます。
2つ目は、そうした立て掛けられるものが何もない場合、膝の内側を使った方法です。右下の写真のように、膝の内側にホイールを立て掛けることで、壁やフェンスなどに立て掛けるのと同じくらいの効果が得られ、効率よく入れられます」。
むしろじっくり時間を掛けて空気を入れる!
早く走り出したいので、空気を急いで入れる方法はないのだろうか?
「いえ、むしろ時間を掛けてじっくりと空気を入れることが、早く確実に作業を完了させるための大切なポイントです。
使う携帯ポンプの大きさや性能にもよりますが、例えば700×25Cタイヤを使っていて適正空気圧が6気圧とすると、今回使っているタイプの携帯ポンプなら充填完了するのに5〜6分以上は掛かるでしょう。そのくらいの時間を掛けるつもりで挑むことが肝心です。
この時間を惜しんで焦って作業をしては本末転倒。バルブを折って”2次災害”を引き起こしてしまったり、空気圧を十分に高めないまま走り出してまたパンク、なんてことにもなりかねません。
周囲の迷惑になるほど広がるのはNG
「最後にもう一つ気をつけてほしいポイントがあります。ついつい気持ちが焦るのは分かりますが、写真のように道路に大きく広がって作業を展開してしまうのはNGです。
道路を通行する車・自転車・歩行者にとって危険であるのは当然だし、自分自身も危険です。道路状況にもよりますが、できるだけ路肩に寄り、作業スペースをコンパクトにすることが大切です」。
ここまでを動画でチェック!
「ここまでできたら、あとはホイールをバイクにはめ、しっかりと固定したら再スタートです!」
もし今度パンクしてしまったら、この記事を参考にしながら対処してみてほしい。
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