【Dailyアレ!アレ!ユキヤ】チームメイトのミラン勝利 ジロ・デ・イタリア第2ステージ
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ステージ勝利を喜び合うジョナタン・ミランと新城幸也
ジロ・デ・イタリアへの出場が決まった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)を追って現地へ飛んだ、本誌の連載「アレ!アレ!ユキヤ」を担当する番記者・大前 仁のレポート。
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ジロ・デ・イタリア2023 第2ステージはテーラモからサン・サルヴォまでの202km、天気は晴れ。少し風はあるが、気温は20℃から25℃になろうとしている。
テーラモのカテドラルの西側の広場がスタートサインなどの会場にあてられ、周辺の路地はもちろんお祭り騒ぎだ。そして500mほど離れたところにチームバスを止めるスペースが用意された。
暑いので、スタートギリギリまでバスにいてサインして出走かと思いきや、出てきたユキヤが「時間が決まっているんです」と、そそくさと自転車にまたがった。
「何もない」の意味
「今日は何もないと思いますよ」と言っていたユキヤだが、それは平坦ステージとして逃げができ、リーダーチームがコントロールし、逃げが最後に捕まり、スプリンターを擁するチームが勝つ、という筋書き通りだから、「何もない」というコメントだったはずだ。
ところが、この日の5人の逃げはタイム差が開いたものの早々に縮まってきた。「逃げる気がなかったですよね」とユキヤ。ただ、そうなると筋書きが難しくなるので逃げは捕まえず、終盤へとなだれ込んだ。
「(スピードが)速すぎて意味がわからないです(笑)」というユキヤだが、スプリンターのために前に出る場面が頻発。僕もフィニッシュライン付近のテレビで見ていたのだが、おそらくラスト15kmと8、9kmあたり、ユキヤの仕事ぶりが日本でも見られたはずだ。
サン・サルヴォのフィニッシュライン、チームメイトのジョナタン・ミランがスプリントを制してガッツポーズ、後ろでもバーレーン・ヴィクトリアスの選手(おそらくバスカロン)が手を挙げて喜びを爆発させた。
数十秒後、もちろんユキヤが帰ってきた。無線ですでにミランの勝利を知っていたのだろう、「おめでとう」の返事は「よかったです!」と満面の笑顔だった。
総合争いのアシストも大変なら、スプリンターのアシストも生半可ではない。ユキヤたちはそれをしっかりやり遂げて、ミランはその期待に応えたのだ。
フィニッシュラインを越えたユキヤがチームバスに向かおうとすると、勝ったミランがインタビューを受けていた。嬉しそうに抱き合う2人。なかなか見ることができない場面に出会えて、そしてフォトグラファーたちが一斉に激しく位置取りする場面に久しぶりに出会った。
マリア・チクラミーノを着たミランは「チームメイトは素晴らしい仕事をしてくれた。 彼らは僕に落ち着くように言い続け、僕を先頭の位置に置いた。僕は自分のスプリントをすることができた. 僕はスーパーハッピーだよ」とコメントしている。