ロードバイクの消耗パーツとその交換時期の目安とは【後編】
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さまざまなパーツから構成されるロードバイクだが、各パーツの交換時期の目安とは? 前編では交換頻度の高い重要パーツについて説明したが、 後編ではそれ以外の高耐久だがやはりいつか寿命がくるパーツについて扱おう。
前編の記事に引き続き、プロメカニックの濱中康輝さんにレクチャーしてもらう。
フレーム&フォーク
「大きな視点でとらえると、ロードバイクは実は全部が消耗部品だ、と前編で説明しました。ここからは前編で紹介したパーツより交換頻度は高くありませんが、知っておきたいその他のパーツの耐久性について紹介していきます。
まず、ロードバイク本体に当たるフレーム&フォークです。
製品にもよりますが、最も劣化が早いのがカーボン素材のものです。例えばレーシング系のカーボンフレームだと2年〜3年でガンガン使っていると“性能的においしい”期間は終わってしまいます。もちろん、それで壊れて乗れなくなるわけではなく、使用状況と製品にもよりますが数年/数万kmは使い続けられます。
なお、極限まで劣化が進んでくると、だんだんと“パキパキ” “ピキピキ”といった原因不明な異音が鳴り始めることが多いです。その場合、どこかに微細なカーボン素材の剥離が入っている可能性があります。そうなったらそのフレーム&フォークは寿命です。
クロモリフレーム&フォークの場合は、カーボンと同様に使っていると数年で性能はある程度落ちるのですが、“そのある程度で踏みとどまってくれて”そこから性能が落ちにくくなります。大切に使っていればそこから10年20年と乗り続けられます。が、やはり永遠には乗り続けられず、いつか寿命がきます」。
ホイール
「高いパーツなので信じたくはないと思いますが、ホイールも立派な消耗品です。近年はディスクブレーキ化によってだいぶホイールの寿命は伸びてきましたが、それでも劣化は進みます。
ホイールの劣化が進むと、振れが出やすくなったり、スポークが突然折れてしまったりします。そうしたときに新品に買い換えるのか、部品を補修して使い続けるのかの選択となります。
走行距離にすると、これも一概には言えませんが数万kmは持つと考えて良いです。が、逆に言うと数万kmで終わってしまうんだなぁ、ともとらえられます。
こまめに振れを取ってもらう、スポークのテンションを調整してもらう、ハブのオーバーホールをしてもらうなどして大切にしていれば、もちろん寿命は伸びます」。
「リムブレーキの場合は寿命が明確でして、リムのブレーキ面が削れてきたら交換、です。リムブレーキはホイール側面を直接挟んでブレーキをかけているからです」。
サドル
「これも意外に思う人が多いでしょう。サドルも実は消耗品で、一概には言えませんが数年レベルでだめになります。
どうなるかというと、座っている部分がだんだんヘタってきて、変形したりパッドが凹んでいってしまいます。そうなったら座り心地が変わってくるので交換です。
せっかく見つけた自分に合うサドルがずっとラインナップされ続けるとは限りませんので、中には同じものを複数個買ってストックする人もいます」。
ハンドル・ステム・シートポスト
「最も長持ちするパーツと言えるかもしれません。一般の方が使うぶんには、劣化してだめになることはそうそうないと考えていいです。交換するとしたら、ポジションを変更するときですね。ですから、ポジションが変わったときが交換時期、と考えてもいいかもしれません。
ただし、カーボンハンドルだけは注意です。カーボンフレームと同じく劣化が早いので、ある程度の時期で交換した方がいいです。急に折れてしまう、ということは起こりにくいのでその点は心配しなくてもいいのですが、小さなヒビが入ってきたりするので、そうなったら見逃さずすぐ交換しましょう」。
コンポーネント
「カセットスプロケット、ギヤまわり、チェーンの話が出ましたが、変速&ブレーキレバー、リヤディレーラー、フロントディレーラー、クランク本体、ブレーキキャリパーなど、どんなに高くて効果なコンポーネントでも、やはり劣化します。ただ、これらもかなり高耐久なパーツでして、どちらかというとカーボンフレームの方が先にだめになるでしょう。
特にディレーラーと変速&ブレーキレバーは劣化してくると変速感が落ちてきたり、ブレーキレバーの戻りが悪くなってきたりします。
ただ、高耐久なパーツなので、どんどん交換するということは考えなくていいです。それよりもチェーンやスプロケット、ケーブル類などの消耗が早い部分をしっかりと交換していくことが大切です」。
動画もチェック
※前編の記事で紹介した内容も含みます。