筧五郎が教えるヒルクライム教室 powered by アミノバイタル®
目次
ヒルクライムレースに挑戦するロードバイクライダーの中には、なかなか思うように成績が伸びず悩んでいる人は多いだろう。そんな悩めるライダーに向けて、あの有名レーサーの筧五郎さんが走り方・トレーニング法・コンディショニングのコツを教えてくれる、特集をお届けしよう。
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ゆみやみさんが知りたい、ヒルクライムで速くなるコツとは?
「ロードバイクは始めてからだいたい2年くらいです。2022シーズンは普段のサイクリングだけじゃなくて、ヒルクライムレースにもいろいろと出てみたのですが、どうもうまくいきませんでした。だから、来る次のシーズンに向けて今からちゃんと準備したいなと思っていまして……」。そう話すのは人気自転車系YouTuberで、ゆみやみちゃんねるのゆみさん。
「ゆみさん、ヒルクライムレースに向けて、何か準備なり練習はしていましたか?」と筧五郎さん。「いえ、特にこれといったことは……」とゆみさん。
「なるほどね。ヒルクライムで速くなるにはコツがあります。
まず1つは、ヒルクライムに適した走り方やフォームに気をつけることです。
2つ目は、ヒルクライムという競技特性に合ったトレーニングの仕方です。
そして最後に、これはヒルクライムに限ったことではないのですが、“コンディショニング”です。
走り方・フォームについては、人それぞれ抱えている課題が異なるので、まずはゆみさんの走りを見させてもらって課題点を指摘すること通じて、ポイントを読者の皆さんに示していきたいと思います」。
早速、ゆみさんの上り坂での走りを拝見しよう。
POINT① “かかと”と”重心” ヒルクライムに適した走り方・フォーム
さあ、ゆみさんの上り坂での走りを筧さんにチェックしてもらおう。
「ちょっと待ってください。走る前に、私はこれを飲んでおくことをおすすめします」と、さっとアミノバイタル®プロを取り出した筧さん。
「アミノバイタル®……ですか?」とゆみさん。
「そう。私も愛用していてすごくおすすめ。後で説明するコンディショニングに関わってきます。このアイテムは、運動前に飲んでおくのを、私はおすすめします」。
※あくまで筧さん個人の摂取方法です。
ゆみさんが飲んでみると「水にすぐ溶けて飲みやすいですね。甘い!」と一言。
「さあ、では走ってみましょう。急勾配になるほど悪い癖が出やすくなるので、10%ほどの坂を上ってもらいます」と筧さん。
「走りを拝見して、大きな課題点が一つありますね。それはペダリングのたびにかかとが落ちてしまい、足がくねくねくねくねしていることです。アンクリングと呼ばれる症状で、ゆみさんに限らず多くのサイクリストに見られます。かかとが落ちるというよりも、かかと“から”落ちてしまっていると表現しても良いかもしれません。
かかとから落ちてしまうと、ペダルに力がうまく伝わらなくなります。かかとが落ちるときに、足首がひねられることで発生させた力が逃げてしまうからですね。“頑張っているのに進まないペダリング”になってしまっているんです。
かかとが落ちなければ、上死点から下死点付近までしっかりと力をペダルに伝え続けることができます」。
「それを防ぐための意識づけとして、下腹部を膨らませるイメージで乗ることです。こうすると自然と体幹がカチッと固まり、かかとが落ちにくくなります。脚全体の重さをペダルにうまく乗せることも可能になります。
これを獲得するためのドリルとしては、日常生活で常にこの状態を意識することですね。例えば食事で椅子に座るときでも、だらーんと座るのではなくて、下腹部を膨らませるイメージでしっかりと背筋を伸ばして座るのです。
日常生活で姿勢が悪い人は、やはり自転車の上でもフォームが崩れやすいです。常日頃気をつけていることが、自転車の上でのフォームにも現れると思ってください」。
【ココもポイント】重心の位置
「もう一つ、ヒルクライムのときに意識してほしいことがあって、それは重心の位置です。
急坂になったとき、何も姿勢を変えないままでいくと、重心位置が後ろに倒れます。そのままの状態でペダリングすると、最初から重心が後ろにずれているので、うまくペダルを回すことができず、これも頑張っているのに進まない、という状態につながりやすいです。また、かかとが落ちる原因にもなります。
下の写真と説明を見てもらえると分かりやすいと思います」。
「そこで、勾配の変化に合わせて、重心の位置を前に出すことが大切です。“前に乗る”と表現すると良いでしょう。大げさにやる必要はなく、ほんの少しでOKです。ややサドルの前側にお尻を動かして、上半身の前傾を少しだけ深くしてあげましょう。
