【速報】令和初の105はDi2&12S化でよりフレンドリーに 105 Di2発表!

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シマノ・ロードバイクコンポーネントのサードグレードである「105」が、令和初のモデルチェンジでついに最新のデュラエースやアルテグラと同様にワイヤレスDi2と12Sを獲得! モデルナンバーは現行から100番進んだR7100系となり、掲げられたキーワードは「IT’S A NEW DAY(新しい1日)」。まずは発表された内容を速報でお届けしよう。

 

インナー×ローで1:1以下のギヤ比も可能に!

前回のモデルチェンジからおよそ4年。最高レベルのパフォーマンスを適切な価格で提供してきたシマノ・105がいよいよ刷新され、待望の電動式変速システムのDi2を獲得した。最上位コンポのデュラエースがこれを採用したのは2009年のことで、瞬く間にレースシーンで普及したことから、どうしてもDi2=シリアスレーサー向けというイメージが強い。しかしDi2自体の歴史を遡ると、そのデビューは2001年、初心者向けコンフォートバイク用コンポのネクサーブであり、幅広いユーザーに使われることを想定した105がこれを採用するのは不思議ではなく、むしろ遅きに失した感すらあるだろう。

さて、新型105が採用するのは、最新のデュラエースやアルテグラと同じワイヤレスタイプのDi2で、シートチューブもしくはフレームに内蔵されたバッテリーと前後ディレーラーが有線にて接続されるのも同様だ。コストを下げるため、STIレバーについては有線オプションやサテライトシフター、フードボタンを省略しているが、Eチューブプロジェクトのカスタムによりシンクロおよびセミシンクロシフトが選べるのは上位モデル譲りだ。

このシンクロおよびセミシンクロシフトは、前後のギヤを最適な組み合わせに自動的に変速する機能で、これはビギナーほど助けられるシーンは多いだろう。また、ガーミンやワフーなど、ほとんどの他社製サイコンとペアリングが可能であり、ギヤやバッテリーの状態をモニタリングできるのもうれしい機能だ。

さらにエントリーユーザーにとって魅力的なのは、スプロケットの12速化とその歯数構成だ。11-34T、11-36Tという2種類が用意されており、クランクセット(50-34T、52-36T)との組み合わせ次第ではインナー×ローで1:1以下というギヤ比を実現。これにより急勾配の上り坂にも対応できるほか、12速化によって適切なギヤが選びやすくなったこともうれしい要素だ。

ディスクブレーキシステムについては、ノイズを減らすためにパッドのクリアランスを10%広げたり、ブリーディング作業を容易にするなど、キャリパーを刷新。そのうえでコントロール性を重視した設計となっている。

なお、気になる価格と参考重量について。コンポの合計金額は、アルテグラR8100シリーズの25万7851円に対し、5万1592円安い20万6259円に設定。参考重量はアルテの2574g(クランクセット50-34T/170mm、スプロケット11-30Tの場合)に対して2888gとなっており、これは価格差を考慮すると納得の範疇だろう。

上位コンポのDNAを色濃く受け継いだ新型105は、ワイヤレスDi2&12速化によって変速に関するストレスを大幅に軽減することは間違いない。デリバリー開始は8月に予定されており、これをインストールした各メーカーの完成車の発表も間近だろう。

 

デュアルコントロールレバー

ワイヤレスDi2&油圧式のSTIレバーは、上位モデルのエルゴノミクスな形状を踏襲しつつ、コストを抑えるために有線オプションやサテライトシフター、フードボタンを省略。その一方でボタン電池(CR1632)の数を片側1枚から2枚へと増やし、バッテリー寿命をデュラエースやアルテグラの公称1.5~2年から3年以上へと大幅にアップ。また、ブレーキシステムについては、サーボウェーブアクションこそ採用していないが、それに近い構造にはなっているという。

ST-R7170の価格とスペック

価格/6万500円
重量/423g

 

 

リヤディレーラー

ワイヤレスDi2化されたリアディレーラー。バッテリーインジケーターや充電ポートなどが設けられているのは上位コンポと同様で、さらに105はロースプロケットのキャパシティが36Tと大きいのが特徴だ。

RD-R7150の価格とスペック

価格/3万3000円
重量/302g

 

 

フロントディレーラー

先代のデュラエース(R9150)やアルテグラ(R8050)とほぼ同サイズを達成したフロントディレーラー。シマノ・シンクロナイズド・シフトにも対応する。

FD-R7150の価格とスペック

価格/1万7820円
トップギヤキャパシティ/50〜52T
重量/142g

 

クランクセット

コンポの顔であるクランクは、デュラエースやアルテグラの流れを汲んだスタイリングに。ギヤレシオは50-34T、52-36Tの2種類で、現行モデルと同様にクランク長が160mmから用意されているのは小柄なライダーにとって朗報だろう。

FC-R7100の価格とスペック

価格/2万1010円
アーム長/160、165、170、172.5、175mm
ギヤレシオ/50ー34T、52ー36T
Qファクター/148mm
重量/754g

 

