“イナイチ”を満喫しよう!おすすめサイクリングガイド

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イナイチ2022_10

福島県の中心に位置し、磐梯朝日国立公園内にある『猪苗代湖』。
猪苗代湖を反時計回りに一周する通称”イナイチ”は、湖岸道路から風光明媚な磐梯山を仰ぎ、湖面を望みつつ走ることができる見どころたっぷりなコース。
そんなイナイチを郡山出身の風間選手と一緒に走った。

 

猪苗代湖の魅力は自転車でも

東北の南端、福島県のほぼ中央に位置するのが猪苗代湖。夏には湖水浴やマリンスポーツ、釣りをする人、湖畔でキャンプをする人でにぎわうが、サイクリストにとっても楽しい場所であることをご存じだろうか?

郡山市、猪苗代町、会津若松市にまたがる猪苗代湖周辺は、夏でも首都圏に比べれば気温も低く、交通量も少なく走りやすい。また、湖南と湖北では景色や起伏が異なり、一周を飽きることなく楽しめる。

今回、猪苗代湖一周サイクリング、略して『イナイチ』を紹介してくれたのは、シマノレーシング所属の風間翔眞選手。郡山市出身で高校時代には周辺をよく走っていたという。

「猪苗代湖は海のような雰囲気もあって、田園風景とともに景色を楽しみながら、さざ波の音を聞きつつ気分転換に走るのが好きでしたね」

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シマノレーシング・風間翔眞選手:1996年福島県郡山市生まれ。大学卒業からシマノレーシングに所属し、今年で3年目。競輪選手の父を持ち、学生時代には郡山市のサトーサイクルのチームに所属し、猪苗代湖周辺をよく走っていた。

 

 地元の優しさに触れるイナイチ

スタート地点として設定した湖南にある舟津公園で準備をしていると、自転車に興味を示した子どもが近づいてきた。お父さんから話を聞くと、風間選手が学生時代に通っていたサイクルショップに行っているとのこと。思わぬ出会いに感心しつつ別れを告げ、イナイチスタートだ。

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今回のスタート&フィニッシュ地点とした舟津公園は、キャンプ場でもあり、湖水浴も楽しめるスポットだ。近くに食堂もあり。

 

軽快にスタートし、まず向かったのは、サイクルラックも設置されているパン屋『こむぎ』。開店20分後に到着したが、開店前から並んでいた人もいたそうで残り僅か。外のベンチで湖を見ながら手に入れたクリームパンを口に入れると、優しい甘さがいっぱいに広がった。そんな幸せをかみ締めたら次へと進もう。

小さなパン屋さん『こむぎ』
福島県郡山市湖南町浜路字中大沢941
TEL:070-2024-4526
営業時間:10時~売り切れ次第終了
定休日:月曜日~水曜日 ※冬季休業

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国産小麦を使用したこむぎのパンは、ソフトな食感で優しい甘さが口の中に広がる。売り切れ必至の人気店のため、予約がオススメ。

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上戸頭首工 耶麻郡猪苗代町山潟:猪苗代湖から郡山方面へと水を引き入れるための取水口。水位の調整やゴミなどを取り除く役割を果たし、太陽で温められた水をより多く取り入れることを目的として扇型に造られている。

 

湖北までの道のりはほぼ平坦。波の音が聞こえるが、潮のベタつきは感じず快適だ。さらに北上していくと、道の駅猪苗代に到着。ここでは地元の名産品をチェックしよう。風間選手も酪王カフェオレと“ままどおる”を頬張りながら、近づいてきた磐梯山を見て小休憩。

道の駅猪苗代
福島県耶麻郡猪苗代町堅田五百苅1
TEL:0242-36-7676
営業時間:9時~18時

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福島名産で小休憩! 道の駅猪苗代は、猪苗代の農産物、地元の銘菓、お土産品が並ぶ。フードコートで名物も食べられる。甘酒と桃をブレンドした発酵飲料MOKOは、疲労回復にぴったり。

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その後は、猪苗代湖サイクリングロードを走り、野口英世記念館を横目に、今度は湖西へと向かう。昼食はビーチハウスイナワシロのカフェにて。先ほどおやつを食べたばかりの風間選手だったが、「香りが食欲をそそりますね」と、スパイスチキンプレートをぺろりと完食していた。

