「アミノバイタル®全日本最速店長選手権 in Zwift 2nd」詳報
目次
日本国内の自転車ショップで最も速い店長を決めるサイクルスポーツの名物レースのバーチャル版「アミノバイタル®全日本最速店長選手権 in Zwift 2nd」が2022年11月30日に開催された。男性店長カテゴリーではバイシクルステップの佐藤教行店長がスプリントを制して初優勝。女性店長 and 女性スタッフカテゴリーはワイズロード新宿本館・植竹海貴選手が昨年に続いて優勝し、連覇を果たした。詳報をお届けしよう。
2回目のバーチャル版全日本最速店長選手権。今回も「Zwift」での開催
日本最速の自転車ショップ店長を決めるロードレース「全日本最速店長選手権」は、2010年に雑誌の企画として始まり、2022年までに11回開催され、数々の名勝負を生んできた。昨年、新たな試みとして始まったのがオンラインサイクリングアプリ「Zwift」で行われる「全日本最速店長選手権 in Zwift」だ。Zwiftのプラットフォームを活用することで、参加資格を満たせば全国どこからでも参加でき、サイクルスポーツのYouTubeチャンネルでライブ配信を行うことで全国誰でも観戦ができるレースとなったのが最大の特徴だ。
全日本最速店長選手権 in Zwift 2ndでは、男女別にレースを実施。男性はショップ店長のみがレースに参加でき、昨年とは異なり年齢別のクラスはなく完全オープンのガチンコ勝負となった。女性は「女性店長and女性スタッフ」クラスとし、店長もしくはスタッフが参加でき、こちらも年齢別クラスはなく1クラスでレースを実施。男性店長クラスに30人、女性店長and女性スタッフクラスに8人がエントリーした。実際にスタートラインに立ったのは、男性店長クラス29人、女性店長and女性スタッフクラス7人の計36人だった。
今年のコースは全カテゴリー共通で、マクリ島の沖縄をモチーフにした新ワールドURUKAZIのTurn N Surfとなった。Zwift Japanの福田暢彦氏によると、序盤はフラット貴重なようで、短めながら急勾配の起伏があり、15km過ぎと21km手前から2kmほどの上りがあって有力選手によるアタック合戦が予想され、長い下りでも踏み続けないと失速しやすい地脚の問われるコースだということ。フィニッシュ手前も緩斜面ながら上りが続き、早めにしかけすぎるとフィニッシュまで持たない可能性もあり、機材選びやアイテムの使いどころが勝負のカギを握ると予想された。
全日本最速店長選手権 in Zwift 2nd レース実施概要
●コース:マクリ島・URUKAZI Turn N Surf
(全長:24.6km、獲得標高:195.8m)
●男女同時スタート。レース参加者以外のライダーは表示されない
●スプリント賞はなし
●レース中に2回獲得できるアイテムは自由に使える
●ドラフトあり
●レース着順はZwift Powerで決める
●心拍計の着用必須
●Zwift認証のスマートトレーナーまたはパワーメーターをパワーソースとする。Zpowerでは参加できない
男女同時スタート。序盤は女子選手も先頭集団に食らいつく
スタートに先立ち、サイクルスポーツのYouTubeチャンネルでライブ中継が始まった。各店長や女性スタッフは、Zwiftのプラットフォームでレースにエントリー。各選手のアバターがスタートラインについてレース開始を待った。さらに各選手はZoomでスタジオとつながり、多くの店長や女性スタッフがサイクルトレーナーに乗車するリアルな姿を公開した。ウォーミングアップがてら脚を回す参加選手の表情は真剣そのもので、特に上位争いを展開すると予想される有力選手からは緊張した表情の中にも強い意気込みを感じられた。
スタートラインに並ぶ選手のバイクは、トロンバイクの通称でおなじみのZwift Concept Z1が圧倒的に多かった。登坂性能、空力性能を高い次元で兼ね備えたZwift内で最強のオールラウンドバイクのひとつだ。一方、少数派ではあるが、エアロロードにディスクホイールというZwift内で平坦コースではトロンバイクより速い組み合わせとなるバイクで参加する選手もいて、各店長の作戦が垣間見えた。
