ロードバイクのサドルとハンドルをまっすぐセットする方法
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サドル高さ・ハンドル高さを調整するくらいは自分で行う人は多いだろう。しかし、そのたびに微妙に中心位置がずれてしまうことはないだろうか。意外とサドルとハンドルをまっすぐセットするのは難しいのだ。そこで、今回はその方法についてプロメカニックに教えてもらう。
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特別な道具は使わなくていい
今回教えてもらうのは、専門学校の講師などとして活躍する自転車コーキ屋店長の濱中康輝さんだ。
「エアロシートポストが増えてきていて、サドルの中心を出す必要のないバイクもありますが、やはりまだまだ丸形のシートポストが主流です。ハンドル・ステムも一体型ハンドルで最初から中心が出るものもありますが、やはりノーマルなものがまだまだ多い。ということで、今回はそれらのノーマルタイプを前提としてお話します」と濱中さん。
プロメカニックは、何か特別な工具などを使っているのか?
「そう思われがちですが、我々はそういったものを使わず、目視のみで行います。コツさえつかめれば誰でもできると思います。なお、アーレンキーなどを目印代わりに使う人もいますが、意外とそうした方法だとずれる場合があるので注意が必要なんですよ」。
PART1:サドルをまっすぐセットする方法
では、一般のサイクリストがいじることが最も多いだろう、サドルのセッティング方法から教えてもらう。
POINT① 真後ろから見る
「まず大前提となるポイントとして、真後ろからサドルを見ることが大事です。サドル高さの調整をして、そのままバイクの横や前側から見る人がいますが、それだと中心を見きわめにくくなってしまいます」。
POINT② 左右均等から見る〜コツはダウンチューブが隠れる位置
「しっかり真後ろからサドルを見るポジションにしたとして、続いてのポイントは左右均等から見ることです。上の写真のように、ダウンチューブが完全にトップチューブと重なって隠れていれば、左右均等に見れている証拠です」。
「逆に、上の写真のようにダウンチューブが左か右側から見えている状態だと、左右均等にサドルを見れていない状態です。こうなると、やはりサドルがまっすぐになっているか見きわめられません」。
POINT③ トップチューブ全体とサドル前側のシルエット全体で判断
「最後に、トップチューブ全体とサドル前側のシルエット全体を見て、それぞれがまっすぐにそろっているかで判断します。トップチューブのどこか一点を見つめたりすると、実はずれやすいのです。
で、このときにアーレンキーを当てて確認する人がいます。決してだめではないのですが、これで判断するとずれやすいので注意が必要です」。
「サドルは、種類によっては溝が入っていたり穴が空いていたりします。これでアーレンキーをまっすぐ当てることができず、ずれる場合があります。ですので、この方法ではなく、トップチューブ全体/サドル前側のシルエット全体を目視して確認するのが確実なのです」。
PART2:ハンドルをまっすぐセットする方法
続いて、ハンドルについてだ。
「ハンドルをまっすぐセットする、ということは、つまりステムをホイールに対してまっすぐセットするということですよね。なので、ステムとホイールが一直線になっているかを見て判断する人が多いと思います。
これは決して間違いではないのですが、1°や2°の微妙なずれに気づきにくいんです」。
POINT① ハンドル上部とフォーク先端部分で確認する
「見るべきポイントは、ハンドルの上部となるステムクランプ部付近と、フォーク先端部分です。ハンドルはステムに対して90°の状態で固定されているので、ここを基準にするとずれないのです」。
POINT② 目線を少しずつずらして確認する
「ハンドルを真上から見て、ハンドルの下側でも上側でもどちらでも見やすい方で良いのですが、フォーク先端とハンドル上部が少し離れた位置になるように視線をずらします。
そのあとで、フォーク先端部分とハンドル上部が近づいて行くように、視線を少しずつずらしていきます。最後に、左右のフォーク先端部分がハンドル上部に両方同時に重なって見えなくなったら、ハンドルはまっすぐにセットされている、ということになります。
このとき、左右のどちらかが先に見えなくなったなら、ハンドルはまっすぐになっていない、といことになりますので、再度調整しましょう」。
ステムの締め方には注意を
最後に濱中さんから一つ注意してほしいことがあるという。
「ハンドル高さの調整をした場合は、ステムをガタのないように確実に締め付けるようにご注意を! 最悪の場合、重大な事故につながります。ステムが正しく締まっておらず、ガタが出ている人は多く見受けられます」。
ステムを正しく締め付ける方法については、次回の記事にて紹介する。お楽しみに。