 

ディスクブレーキキャリパー

シマノ105・ディスクブレーキキャリパー

パッドのクリアランスを10%広げることで不快な音鳴りを軽減した新型のディスクブレーキキャリパー。ブリーディングがアーレンキーでボスを開閉する方式となり、メンテナンス性が向上している点にも注目。

BR-R7170の価格とスペック

価格/1万6830円(前後ペア)
重量/282g(前後ペア)

 

 

スプロケット

12S化されたスプロケットは11-34Tと11-36Tの2種類をラインナップ。前者の歯数構成はデュラエースやアルテグラと共通だ。11Sフリーハブのホイールでも使用可能

CS-R7100・CS-HG710-12の価格とスペック

価格/7700円(CS-R7100)
ギヤレシオ/CS-R7100:11ー34T(11、12、13、14、15、17、19、21、24、27、30、34)、CS-HG710-12:11ー36T(11、12、13、14、15、17、19,21、24,28、32、36)
重量/361g

 

コストパフォーマンスに優れたカーボンホイールが新登場

新型105と同じタイミングで発表されたカーボンホイールを紹介しよう。開発コンセプトはデュラエースおよびアルテグラと共通であり、そのうえでバランスの取れた性能を手頃な価格帯で実現しているのが特徴だ。リムハイトは32mmと46mmの2種類で、前者はクライミング用、後者はオールラウンド向けという位置付けだ。両者ともリム内幅は21mmで、チューブレス仕様。スポークはJベンドだ。

チューブレス(レディ含む)タイヤは硬くてはめにくいというのが定説だが、このカーボンホイールははめやすさにも注力したという。参考重量はC32が1502g、C46が1610gとなっており、12万円台という価格を考慮すると非常に魅力的なのは間違いない。

 

コストパフォーマンスに優れたチューブレス仕様のカーボンホイール2種類が新登場。こちらはリムハイト32mmのクライミングモデルで、フロント665g/リア839g=前後ペア1504gは、アルテグラC36の1488g(フロント657g/リア831g)に迫る軽さだ。

WH-RS710-C32の価格とスペック

価格/F:6万720、R:6万3250円  素材/カーボン リム高/32mm リム内幅/21mm 対応スプロケット/11速、12速
重量/1504g(前後ペア)
         

 

こちらはリムハイト46mmのオールラウンドモデル。フロント719g/リア893g=前後ペア1612gを公称。こちらもアルテグラC50の1570g(フロント698g/リア872g)が視野に入るほどの軽さであり、コストパフォーマンスは非常に高い。

WH-RS710-C46の価格とスペック

価格/F:6万720、R:6万3250円  素材/カーボン リム高/46mm リム内幅/21mm 対応スプロケット/11速、12速
重量/1612g(前後ペア)

 

編集長ナカジによるファーストインプレッション!

ついに105もDi2化である。先頃発表された新型デュラエースとアルテグラのを比較したときはその差が小さいことにデュラエースオーナーとして複雑な気持ちになった。3番目のグレードはどうか。限られた時間での試乗から第一印象をお届けする。

デュラエースとアルテグラの差と、アルテグラと105の差をくらべると、後者のほうが確実に大きい。ちょっと意地悪に踏み込みながらフロントを変速すると、フロントディレーラーは変速完了までに、体感でクランク1/5回転分、時間がかかる。リヤは変速時のショックが少し大きいし、トップ側への変速スピード差は顕著だ。しかるべきグレード間の差がある。

と、悪いところから書き始めたが、105 Di2登場の意義は大きい。ロードバイク用の初代Di2が登場した当時は、デュラエースにしか設定がなかったが、この105の登場で、変速機がモーターで動く感動をより多くのサイクリストが手にすることができるというのは素直に歓迎すべきことだ。自分がDi2を初めて触ったときのことを思い返せば、それはまるで、愛車の性能が倍になったような感じだった!

ルックスは、よくよく見ると上位グレードよりも軽量化などの加工が省かれていることがみてとれるが、だからといって重苦しい感じはない。

ロードバイクにディスクブレーキが搭載され、デュアルコントロールレバーに油圧ピストンが内蔵されたことで、ハンドル周りの重量増は、バイクの操作性に影響を与えた。

Di2になれば、そこでの軽快感を得られるのは確実で、アルテグラDi2までの予算を用意しなくても(とはいえ11速機械式アルテグラくらいの価格ではあるのだが)ハンドル周りを軽量化できるのはメリットだ。また、機械式に比べて小振りのブラケットを使えることにメリットを感じる人もいるだろう。

これまでの105のポジションと比べたとき、この新作が”105なのか”と問われれば、性能や価格を含めて「?」がないわけではない。例えば名前を「アルテグラS」のように、アルテグラの弟分というような、扱いでも良かったようにも思う。はたまた105が出世するのか。

そしてふと、機械式105のことが頭をよぎる……。それは続報を待ちたい。