すると、下の写真の説明のように、体と脚が自然と前に出て、結果的にかかとが下がることもないはずです」。
「ゆみさんは、上半身のフォームを見るかぎりは悪くなかったのですが、この点をもっと意識すると、よりスムーズに上り坂を走れるようになると思います。
さて、ではここで教えたことを意識して、もう一度坂を上ってみましょう」。
再度坂道を上ってもらい、ゆみさんのフォームをチェック。すると、かかとが落ちなくなったことが一目瞭然だった。
「ちょっと意識して走るだけで、こんなに変わるんですね。だいぶ坂道が楽になった気がします。今まで自分のフォームなんてまったく意識したこともなかったし、見たこともありませんでした」とゆみさん。
「そうですね。自分の走っている姿を仲間に動画で撮ってもらうなどすれば良いと思います。今後は自分のフォームをチェックする動画も投稿してみては?」と筧さん。
POINT② “10分走” ヒルクライムレースの競技特性に合ったトレーニング
「ゆみさん、ヒルクライムレースに向けてどんなトレーニングをしてました?」と筧さん。
「いえ、これといってヒルクライムレースに向けたことはやってませんでしたね」とゆみさん。
「ふだん、どんな乗り方をしていますか?」と筧さんが聞くと、「基本は週に1回、峠を含んだ100kmほどのロングライドをして、週に2回、Zwiftでワークアウトをしています。ただ、そのワークアウトは適当に選んでやっているだけです」と続けるゆみさん。
「なるほどね。ゆみさんの乗り方は、ただ漫然と走っているだけで、ヒルクライムに向けたトレーニングになってないんです。何となくハードなことをしたから、それでトレーニングした気になっているだけかもしれませんね。
ヒルクライムレースというのは、約1時間の上り限定のタイムトライアルという競技特性があります。そこで大事になってくるのは、“ゴールまでギリギリもつくらいの一定の出力を、最後まで出し続けること”です。つまり、いわゆるFTPを維持し続けられるようにするトレーニングメニューが必要になります」と筧さん。
「メニューなんて考えたことはなかったですね。具体的にどんなことをしたらいいんでしょうか?」とゆみさん。
「”10分走”と呼ばれるメニューを取り入れるのがおすすめです。
10分走というのは、FTPの8割程度の出力を維持して10分走り続けるメニューです。これを、途中に5分程度のレスト走を入れて、3本行うのが良いです」。
10分走
1本目:10分間FTPの8割の出力を維持して走る
↓
5分ほどのレスト走
↓
2本目:10分間FTPの8割の出力を維持して走る
↓
5分ほどのレスト走
↓
3本目:10分間FTPの8割の出力を維持して走る
↓
5分ほどのレスト走
「10分走は、平地でしかできない環境なら平地で行うのでもOKです。インドアトレーナーでしかできないのなら、それでももちろんOKです。
ただ、やはりヒルクライムレースに向けたトレーニングですから、10分上り続けられる上り坂で行った方が効果的です。
ゆみさんのスタイルなら、例えば100kmのロングライドをするとき、ライド中のどこかでこの10分走3本を取り入れてみてください。途中の5分のレスト走は、下り坂や信号待ちで多少長くなっても問題ありません」。
「注意してほしいことは、最初から飛ばしすぎて後半で出力が落ちてしまうことです。また、2本目、3本目のときに出力が下がってしまわないようにすることも重要です。ヒルクライムで大切なのは、とにかく最後まで一定の出力を維持できるようにすることですから。
ゆみさん、自転車にパワーメーターがついていますね。FTPを測ったことはありますか?」と筧さん。
「はい、だいたい170Wくらいです」とゆみさん。
「なるほど。するとその8割ですから、約135Wを10分維持し続けることに注意しましょう。
それから、ゆみさんがロングライドをするとき、20分ないし30分上れる峠があるかもしれませんね。そのときは、10分走にこだわるのではなく、その上り全部をFTPの8割を維持して、頂上まで上り切る練習をしてみても非常に効果的です」。
「今まで、そういったことを考えて坂を上ったことはありませんでした。後半でばてることが多いから、最後までゆっくり、というのは意識していましたけど」とゆみさん。
「ほう。ということは、ペース配分に関してはうまくいっているということですね。それなら、“狙った出力を維持して上れるようにする”ことを意識すると、より速くなれます」と筧さん。
パワーメーターがない人は?
