ロードバイクでライドに出る前に絶対やるべき簡単エクササイズ
目次
ロードバイクのライドに出る前に10分程度で手軽に取り組める、効果的なエクササイズを紹介しよう。良い動作をするための意識づけができ、ライド効率を上げてくれるだろう。教えてくれるのはプロトライアスロンコーチのMihoC(ミホシー)さんだ。
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みんないきなりライドに出かけがちだけど……
「今回紹介するのは、自転車の上で皆さんの体を整える効果があり、そしてインナーマッスルを発動させる意識づけになるものです。
皆さん、準備運動をしないでいきなり自転車にまたがってライドへ出かけがちですが、その状態だと体が硬い状態なんです。その前にほんのちょっと時間をかけてエクササイズをするだけで、ライドの効率はまったく違ってきます。ぜひ、この記事/動画を参考に日々取り組んでみてください。
最低限用意するものはヨガマットです。なければカーペットなどでも構いません。
後でまた紹介しますが、できればボールとストレッチポールも用意してもらえると、より効果的なエクササイズが可能です。
では、やっていきましょう」。
エクササイズ① 呼吸筋エクササイズ レベル1
へそと左右の足のかかとが一直線になるようにあぐらをかいて座る。
そのあと尻の肉を外にかき出すようにするイメージでしっかりと坐骨を床につける。これを安楽座の姿勢と言う。
次に鼻から息を吸い込みつつ、上半身を高く伸ばすようにする。背骨(椎骨)ひとつひとつに空気を入れて伸ばしていくようなイメージだ。
吸いきったら次にできるだけ細く長く口から息を吐く。このときに肩は脱力し、耳から離していくイメージで。これはロードバイクに乗るときと同じフォームだ。
この呼吸を3回繰り返す。
エクササイズ② 呼吸筋エクササイズ レベル2
より肩と首まわりをほぐしていく。レベル1と同じ用に安楽座の姿勢を作ったら、同様に鼻から息をゆっくりと吸っていく。
このとき、鎖骨を横に伸ばすようにしながら胸を広げていく。胸を張ろうとしないように注意だ。肩甲骨が寄ってしまう。
次にレベル1と同様に息を口から吐いて脱力していく。
これを3回繰り返す。
この呼吸を意識することで、ロードバイクに乗っていて心拍数が上がったときも、適切な呼吸を続けられるようになり、体をしっかりと動かし続けやすくなる。
エクササイズ③ 肋骨広げエクササイズ
肋骨は背中から体の前側まで広がっているが、前は柔らかく動かせるけれども横側と後ろ側が固く動かない人が多い。そういう人はライド中に呼吸が激しくなってくると前側の肋骨だけを動かすような呼吸となり、背中の筋肉がだんだんとこわばってきて、適切な前傾姿勢を維持できなくなりがちだ。
それを防ぐために、肋骨の横側と後ろ側を柔らかく動かして呼吸できるようにする意識づけを行う。
エクササイズ①、②と同じように座位の姿勢からゆっくりと鼻で息を吸うところまでは同じ。そこから胸いっぱいまで息を吸いきったら、今度は前側の肋骨を広げるようにしてさらに息を吸う。さらに横側の肋骨を広げるようにさらに息を吸い、最後にさらに体の背面の肋骨を広げるように息を吸う。最後に細く長く口から息を吐ききっていく。
これを2回繰り返す。
エクササイズ④ 上半身と肩甲骨のストレッチ
座位の姿勢を取ったら両手を脚の後ろ側に自然につき、その後片方の手を手のひら2つ分外側へずらす。そしてそのまま肘を地面へつける。このとき地面につけた手と反対側の骨盤と膝ができるだけ浮き上がらないように気をつける。もしきつければ、肘をつかず手のひらをついただけの状態でもよい。
次に手をついている方と反対側の手を、息を吸いながら骨盤と引っ張り合うようにするイメージで斜め上へ伸ばす。このとき首と背骨が一直線にあるように意識する。
息を吸いきったら、今度は伸ばした腕を緩めつつ、息をゆっくり吐いていく。そして、もう一度息を吸いながら腕を伸ばしてストレッチする。
再び息を吐きながら手の伸びを緩めたら、次にそのままの姿勢から指先までまっすぐに腕を伸ばし、自分の体を支点にしてコンパスで大きく円を描くように腕をぐるりと回す。
このとき、腕が体の後ろ側にいくときほどきつく、肩がバキバキと鳴りがち。それは血行不良が起きている証拠で、この音が鳴るということはこれからあなたの腕がスムーズに動くようになる伸びしろを表していると考えていい。