ビーチハウスイナワシロ
福島県耶麻郡猪苗代町翁沢長浜858
TEL:080-5746-8142
営業時間:9時~日没
定休日:不定休

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マリンスポーツが手ぶらで楽しめるこのお店はカフェも併設。スパイスが食欲をそそるスパイスチキンワンプレートランチがオススメ。

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日本遺産「一本の水路」十六橋水門(会津若松市湊町大字赤井戸ノ口):安積原野へ水を流すために、猪苗代湖の水位を調整する水門。安積開拓・安積疏水開さく事業のシンボル的構造物で、ロードバイクと一緒に写真を撮る人気スポットの一つ。

 

少しコースから外れて、近代化産業遺産に指定される十六橋水門を見に行くと、水辺にはSUPを楽しんでいる人たちがいた。水陸の楽しみがあることを実感しつつ、南下。

一旦湖から離れ、国道294号に入ると、『はら笑楽交(しょうがっこう)』という看板が。気になって入ってみると、廃校となった小学校をイベントスペースやカフェに改装した場所だった。懐かしい雰囲気を楽しみつつ、会津若松市湊町の郷土料理『豆富もち』を頼んだ。風間選手も初めて食べたという豆富もちは、木綿豆腐を崩した優しい塩気のあんに柔らかいもちがよく合う一品。明るいスタッフの皆さんと記念写真を撮って店を後にしたら、フィニッシュまであと少しだ。

はら笑楽交
会津若松市湊町原字新橋118
TEL:090-2849-8885
営業時間:11時~14時
営業日:日曜日(冬季休業)

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カフェの皆さんと! 1999年に閉校となった原小学校を、はら笑楽交としてカフェやイベントスペースへと改装。カフェは冬季以外の毎週日曜のみの営業だが、郷土料理の出汁が香る豆富もちやえごまの餡を絡めたじゅうねん餅は必食。

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湖南側に向かう道中、黒森トンネルまでは上り区間が続く。交通量も他の場所よりは多いので注意したい。その先からは、また湖沿いへと戻ろう。湖面が非常に近くに見える道と、磐梯山も望める鬼沼は絶好のフォトスポット。フィニッシュ間際の湖南港では、猪苗代越しに磐梯山がそびえ立つ姿が見えた。

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鬼沼(郡山市湖南町舟津):弘法大師の伝説が残る猪苗代湖と砂州で隔たれたワンド。フラットな景観が続く猪苗代湖で、他とは違う変化に富んだ景観が楽しめるビュースポット。

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鬼沼の手前の県道376号は、湖面からかなり近い位置を走れる道路。ゴールまであと僅か。景色を存分に楽しもう。

 

無理せず走れる満足度が高い一周ライド

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コースから少し外れても楽しめる。首都圏に住んでいると、広い田んぼの中をひた走る機会は少ないはずだ。遠くには郡山布引高原風力発電所の風車が立ち並ぶ

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もっと上りを走りたいという人は…御霊櫃峠(ごれいびつとうげ)へ!

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風間選手が郡山市内から猪苗代湖へ抜けるのによく上っていたと話すのが御霊櫃峠 (ごれいびつとうげ)。郡山方面から8kmほど上った頂上からは、郡山の街並みと反対側には猪苗代湖の湖面を望める最高の景色が待っている。上り足りないという人はぜひ。

 

学生時代はトレーニングとしてイナイチをしていた風間選手は、改めてイナイチを走ってみて、「久しぶりに走ると、やっぱりいいなと思いますね」と笑顔を浮かべた。

このコースに限らず、もっとハードに走りたい人は磐梯熱海の方へ足を延ばしたり、風間選手がよく練習で使っていた御霊櫃峠に行ってみるのも良いだろう。逆にもっと緩く走りたい人は、エリアを限って走るのもお勧めだ。走りごたえと走りやすさを満たすイナイチにぜひ出掛けてみてはいかがだろうか。

 

猪苗代湖一周サイクリング“イナイチ”コース
距離:約58km
獲得標高:約320m
一周所要時間:約3時間30分

猪苗代湖一周“イナイチ”推奨コース公開中!

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ⓒオゾングラフィックス

 

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