午後7時、レースがスタート。オープニングアタックを決めたのは、スペシャライズド和歌山・大谷研史店長で、ガンガンと8倍ほどのパワーで踏み、コグ鹿児島・松永慎太郎店長ら有力選手がこれに続いた。やがて先頭集団は15人ほどに絞られ、昨年男子50歳以下のクラスを制し、男子全体でもトップとなったサイクルワークスフィンズ・遠藤健太店長、バルバワークスハクサンストア・井上和郎店長、サイクルポイントオーベスト・西谷雅史店長ら有力選手は順当に先頭集団に残った。この集団には昨年女子クラスで圧勝したワイズロード新宿本館・植竹海貴選手の姿もあり、実力を見せつけた。
15km地点の長い上りでセレクションがかかり、先頭集団が6人に絞られる
先頭集団では短い上りを活用して初出場のスペシャライズド箕面・永田将司店長が積極的にアタックをしかけ、何度か数秒ほど飛び出す場面もあったが、サイクルワークスフィンズ・遠藤店長らが吸収し、再び一つの集団に戻るという展開を繰り返した。大きな動きがあったのは、15km地点の最初の長い上り。サイクルポイントオーベスト・西谷店長が重めのギヤをダンシングで踏むいつものスタイルでアタック。7〜8倍程度の出力を保って上り続けると集団が崩壊。ピークまでに先頭集団が6人に絞られた。
この先頭集団に残ったのは、サイクルポイントオーベスト・西谷店長やサイクルワークスフィンズ・遠藤店長のほか、コグ鹿児島・松永店長、バイシクルステップ・佐藤教行店長、バルバワークスハクサンストア・井上店長、シミズサイクル サイクルスポーツ本館・寺西 剛店長。ここでは松永店長や遠藤店長が積極的に立ち回っていたのが印象的だった。
男子はバイシクルステップ・佐藤店長が前回覇者サイクルワークスフィンズ・遠藤店長らとのスプリントを制して優勝
6人となった先頭集団は、その後まとまって進んだものの、21km地点手前から始まる最後の上りのピーク付近でサイクルワークスフィンズ・遠藤店長がロングスパートをしかける。バイシクルステップ・佐藤店長がアイテムのエアロへルメットを使って追いつき、さらに後続も追いつく。最後の橋のところでコグ鹿児島・松永店長がスプリントで飛び出すと、遠藤店長がエアロへルメットを使ってこれをかわし、さらにバルバワークスハクサンストア・井上店長が続く。最終左コーナーで後方から一気に佐藤店長が強襲し、そのまま先行する2人をかわしてトップでフィニッシュ。うれしい初優勝を飾った。
「勝つためにZwiftチームのZEALに加入し、チームメートとスプリントの練習をするなど切磋琢磨してきた。コースが決まってからは、どの選手がどういう動きをするかを予想して万全の準備でレースに臨むことができた。前回優勝の遠藤店長が早めに仕掛けてアイテムはイメージどおり使えなかったが、ラスト100mフィニッシュまで近くで応援を受けて気持ちを乗せて走り切れた。強い店長さんたちの中で勝ててうれしい」と佐藤店長。
女性店長 and 女性スタッフカテゴリーはワイズロード新宿本館・植竹海貴選手が連覇
女性店長and女性スタッフクラスでは、昨年のこの大会を制し、2022Jフェミニンツアーのリーダーにも輝いたワイズロード新宿本館・植竹海貴選手が2年連続優勝。序盤は男子の先頭集団に食らいつき、終盤独走になっても体重の4倍以上の出力を保って淡々と走り、最後はもがいてフィニッシュ。格の違いを見せつけた。
「今日は男子の集団にできるだけついていこうという作戦でしたが、途中でちぎれてしまい、半分ぐらいは単独で走りました。ツール・ド・おきなわでロードレースシーズンも終わったので、今日は楽しみながら走りたいと思っていましたが、男子の速い店長さんたちと走れてよかったです」と植竹選手。
優勝者には豪華アミノバイタル®セットを贈呈
本レースではサイクリストの挑戦を応援する味の素・アミノバイタル®が冠スポンサーに。各カテゴリーの1位から3位までの選手には 「アミノバイタル®プロ」や「アミノバイタル®GOLD」「アミノバイタル®アミノショット®」「アミノバイタル®アミノショット®パーフェクトエネルギー®」などの豪華セットが贈呈された。
優勝者に贈られたチャンピオンジャージ
それぞれの優勝者には、ビオレーサー製のチャンピオンジャージが授与された。