マウンテンバイク コーナリングの基本【MTBはじめよう!Vol.6】
目次
マウンテンバイク(MTB)の基本が学べるシリーズの6回目。今回はコーナリングの基本となる技術について紹介しよう。
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大切なのは外足荷重&バイクを内側に倒すこと
今回もシリーズ通しての講師である、板垣奏男さんに教えてもらう。
「コーナリングは“怖くて曲がれない”と、初心者が最初に当たる壁だと思います。
コーナーと一口に言っても、曲がりやすいように傾斜がつけられた“バーム”と呼ばれるものがあったりなかったりと、状況に応じてちょっとコツが違ってきます。
しかし、全てに共通する基本動作があって、まずは前回教えたニュートラルポジションとレディポジションがしっかりとできていること、そして“外足荷重にしてバイクを内側に倒す”ことです。これができると、いろいろなコーナーを曲れるようになる第一歩が踏み出せます」と板垣さん。
基本① ボディセパレーション
「まず覚えてほしいのが、ボディセパレーションという技術です。これは、バイクを内側に倒しつつも、体はバイクと一緒に倒れずに中心に位置し続ける、という技術です」。
「練習のしかたについて説明します。練習場所ですが、自転車が乗り入れ禁止でない、交通量のない&まわりに人がいない安全な場所を選んでください。平地で構いません。
最初にある程度助走をつけ、①ニュートラルポジション→②レディポジションを取ります。③そのあと、まずは自分の得意な方の足でいいので、まっすぐ下に下げます。
④次に、下げた足でペダルにしっかりと荷重しつつ(これが外足荷重)、その反対側にバイクを倒します。かつ、体はバイクと一緒には傾かず、中心を保ち続けるようにします。
このときバイクが倒れている側の足はペダルから離れても体が不安定にならないくらいに、下げている方のペダルにしっかりと荷重してください。そして、バイクは傾いていても、進行方向は曲がったりせず、まっすぐに進んでいくようにします。
これを交互の足でできるようになるまで練習してください」。
「よくある悪い例として、バイクを傾けている側のペダルに荷重が残っている、ということがあります。これは外足荷重がしっかりとできていないことが原因です」。
基本② 曲がりたい方向を見る
「ボディセパレーション動作ができるようになったら、次は実際に曲がる動きの練習です。ポイントは、曲がりたい方向を見る、ということです。ボディセパレーションをしつつ、曲がりたい方向を見るだけで、自然とバイクは曲がっていってくれるのです」。
「練習方法について説明します。場所はボディセパレーションと同じ環境でOKです。
①まずはボディセパレーションの動作をします。次に、得意な方向からでいいので、曲がりたい方向(当然だがバイクを内側に倒している方向となる)に視線を向けます。
②このとき、先ほど視線を向けるだけでいいと説明しましたが、実は両肩と両側の骨盤も同じ方向に向けると良いです。注意してほしいのは、左右どちらかの肩・骨盤だけ向けて体がねじれないようにすることです。左右の肩・骨盤がそれぞれ平行になった状態で曲がりたい方向に向けることがコツです。
よくある悪い例は、先ほど説明したように両肩・両骨盤が曲がりたい方向と違う方向を向いてねじれてしまっていて、しかもたいていその場合は体がバイクを倒す方向に一緒に倒れてしまっている状態です」。
「また、ハンドルを回して曲がろうとするのも間違いです。ここまで説明してきたように、外足荷重でボディセパレーションの状態をしっかり作り、視線と両肩・両骨盤を曲がりたい方向に向ければバイクは自然と曲がってくれます。
あとは、左右どちらでもできるように練習してください」。
コーナリングの基本練習はやり方と場所に注意!
「最後に、コーナリング練習のやり方と場所について注意点をお伝えします。
左右どちら側にも曲がれるように練習しよう、と説明しましたが、左右にぐねぐねと連続して曲がる、いわゆるスラロームをいきなりやるのはやめましょう。左に曲がる練習は左に曲がる練習として、右に曲がる練習は右に曲がる練習として行ってください。まずはそれぞれの動作を確実にできるようになることが大切です。それができるようになってから、左右連続して曲がる動きの練習をすると良いです」。
「もう一つの練習場所について。MTBの醍醐味の一つでもありますから、どうしてもいきなりバームでコーナリングの練習をしてしまいがちです。しかし、バームを曲がる、“バームに乗る”と表現しますが、それはまた別の技術が加わってきます。ですので、まずはここまで説明したコーナリングの基本動作がしっかりとできるようになるまで、平地で練習することをおすすめします」。
バームにおけるコーナリングの方法については、後々記事で取り上げる予定だ。お楽しみに。