ニールソン・パウレスが独走勝利 ジャパンカップサイクルロードレース2022
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photo:WADA Yazuka
10月16日に宇都宮市森林公園周回コースで、ジャパンカップロードレースが開催された。総距離 144.2km(10.3km×14周)のレースに93選手が出走した。13周目に古賀志林道の上りでペースをあげたニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)が抜け出し、そのまま逃げ切って優勝。米国人として初めてジャパンカップを制した。
2位にはチームメイトのアンドレア・ピッコロ。3位はベンジャミン・ダイボール(チームUKYO)が入った。
セオリー通りではなかった
例年のジャパンカップなら、レース序盤に小集団の逃げができて、メイン集団は落ち着くという展開が多かった。しかし、今年は1周目から激しい展開が待っていた。スタート直後にある古賀志林道の上りで、シマノレーシングやチームUKYOの選手が抜け出しを試みるが、それに対してトレック・セガフレードがハイペースでレースを支配。古賀志林道を下ってきたところで、レースは早くも3つの集団に分かれた。レース後「今年は厳しい展開だった」と各チームが口をそろえる。
5周目にはレースの先頭集団が23人まで絞られたが、6周目の下り区間で後ろからかなりの人数が追いつき、再び大きなメイン集団が形成された。そして11周目にティム・ウェレンス(ロット・スーダル)がペースアップしたのをきっかけに、どんどん人数が絞られていった。田野の交差点へむかう平坦区間でパウレスと、シモン・ゲシュケ(コフィディス)の二人が逃げ出すが、12周目の古賀志林道上り区間で捕まった。
そして13周目の山頂ポイント付近でパウレスが動く。ジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が反応。下りきった平坦区間でアンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)らが散発的にアタックを繰り返し、そこからパウレスが今度は一人で抜け出しに成功。そのままファイナルラップを逃げ切って単独宇都宮市森林公園のフィニッシュへと帰ってきた。
パウレスに続くのはピッコロ、ベンジャミン・ダイボール(チームUKYO)、ヘルマン・ペルスタイナー(バーレーン・ヴィクトリアス)の3人の集団。そこからピッコロが単独でアタックして2位。3位争いのスプリントはダイボールが制した。
日本人の最高位は新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。14周目の2位集団に残り、11位でフィニッシュ。
とてもタフなレースだった(パウレス)
優勝したニースソン・パウレス:トレックの動きは驚きだった。でもいい状況だった。ジェームズが前にいたから。安心してレースを展開できた。岡は昨日のクリテリウムのスプリントだけじゃなくて、今日も集団をいいペースで引いてくれた。ワンツーフィニッシュできてうれしい。今年は成長できたと感じていたけど、勝ちがなかった。個人としてはクリテリウムで強さを見せられたので、自信をもって早めに仕掛けられたし、アンドレア(ピッコロ)がバックアップとしているから安心だった。最後のレースで勝てて良かったと思っている。
2位アンドレア・ピッコロ:11周目にメカトラがあったけれど巻き返せた。今週末は最高の出来だった。レース自体はとてもハードで、序盤から厳しかった。ディフェンスしながら展開したいと思っていた。中盤以降はアタックをかけたかったがメカトラでバイクを交換。ラスト2周はかなりハード。チームとしてラスト4周くらいでアタックする作戦だったので、それに近い展開ができてよかった。最後はアタックでニールソンが飛び出したのを追えてよかった。
3位ベンジャミン・ダイボール:自分のチームにとってとても大切なレースであるジャパンカップ。個人的にはトップ5を狙っていました。そこで3位に入れてよかった。ジャパンカップはいつも大切です。
いままでのジャパンカップで一番速かった(新城)
最初の1時間がかなり強烈。これまでにない厳しい展開。チームメイトが表彰台を逃したのは悔しいけれど、いいレース内容だった。ジャパンカップ前1週間はレースがなかったので、落ち着いて省エネで走ってた。やはり日本語の応援が聞けると力をもらえました。残り3周からは脚が攣っていた。今ある力を出し切れた。
来シーズンはこの全日本チャンピオンカラーのジャージを欧州で見てもらえる。日本のチャンピオンがこれだけ強いとアピールしたい。そのためにしっかりトレーニングしていく。
2022ジャパンカップリザルト
総合成績
1位 ニールソン・パウレス (USA) EFエデュケーション・イージーポスト 3:37’49” 0’00”
2位 アンドレア・ピッコロ (ITA) EFエデュケーション・イージーポスト +0’12”
3位 ベンジャミン・ダイボール (AUS) チーム右京 +0’13”
山岳賞
3周目 ジェームズ・ショー (GBR) EFエデュケーション・イージーポスト
6周目 岡 篤志 (JPN) EFエデュケーション・イージーポスト
9周目 増田 成幸 (JPN) 宇都宮ブリッツェン
12周目 ジューリオ・チッコーネ (ITA) トレック・セガフレード
アジア最優秀選手賞
新城 幸也 (JPN) バーレーン・ヴィクトリアス
U23最優秀選手賞
アンドレア・ピッコロ (ITA) EFエデュケーション・イージーポスト