ゆみさんはパワーメーターを持っており、FTPを測ったことがあるということだが、そもそもパワーメーターを持っていない人はどうしたらいいのか?
「その場合は、スピードメーターとケイデンスセンサー、そして心拍計を活用してください。できれば心拍計は用意してほしいところです。まぁスピードメーターは最低限、誰でも装着していますよね。
10分走をやる場合は、最初から飛ばしすぎないように意識しつつ、最後で最大心拍数に近づくくらいで終わるように走ると良いと思います。
スピードメーターを参考にするなら、もちろん勾配の変化で上下はしても仕方ありませんが、最後までだいたい一定の速度を維持するよう心がけてください。
また、ケイデンスを一定に保つよう心がけることも大事です。
このように、パワーメーターがない場合は工夫して10分走を行ってみてください」。
POINT③ コンディショニング
最後のポイント、コンディショニングについてだ。
「コンディショニングって、正直あんまり聞いたことがないですね」とゆみさん。
それに対し、五郎さんは「そうですね。結構みなさん、体を鍛えることばかり考えるのですが、それだけではだめなんです」。
「トレーニングというのは、カラダのコンディションを整えることとセットなんです。つまり、いいコンディショニングで質の高いトレーニングを継続することが、重要なんです。
そこでポイントとなるのが、練習に加えて休養と栄養を意識的に取る、ということです。なかでも重要なのにおろそかにされがちなのが、栄養補給です。とりわけ、運動で激しく消耗するアミノ酸を摂取することが重要になります」。
「アミノ酸ですか?」とゆみさん。
「そうです。そしてアミノ酸を摂取するタイミングも大切で、運動前、運動中、そして運動後に摂ることが重要になります。これを通常の食事だけでまかなうのは難しいので、アミノ酸を摂取できるスポーツサプリメントをうまく活用することを私はおすすめします。
私がおすすめしたいのは、味の素のアミノバイタル®シリーズなんです」と筧さん。
「それで最初にアミノバイタル®プロを飲んだんですね」とゆみさん。
「そうです。最初に飲んだアミノバイタル®プロは、私は運動前と運動中に飲むことをおすすめします。そして、私が運動後に飲むのをおすすめしたいのが、アミノバイタル®GOLDです」。
※あくまで筧さん個人の摂取方法です。
「アミノ酸の成分が多いからきつい味なのかと思ってましたが、これも飲みやすいですね」とゆみさん。
「そうなんです。最初におすすめしたアミノバイタル®プロもそうですが、携帯しやすのでジャージのポケットに入れておいて、いつでもすぐ飲めるようにしておくといいですよ」。
一連の指導を受けて、ゆみさんはどう感じたか?
「自分のフォームがいいのかどうかなんて考えたこともありませんでしたし、ヒルクライムレースに向けて漠然と練習してたんだなって分かりました。今後は、今回教えてもらったことをしっかり意識して準備していきたいと思います。
そして、今までこれといって気にしていませんでしたが、コンディショニングが大切で、アミノ酸がカギだということも分かりました。アミノバイタル®シリーズはとても飲みやすかったので、使ってみたいと思います」。
読者のみなさんも、この記事を参考にヒルクライムレースで自己ベストを出すべく、頑張ってみてほしい。