3回転行い、今度は逆回転でもう3回転行う。
次に、ついている手で地面をプッシュするようにし最初の安楽座の姿勢に戻り、今度は逆側の手と肘をついて腕を斜めに伸ばすストレッチと腕を大きく回すストレッチを反対側で行う。
エクササイズ⑤ 背中のストレッチ
安楽座の姿勢を取り、手の指を体の前で組んだ状態で鼻から息を吸い、上半身を高く伸ばす。
次に口から息を吐きながら手の甲と肘を体の前へ出していく。このとき肩甲骨を左右に離し、背中を広げていくようにする。
息を吐ききったら、また鼻から息を吸って体を伸ばし最初の姿勢へ戻り、2回目を行う。
2回目を行ったら再び鼻から息を吸って体を伸ばし、今度は体の右斜め前方向へ手の甲と右の肘を口から息を吐きながら伸ばしていく。このとき、左側の肩甲骨と肘を外へ向けていき、左側の背中を伸ばすように意識する。
息を吐ききったら鼻から息を吸いながら上半身を伸ばし、2回目を行う。痛いと感じるところまでやる必要はなく、気持ちいいと感じるところまで伸ばせればよい。
右側2回が終わったら、今度は同様に左側2回を行う。
エクササイズ⑥ 腹筋のインナーマッスルを呼び覚ますトレーニング レベル1
ここまではストレッチで、最後に腹筋のインナーマッスルをライド前に温めるトレーニングだ。
腹筋のインナーマッスルを発動できていないと、自転車に乗っているときにハンドルに上半身の体重が乗りすぎてしまったり、サドルにどっかりと座りすぎてしまう状態になってしまう。すると、ペダルに自分の体重をうまく乗せることができなくなる。このトレーニングでは、そうならないようにしっかりと腹筋のインナーマッスルを動員できるよう意識づけをする。
まず体育座りをし、そのあと後ろへ倒れて背中を地面につける。なお、このときにかかとの位置が腰へ近づけば近づくほどきつくなるので、つらい場合は実力と相談してかかとを前へ離していこう。
背中を地面につけたら手を重ね、上腿と同じ方向に伸ばして指先もまっすぐと伸ばす。
口から息をゆっくりと吐きながら、みぞおちをのぞき込むようにして頭を起こす。そのあと、みぞおちを恥骨へ近づけるようにして上半身をゆっくりと起こしていく。このとき背中は丸めたうえで、背骨(椎骨)ひとつひとつを床からはがしていくようにする。
ここでやってしまいがちなのが、背中がまっすぐになってしまうことだ。みなさんがイメージする、よくある反動をつけて上半身を起こす腹筋トレーニングがまさにこれだろう。これだとインナーマッスルではなく単なるアウターマッスルの動員になってしまう。
上半身を完全に起こせたら、一度鼻からゆっくりと息を吸って上半身を伸ばす。
次に口からゆっくりと息を吐きながら、今度は上半身を床につけていく。最初は骨盤をゆっくりと後傾させて床につけ、次に下から順に背骨(椎骨)ひとつずつを丁寧に下ろしていくイメージで背中を丸めながらゆっくりと上半身を床につけていく。
肩から頭までが上がった状態になるとかなりきつくなるが、しっかりとみぞおちに力を入れて、丁寧に最後まで下ろしていく。
このとき、きついからといってストンと頭まで一気に床に落ちてしまわないようにしっかりキープして下ろしていこう。
再び息を鼻からゆっくりと吸って上半身を伸ばしたら、2回目を行う。そして同様に3回目まで行おう。
エクササイズ⑦ 腹筋のインナーマッスルを呼び覚ますトレーニング レベル2
次に少しレベルを上げる。100円均一ショップなどで売っている安いもので良いので、上の写真サイズのボールを使う。空気は触ってすこしぐにゃりと潰れる程度に抜いておく。クッションでも代用可能だ。
このボールを使って、前項のトレーニングと同じことを3回行う。これによって内転筋と骨盤底筋群が使われ、さらに腹筋のインナーマッスルを動員する意識づけになる。
もしこのエクササイズがつらくてできない場合は、ボールなしでもう一度⑥と同じエクササイズを行おう。
エクササイズ⑧ 腹筋のインナーマッスルを呼び覚ますトレーニング レベル3
最後はさらに難易度が高くなる。ストレッチポールを使って、前項と同じ内容を3回行う。ストレッチポールには背骨を添わせるようにしよう。
かなりきついので、これもきつすぎて不可能な人は、ボールを使う⑦をもう一度行うか、あるいはボールなしの⑥をもう一度行うのでもOK。
また、そもそもレベル1の⑥でもつらい人は、⑥のみを1セットでも構わない。
冒頭の動画も参考にしつつ、ぜひライドに出る前にできる範囲で取り組んでみてほしい。