よく分からない人必見! チューブレスレディの基礎知識
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ロードバイク用ホイールの多くがチューブレスレディに対応するようになり、チューブレスレディタイヤも多く発売されるようになってきた。しかし、「チューブレスレディってそもそも何? チューブレスと何が違うの?」と、いまいちよく分からない人も多いのではないだろうか。そこで、今回はチューブレスレディについて、基本的な知識をプロメカニックに聞き、まとめてみた。
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チューブ不要だがシーラントが必要
今回レクチャーしてくれるのは「安全・確実・迅速に路上パンク修理する方法」の記事に引き続き、東京サイクルデザイン専門学校講師・SBM講師として活躍する、自転車コーキ屋店長の濱中康輝さんだ。
「チューブレスレディとは、チューブを使わない代わりにシーラントという専用の液体を入れるタイヤの仕組みです。
ややこしいですが、チューブレスの方は同じくチューブが不要ですが、シーラントも不要なタイプです。これが両者の違いとなります。
チューブレスタイヤはタイヤ自体に空気の保持層があります。一方で、チューブレスレディタイヤには空気の保持層がなく、シーラントによって空気を保持します」と濱中さん。
分かりやすくまとめると、下の図のようになる。
メリットは?
チューブレスレディのメリットとはどんなところにあるのだろうか?
「中にチューブを入れるクリンチャー(チューブドとも呼ばれる)に比べて、走行性能が良いと言われています。具体的に言うと、中にチューブを入れる必要がないのでその分転がり抵抗が減ったり、また乗り心地が向上します。空気圧を低くすることができるという特徴もあり、それも乗り心地向上に貢献します。
もう一つはパンクに強く、空気が一気に抜けるリスクが少ないことです。シーラントが入っているので、クリンチャー(チューブド)だとすぐ抜けてしまうような穴があいてもある程度塞いでくれ、ゆっくりと空気が抜けるので、転倒の危険性を下げてくれます。ごく小さな穴なら、完全に塞いでしまうこともあります。チューブがないので、リム打ちパンクしないことも大きなメリットですね」。
ホイールまわりで注意すること
対応するホイールを選ぶときの注意点は?
「チューブレスレディ対応のホイールは、スポーク穴がふさがっていないタイプの場合はチューブレステープという専用テープを貼る必要があります。最初からスポーク穴が空いていないタイプは貼る必要はありません。
穴が空いているものは、最初からチューブレステープが貼ってあるものもあれば貼っていないものもあります。貼っていないものの場合は貼る必要がありますが、しっかりと貼らないと空気漏れにつながるので、ここはプロに任せた方がいいです。
タイヤメーカーによっては、チューブレステープの銘柄を指定するものがあるので、その場合はその指定するものを使うようにしましょう。特になければ、好みで選んでOKです」。
「なお、シーラントが不要のチューブレスについては、”スポーク穴が塞がっているタイプにしか使えない”としているタイヤメーカーもあります(そのため、穴が塞がっているタイプを”チューブレスホイール”と呼ぶことがある)。このあたりについては、買ったお店でよく互換性を確認してもらいましょう」。
他にホイールまわりで注意することは?
「チューブレスバルブという、専用のバルブを使う必要があることです。空気がバルブ口まわりから抜けないような構造になっています」。
「だいたいはホイールに最初から指定品が付属してきます。付属してこない&指定品がない場合は、市販品から選んで使いましょう。
リムの形状によって、バルブのゴムが合う・合わないという問題があるので、やはりここはプロに任せて選んでもらうといいと思います。ざっくり言うと、ゴムが円錐型のものと俵型のものがあり、円錐型はリムが平面に近いタイプに、俵型はリムの角度がきついタイプに向いています。」
シーラントの選び方&交換目安は?
シーラントにもいろいろ種類があるようだが、どう選んだらいいのか?
「基本的にはどのタイヤにどのシーラントを使っても問題ありません。ですが、タイヤメーカー側で使うシーラントを指定していることがあるので、そのとおりのものを使うのが無難です。そうした指定がなければ、好みで選びましょう。
シーラントにはラッテクス系と非ラテックス系の2種類があります。ラテックス系は固まるのが早く、注入してからの即効性が高いです。非ラテックス系は液体状態が長く続くという特徴があります」。
シーラントの交換の目安は?
「1シーズンで2〜3回です。時間にすると4か月〜5か月に1回ですね。あまり時間がたってしまうと、空気の保持力がなくなってしまったり、固まりすぎて効果を発揮しなくなってきます。
また、1〜2週間くらいバイクに乗らないときは、ホイールを半回転くらい回してあげて、シーラントが一箇所に固まらないようにした方がいいですね」。
パンクしたらどうするの?
もし、走行中にパンクして空気が抜けたらどうすればいいのか?
「クリンチャー(チューブド)と同じで、チューブを入れればOKです!」
とてもシンプルだ。皆さんクリンチャー(チューブド)タイヤには慣れ親しんでいるだろうから、分かりやすくていい。懸念点は、パンク処理するときにシーラントで手が汚れてしまうことか。極薄型のゴム手袋を携行していくといいかもしれない。
タイヤのはめ方・外し方は?
さて、肝心の使い方、つまりタイヤのはめ方・外し方についてだ。こちらは文章よりも動画を見てもらった方が分かりやすいだろう。下の動画をぜひチェックしてみてほしい。
最初にチューブレスレディ全般についておさらいしているので、すぐにはめ方・外し方を知りたい人は2:15〜視聴しよう。