マウンテンバイク用ウェアの特徴と選び方【MTBはじめよう!Vol.11】
目次
マウンテンバイク(MTB)トレイルライド&グラビティライド(下り系の遊び方)の基礎から学べるシリーズの11回目。今回はMTB用ウェアの特徴と選び方について紹介しよう。
動画で見たい人はこちら
一見普通のスウェットに見えるが実はMTBライドに特化している
今回も教えてもらうのは、プロMTBライダーにしてインストラクターの板垣奏男さんだ。
この連載の初回では、ひとまず服装は運動に適していれば何でもいいと教えてもらった。しかし、やはり乗っているうちにちゃんとしたウェアが欲しいと思うところ。
この連載がテーマとしているトレイルライドやグラビティライド用のMTBウェアとは、そもそもどんなものなのか?
「まず伸縮性に優れ、MTBの動きに特化したカッティングになっているのが特徴です。また、通気性と速乾性にも優れているという、サイクリングウェアとしての機能も満たしています。パンツ類には、小さな穴を設けて通気性を確保しているモデルも多くあります」。
「伸縮性・通気性・速乾性に優れる一方で、破れに強いという特徴を持っています。MTBではやはりどんなに気をつけていても転倒してしまうことがあるものです。そんなとき、擦り傷のダメージを軽減してくれる。丈夫な作りになっています」。
「また、ゆったりとしたフィット感になっていて、特に肘と膝のあたりに余裕を持たせていることに気づかれるはずです。これは、プロテクターをウェアの内側に装着することを想定しているからです。
特にグラビティライドではプロテクターの着用は重要です。プロテクターの種類や選び方については、後ほどの回で紹介しますので、お楽しみに」。
「また、ロングパンツについては、裾の部分がきゅっと絞られているのが特徴です。裾がチェーンリングのギヤ板に引っかかったりしないようにするためです」。
「そして、パンツにはポケットが多数ついているものが多いです。さらに、例えばスマートフォンを入れたりしていてもペダリング時に脚の動きを妨げないようにポケットの位置が少し下側に設けられるなど、作りが工夫されていたりします」。
長袖か半袖か、長ズボンか短パンか
同様の機能を備えたショートスリーブウェアとショートパンツもあるが、気になるのは暑い時期はどうしたらいいのか? だ。
「暑い時期でも、私はできればロングスリーブウェアにロングパンツを着ることをおすすめします。MTBパークやトレイルでは木々や葉っぱが生い茂っていますから、そうした植物で肌に切り傷を作ってしまう場合があり、それは極力防いだ方が良いと考えているためです。また、特にMTBパークでグラビティライドを楽しむのならば、転倒したときのけがを最小限に抑えるためにも、基本的にはロングスリーブにロングパンツにした方が良いでしょう。
しかし、やはりショートスリーブ・ショートパンツに比べると、どうしても暑く感じてしまう傾向があるのは否めません。とはいえ先ほど紹介したように、MTBウェアはいわゆる長袖長ズボンタイプでもかなり涼しく通気性と速乾性に優れた作りになっているので、ある程度の涼しさは確保できます。
ただし、かなり気温が高く熱中症の危険性がある場合など、時と場合に応じてショートスリーブ・ショートパンツを選択して、自分なりに調節してみてください」。
自分のライディングスタイルに合ったお気に入りの一着を見つけ、より快適にMTBライドを楽しんでいってほしい。