【Dailyアレ!アレ!ユキヤ】雨のTT ジロ・デ・イタリア第9ステージ
ジロ・デ・イタリア2023への出場が決まった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)を追って現地へ飛んだ、本誌の連載「アレ!アレ!ユキヤ」を担当する番記者・大前 仁のレポート。
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ジロ・デ・イタリア2023 第9ステージはサヴィニャーノ・スル・ルビコーネからチェゼーナまで35kmの個人TTだ。ステージレース途中の個人TTは総合成績の逆順に出走する。昨日の時点で164人中の総合155位に位置するユキヤは、今日は10番目にスタートすることになった。
気温は15℃前後、天気は朝から降ったりやんだり、しかもかなり強く降るときもあって、それがタイムに影響することもあるだろうが、総合上位勢はほぼ同じタイミングで出走するから、それほど差がないのかもしれない。
僕が撮影していたのは9km地点の左カーブ。雨のなか詰めかけた観客が傘を差して選手を待ち構えた。
先頭で来たのはコラテックの選手、続いてまたコラテック。その頃、観客が持ったラジオからはユキヤのスタートが告げられ、「ジャポネーゼがスタートしたぞ」と教えてくれる。
コラテック2人のすぐあとにトレック・セガフレードの選手が追いついていて、この9kmで1分を詰めているからスゴイ。7番目出走のマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタンチーム)もかなり速く通過していった。
定刻通りスタートしたユキヤはそれまでの9人とは違うラインで走ってきた。まさかこの天気だから下見をしてはいないと思うのだが、直角左コーナーとしてTTポジションから持ち替えて曲がるのではなく、左高速コーナーとしてすっ飛んでいった。速いぞ!
チームユキヤ通信では「リカバリー優先」とコメントしたというユキヤだが、こりゃちゃんと踏んでいる。それでもたぶん全開ではなく、9割くらいなのかもしないが、メリダのTTバイクの速さもあって調子は良さそうだ。
「調子よく走ることができたので、予定よりも良いワットで走り終えました」と話すユキヤのタイムは45分19秒82、平均時速は46.341kmだ。この雨で……、スゴイ! そしてユキヤは区間73位だ! 「レッドゾーンに入れずに、しっかり楽しみました」とユキヤはコメントしてくれた。プロだね〜。
チームメイトも総合上位のカルーゾ、ジャック・ヘイグ、サンティアゴ・ブイトラゴ、それにヤッシャ・ズッターリンも好成績でまとめ、第2週に向けて好材料を揃えた。チーム総合も2位に上がっている。明日は休養日、ゆっくり休んで、ジロ2週目へとつなげてほしい!