チャプター2・ココ–アサノ試乗します!その41
目次
浅野真則:仕事でもプライベートでも自転車漬けの自転車ライター。ロードレースやヒルクライムなど幅広くレースを楽しみ、最近はTTに精力的に取り組んでいる。JBCFエリートツアーにも参戦中。海外のグランフォンドへの参加経験もある。ロングライドやポタリングも好き
ココはエアロロードであるレレの後継モデル。空力性能に磨きがかかったのはもちろん、快適性が大幅に進化し、軽量化が図られ、全方位的に進化している。飛ぶように軽く走り、快適性も高いオールラウンドエアロロードとなっている。
フレームは前三角部分にサイズ別の金型を用い、ラテックスの芯材を使ってカーボンや樹脂の使用量を慎重にコントロールすることで剛性を最適化。上下1.5インチのベアリングを採用するヘッドチューブとBBは東レのハイモジュラスカーボンで成型。これらを組み合わせてフレームの前三角のねじり剛性を高めた。
快適性向上の工夫はシートクランプにある。斜臼とエラストマーを組み合わせたデュアルシートクランプは、斜臼を下側に付けるとシートポストのたわみ量が8.5%増加し、衝撃吸収性が高まる仕組みだ。
空力面ではマナハンドルバーを組み合わせることでコックピットまわりのケーブルを完全内装化。ダウンチューブやシートチューブの断面をカムテール形状とし、フロントフォークとフレームをシームレスなデザインでつなぐなど、レレから正常進化を遂げている。
ココをインプレッション-シッティング時の快適性は特筆もの
このバイクのトピックの一つである快適性は、特にサドルまわりに関しては相当のレベルだ。デュアルシートクランプは、斜臼を下側にして取り付けると、停車状態で上からサドルを力強く押してもシートポストがしなるのが分かるほど。これが乗車中に荒れた路面で振動や大きな突き上げを緩和するのに役立っていて、シッティングで荒れた路面を走っても実に快適だ。しかもハードにペダリングしたぐらいではシートポストがしなるようなことはない。実にいい仕事をしている。
一方、コックピットまわりはレーシングバイクらしい硬さを感じる。下りやコーナーでヘッドまわりがよじれるのを防ぎ、切れ味鋭いハンドリングを堪能できる。もちろんスプリント時に強くハンドルを引くような動作をしても安心感がある。一方、サドルまわりと比べると、若干振動や突き上げを感じやすい。
エアロロードらしく平地の高速巡航ではパワーをセーブでき、向かい風も切り裂くように走れる。重量も軽いので、レースでなければヒルクライムも守備範囲だ。ワイドリムのチューブレスホイールと太めのタイヤを組み合わせれば、エアロと快適性というこのバイクの特徴を最大限に生かせ、レースからロングライドまで幅広くカバーできるだろう。
ココ-スペック-
フレームセット価格:41万5580円〜
素材:カーボン
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL